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BAND-MAIDが、2025年12月7日に東京ガーデンシアターで全国ツアーのファイナルとなるお給仕(ライブ)、【BAND-MAID TOUR 2025 FINAL TOKYO GARDEN THEATER】を開催。詰めかけたご主人様、お嬢様(ファンの総称)を前に堂々たるパフォーマンスを見せると共に、2026年のワールドツアーもサプライズ発表して、歓喜の中でツアーを締めくくった。
5月10日の“メイドの日”に東京・LINE CUBE SHIBUYAからスタートして全国17か所を巡った【BAND-MAID TOUR 2025】。10月22日にリリースした新作EP『SCOOOOOP』を引っ提げてスタートしたツアーFINAL ROUNDも大きな期待で迎えられ、ファイナル公演となったこの日も、チケットはソールドアウト。これを以って、2025年のツアーは全公演ソールドアウトを記録した。海外から訪れたのであろう大勢のご主人様・お嬢様の姿もあり、開演前にはフラワースタンドの前で集合写真を撮っている光景も。世界規模な人気ぶりがますます広がっていることが感じられた。
開演時間を少し過ぎた頃、暗転。SEに合わせて場内に手拍子が沸き起こり、バンドを迎える。ステージ上でライトが点滅、ツアービジュアルの映像が映し出された5つのスクリーンが天井に吊り上げられていくと、中から小鳩ミク(Gt./Vo.)、SAIKI(Vo.)、KANAMI(Gt.)、AKANE(Dr.)、MISA(Ba.)が登場。驚きの演出にどよめきが起こると、スポットを浴びたKANAMIが高速のイントロをギターを奏で、AKANE が怒涛のドラムプレイで雪崩れ込むように加わりSAIKIが歌い出したのは「Ready to Rock」。同曲が主題歌を務めたアニメ『ロックは淑女の嗜みでして』のキャラクター、鈴ノ宮りりさ(Gt.)と黒鉄音羽(Dr.)のセッションを思わせるオープニングだ。SAIKIが大観衆と対峙するように歌い、MISAのベースがうねる。小鳩がバッキングしながら〈好きじゃないなら ほら滾れない〉と叫んでサビに突入すると、SAIKIの歌声に合わせて腕を振り上げ、〈Oh,Wow! Oh! Oh!〉と大音量のコーラスを返すご主人様、お嬢様。左右のビジョンに映し出される5人の姿は威風堂々、巨大なステージ上で貫禄すら感じさせる。KANAMIの上昇フレーズに合わせて〈Hey! Hey!〉と声を上げる客席を、SAIKIが両手を広げてさらに扇動する。
続いて新EPからの「SUPER SUNSHINE」へ。ストレート且つダンサブルな演奏に乗せて歌われる力強いメッセージが、サビで明るく照らされた客席に広がっていく。ブレイクすると小鳩が激しくギターをかき鳴らし、AKANEのドラム、MISAのベースへと続き、SAIKIがラップ調のフレーズを繰り出すと、KANAMIが中央でソロを弾く。〈何度だって 何度だって〉と熱く繰り返す「Protect You」、タイトルとは裏腹に、頭上のスクリーンに5人の姿が映し出されて結束の強さを感じさせた「alone」、グッと重心の低いテンポで濃厚な歌と演奏を聴かせた「Zen」まで、一気に駆け抜けてみせた。
MCでは小鳩が「おかえりなさいませ、ご主人様。やってまいりましたっぽ、ツアーファイナルっぽ~! 嬉しいことに、本日ソールドアウト。そして、全公演ソールドアウトですっぽ!」と伝えると、会場中が大きな拍手で讃えた。「今日は盛りだくさんな、BAND-MAIDの2025年、今しか見せられない魅力が詰まったお給仕になっておりますので、最高に楽しい夜にする準備はできてますかっぽ!?」と、会場と配信で観ているご主人様・お嬢様に呼び掛けて、「ようこそ! BAND-MAIDのお給仕へ!」の合図で「What is justice?」へ突入した。轟音の渦からSAIKIの超ハイトーンが炸裂する。真っ赤なライティングも興奮を煽り立てた。AKANE~MISA~小鳩のセッションから、KANAMI のリフへと繋がり「Shambles」が飛び出すと、ステージから炎が繰り返し立ち昇り、ドラマティックなパフォーマンスに会場の熱量が上がる。「you.」では、SAIKIが「ガーデンシアター、そんなもんか!? かかってこいや!」と叫んで客席はさらにヒートアップ。「もっとくれー!」とコーラスを求めるSAIKIに応えてアリーナから4階まで、大きな声がステージに集まった。小鳩がギターをかき鳴らし、メインボーカルを務める「Brightest star」へ。4人が繰り出す豪快無比な音の塊と、小鳩のキュートな歌声の組み合わせはSAIKIのボーカルとは対照的でお給仕の大きなアクセントとなっていた。
幻想的な音像からピアノが厳かに鳴り響いて、「The one」へ。感情表現豊かにドラマティックなロッカバラードを歌い上げるSAIKIと、寄り添うようにコーラスする小鳩と共に、眩い光がステージから放たれる。さらに新EP収録曲「SION」へと続き、SAIKIは美しいメロディをソウルフルに歌い、小鳩は静かにハーモニーをつける。その歌をどっしりと支えるMISAとAKANEのリズム、KANAMIのエモーショナルなソロでさらに深い世界観を伝えた。バンドの一体感がひと際感じられる珠玉のバラードは、大きな感動を生む名演だった。「Forbidden tale」では歌詞がビジョンに映し出され、疾走する演奏に合わせて「Oi!
