<ライブレポート>ボーカルはなんと、あいみょん 大型新人(?)バンド「OJAMASHIMA’s」サプライズライブに潜入

2026年1月17日 / 18:00

 「2025年結成のバンド、OJAMASHIMA’s(おじゃましまーず)の初ライブが1月15日に赤坂カントリーハウスで開催されるので、ライブレポートを執筆してほしい」。年明けすぐにそんな依頼を受けて、最初は「OJAMASHIMA’s……?」となったのだが、そのメンバーを知って驚くと同時に「なるほど!」と納得した。ボーカル/ギターがあいみょん、ギター/ベースにペトロールズの長岡亮介とアイゴンこと會田茂一、アコーディオンに佐藤芳明、パーカッションに三星章紘。そう、OJAMASHIMA’sとは超豪華なメンバーによって結成された、驚異の新人バンドなのだ。

 事の始まりは昨年10月にリリースされた、あいみょんのシングル『ビーナスベルト』に収録されたもう一つの新曲「おじゃまします」だ。この曲のアレンジを担当したのが、これまでにも度々あいみょんの楽曲に関わっているアイゴンで、彼がこの曲への長岡の参加を提案。あいみょんの楽曲で長岡が初めてギターを弾いた、記念すべき一曲となった。そして、11月には長岡がパーソナリティを務めるラジオ番組『CITROEN FOURGONNETTE』にあいみょん&アイゴンがゲスト出演。ここで話が大いに盛り上がり、バンド結成、さらには初ライブと、一気に話が進展していった。(※CITROENのEはトレマないしウムラウトを付した文字が正式)

 赤坂駅から歩いてすぐの場所に位置する赤坂カントリーハウスは、1976年にオープンした老舗のライブハウス。長岡は20歳の頃から毎月このお店に出演し、マスターと一緒にバンドをやったりと、ホームグラウンドと言っても過言ではない。そんな長岡と縁の深い場所に、あいみょんが「おじゃまします」というわけだ。ヨーロッパの古城から取り寄せたというレンガをあしらった店内はアットホームな雰囲気で、フロアに置かれた椅子は前列7席・後列7席の14席のみ。幸運にもチケットを購入できたのはお店の常連だという2名だけで、あとはメンバーの友人たちが招かれ、僕の前にはあいみょんの普段のサポートメンバーであるギターのqurosawaと、ドラムの伊吹文裕が座り、ステージからの距離の近さに最初は気恥ずかしそうにしていたのも微笑ましかった。

 開演時刻の21時を過ぎると、OJAMASHIMA’sの5人が「おじゃまします!」と言いながらステージに登場。ウェスタン風のGジャン姿が新鮮なあいみょん、テンガロンハットを被ったアイゴンをはじめ、メンバー全員が首や腕に巻いたバンダナがバンドのトレードマークだ。「みなさん、はじめまして。新人バンドのOJAMASHIMA’Sです!」という挨拶から、1曲目に演奏されたのは「君のこゝろ」。長岡とアイゴンは椅子に座ってリラックスした様子で演奏をし、「おじゃまします」のレコーディングにも参加している佐藤のアコーディオンがいいアクセントに。あいみょんもゆったりリズムに乗りながら歌って、最後にビブラスラップを打ち鳴らしたりと、初めてのステージを楽しんでいる様子が伝わってくる。なお、このライブは事前告知なくあいみょんのInstagramのアカウントで生配信され、ファンにとっては大きなサプライズとなった。

 メンバー紹介をして、「新人バンドなので、何かあっても許してください」と笑うと、2曲目に披露された「die die die」ではあいみょんがタンバリンを叩きながら歌い、長岡のカントリースタイルのギターが素晴らしい。「アイゴン、緊張してる?」「緊張っていうか……暑い」と、仲の良さが伝わるやり取りに続いて、3曲目は年末の『NHK紅白歌合戦』でも演奏された「ビーナスベルト」。アイゴンはラップスティールを弾き、三星がウィンドチャイムを鳴らしたりと、OJAMASHIMA’sならではのアレンジが非常に効果的だ。お客さんに「今日はどちらからお越しなんですか?」と話しかけるなど、終始和やかなムードでライブが進むと、「チカ」では長岡がギターではなくファンキーなベースで盛り上げる。あいみょんのライブの定番曲「ふたりの世界」はフォーキーな原曲がOJAMASHIMA’sの編成と好相性で、アコーディオンのソロもバッチリハマっていた(ちなみに、OJAMASHIMA’sではセックスコールはナシです。あしからず)。

 ここで長岡がOJAMASHIMA’s結成の経緯を語ると、あいみょんの「今日が初めてのライブで、今日惜しまれつつ解散せなあかんのかなと思ってたけど、そんなつもりはなさそうです」という言葉に拍手が起こる一幕も。さらに実はOJAMASHIMA’sのXアカウントが開設されていること、チケットを買ってきてくれたお客さんが2人だけいること、会場に赤坂カントリーハウスを選んだのは長岡ではなくアイゴンだったこと、すでにOJAMASHIMA’sのステッカーがあること(イラストは我喜屋位瑳務によるもので、この日の数少ないオーディエンスの一人)を話し、「チケット2枚売れてよかった。ビールくらい飲めるよ」「ノルマがなくてよかった」と、キャリアのある5人が新人バンドらしいやり取りをする光景もこの日ならではの貴重なものだった。

 「次はまたどこにおじゃまするのかな?ということで、最後に聴いてください!」と言って演奏されたのはもちろん「おじゃまします」。この曲の前に長岡は壁にかけてあったフライングVをおもむろに手に取り、急にそれを使って演奏し始めたのは、やはりここが長岡のホームであることを感じさせ、とても印象的だった。ハンドマイクでパフォーマンスするあいみょんに導かれ、場内は手拍子に包まれて、大盛り上がりでライブは終了。今年11月のメジャーデビュー10周年を控え、夏には初となるバンドでの甲子園球場ライブも決まっているあいみょんにとって、大事な1年の幕開けを飾る、親密でありながらも非常に贅沢な一夜だった。

Text by 金子厚武
Photos by 永峰拓也

◎セットリスト
1. 君のこゝろ
2. die die die
3. ビーナスベルト
4. チカ
5. ふたりの世界
6. おじゃまします


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