Oi!」とコールで客席が埋め尽くされる。途中、ブレイクすると「ウォ~!」と地鳴りのような大歓声。誰もが求める存在証明を、バンドとオーディエンスで共有した1曲を歌い終えたSAIKIは「ありがとう」と呟いた。「みんな歌ってくれる!?」と語り掛けた「endless Story」でさらに会場全体が1つになった。
「みんな歌ってくれてありがとう! 今日はツアーファイナル、みんな肩も腕も膝も喉も、痛めて帰りなさい。いけるかみんな~!?」とSAIKI。笑いながらも応えるご主人様・お嬢様の声もそのつもりです、と言わんばかりだ。小鳩とSAIKIによるMCに続き、MISAが“2025年の集大成”としてビール缶を片手に「口開封の儀」を披露するなど、演奏とのギャップでしばし和ませる。小鳩によるお給仕の恒例「おまじないタイム」で「萌え萌え」「キュンキュン」のコール&レスポンスを経て、インスト曲「Lock and Load」でライブ再開。SAIKIもキーボードで加わり、続いてもインストの「without holding back」で、ツアーでさらに鍛え上げられた各プレイヤーの技量とバンドのグルーヴを見せつけた。続いてベースとドラムのセッションタイムへ。MISAがスポットを浴びながら幻想的な独奏で惹きつけると、AKANEがド迫力のドラムで加わり、テンポアップした掛け合いで魅了した。
「Toi et moi」ではスクリーンがステージに降りて、下手から小鳩、MISA、AKANE、KANAMI、SAIKIの順にスクリーンの中に入る格好で並んでパフォーマンス。暗がりで蛍光色に光る演出もあり、アバンギャルドなムードを醸し出した。曲が終わり再びスクリーンが上がっていくと、小鳩がハンドマイクを握り、SAIKIと共に歌いながら、全員が定位置に移動して、新EPからの「Dilly-Dally」が飛び出した。小鳩とSAIKIのツインボーカルに一斉に沸き立つオーディエンス。SAIKIは、「みんなでこの曲創ろうぜー!」と客席に呼び掛けて、〈Dilly-Dally Dilly-Dally…〉とキャッチーなリフレインを歌うように促す。MISAとKANAMIはAKANEのドラムセットに歩み寄りタイトな演奏をより強固にしている。MISA、小鳩、AKANE、KANAMIのソロリレーでカオスが加速して大盛り上がりとなった。
「Unleash!!!!!」でさらに興奮は続き、メンバーそれぞれがステージ前に出てパフォーマンス。豪快且つスピーディーな演奏と歌が巨大な会場を支配している。「NO GOD」が飛び出すと、拳を挙げて盛り上がるアリーナを中央のお立ち台から煽り立てるSAIKI。「Magie」で〈Jump Jump Jump〉とシャウトするSAIKIに煽られて、アリーナから4階までものすごい人が飛び跳ねて会場を揺らした。
MCで今回のセットリストについて言及したSAIKIは、『ロックは淑女の嗜みでして』のモーションキャプチャーアクトでキーボードを担当したこともあり、今日演奏された2曲のインストにもキーボードで演奏に参加したことを明かした(「without holding back」は「ロックは淑女の嗜みでして」第8巻に登場している)。また、KAMAMIがマイクを取り、「『Dilly-Dally』はEPではまだ未完成かなと思っていて、会場でみんなと完成させたい曲だったんですけど、今日、完成しました!」と宣言。SAIKIも「みなさんのご協力のおかげで、とても良い曲になりました!」と続けて、会場は割れんばかりの拍手に包まれた。
「みなさんに曲を届けることとライブが、私たちの生きがいなんですけれども、その曲をみなさんがこうやって受け入れてくれて、“すごくいい曲だね”って言ってくれて。EPをリリースしても温かい言葉を頂いて、本当にバンドをやっていて良かったなって思ったし、BAND-MAIDをやってたから、みなさんに出会えたんだなと思って、本当に本当に感謝しております! ありがとうございます! 今日で一旦ツアーは終わるんですけれども、BAND-MAIDはまだまだ歩みを止めません。来年も楽しみにしていてほしいので、みんなついてこれるかー!? ラストスパートいこうぜー!」(SAIKI)
怒涛の歓声を受けて始まった「HATE?」の曲中、MISAとKAMAMIが2人で中央のお立ち台に上がる。スラップを織り交ぜたMISAのベース、タッピングで聴く者の脳を揺さぶるKAMAMIのギター、背後で煽るAKANEの力強いスネア。巨大な会場の中で繰り広げられる研ぎ澄まされたセッションは、観客にとってはまさに極上の音楽体験だ。ヘヴィなイントロのリフに歓声が上がった「DOMINATION」では、SAIKIと小鳩の歌声に合わせて会場中から腕が振り上げられて、SAIKIがリズミカルに歌いながら「Say!」と煽ると〈Hello Hello Hello Hello〉とコーラスで一体となった。MISAと小鳩がドラムセットの前後からAKANEを挟んで演奏するシーンも。各自がライブ終盤に来てさらに超絶技巧を披露して、寸分たりとも飽きさせない。SAIKIが「最高ー!」と叫んで曲を締めると、すかさず「Choose me」へ。天井から吊るされたスクリーンに5つのバンドロゴが映し出される。メンバーはステージに広がり、客席からの声援に応えながらパフォーマンスを見せた。
「ありがとう東京! 次がラスト! みんなもっといけるか!? 出し切れるかー!?」とSAIKIが叫んでから、一瞬の静寂の後に歌い始めたのは新作EP『SCOOOOOP』の1曲目「Present Perfect」だ。「もっと聴かせて!」と煽るSAIKIに応えてありったけの声をステージに返すご主人様・お嬢様。驚異的な声量、ロングトーンでオーディエンスを圧倒するSAIKI。ステージが明るく輝く中、その姿は神々しくも映った。
「ありがとう! またお会いしましょう! 来年も、ついてこいやー!」とSAIKIが叫んで曲を終わらせると、最後は小鳩が「それではいってらっしゃいませ、ご主人様、お嬢様。またお給仕でお会いしましょうっぽ。BAND-MAIDでしたっぽ。ばいばいっぽ~!!」と挨拶して締めくくった。それぞれがピックやスティックを投げながら、客席に手を振り、5人はやりきった清々しい表情でステージを後にした。その後、ビジョンで2026年に海外でのお給仕【BAND-MAID WORLD TOUR 2026】の開催が告知されると、会場中からどよめきと大歓声が沸き起こった。客席が明転すると、これ以上ない渾身のライブ・パフォーマンスを見せてくれたバンドへの心からの称賛と、2026年への期待が込められた拍手が、いつまでも鳴りやまなかった。
Text by 岡本貴之
Photo by 伊東実咲
◎セットリスト
【BAND-MAID TOUR 2025 FINAL TOKYO GARDEN THEATER】
2025年12月7日(日)東京・東京ガーデンシアター
1. Ready to Rock
2. SUPER SUNSHINE
3. Protect You
4. alone
5. Zen
6. What is justice?
7. Shambles
8. you.
9. Brightest star
10. The one
11. SION
12. Forbidden tale
13. endless Story
14. Lock and Load(inst)
15. without holding back(inst)
16. Toi et moi
17. Dilly-Dally
18. Unleash!!!!!
19. NO GOD
20. Magie
21. HATE?
22. DOMINATION
23. Choose me
24. Present Perfect
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