<ライブレポート>D-LITE「これからも僕のそばにいてください」新たな一歩を踏み出したアジアツアー横浜公演

2025年9月1日 / 18:00

 BIGBANGのボーカリスト、D-LITEの日本公演【D-LITE 2025 ASIA TOUR [D’s WAVE] IN JAPAN】が8月30日、31日の2日間にわたり、神奈川・ぴあアリーナMMで開催された。4月のソウルコンサートを皮切りにアジアツアーをスタートしたD-LITE。この日のライブは、7月のGLION ARENA KOBE(神戸)に続いての日本公演2デイズとなった。レポートでは、31日の模様をお届けする。

 今年、日本国内におけるマネジメント契約をアミューズと締結、ユニバーサルミュージック所属となったD-LITE。オフィシャルファンクラブ「D’s Light」も開設するなど、今後の日本での活動に大きな期待がかかる中でのライブとなった。

 暗転してステージ中央のビジョンに惑星が映し出され、ステージ上段にD-LITEが登場すると、虎の手を模したペンライトの黄色い光で埋め尽くされた客席から大歓声が沸き起こる。「横浜~! Welcome to my Universe!」と叫んで歌い出した「Universe」でライブがスタート。ビジョンに映し出された宇宙空間に包まれるように歌い、壮大なサウンドに乗せてスクリームすると、ステージ下段に降りてダンサーたちと共に踊り出す。「さあ、いってみよう!」と声を上げると、ステージ上下から火柱が上がり、早くもクライマックスのようなムードが広がった。

 「みなさんの大事な日曜日、僕と一緒に過ごしてくれてありがとうございます! 僕の人生で一番楽しい日曜日になるんじゃないかなって、ワクワクしています。大切な思い出を作りましょう。準備できてますか!?」と呼び掛けて、コール&レスポンスから「Last girl (with HAN YO HAN)」へ。途中、「紹介します! ハン・ヨハン!」と声を掛けてビジョンに登場したハン・ヨハンがリズミカルにラップする。続く「JUMP」ではサビでD-LITEが〈JUMP!〉と叫ぶと一斉にペンライトが掲げられて一体に。センターステージに移動すると、客席にタオルを投げるファンサービスでドッと沸かせた。

 オープニングから、韓国での1stミニアルバム『D’s WAVE』収録曲を立て続けに3曲披露すると、MCでは今回のツアーはミニアルバムのリリースに伴うツアーであり、日本のライブでこれまでになく韓国語の曲が多いことを告げて、メロウでこみ上げるロックバラード「Falling Slowly」を熱唱。ピアノの伴奏で歌い出した「Light」では、終盤で見事なロングトーンを響かせて大きな拍手を呼び込んだ。「ウソボンダ (Try Smiling)」から「BABY DON’T CRY」へと、グラデーションのように感情の移り変わりを表現。この2曲について、「ライブで歌ってから、雰囲気が一番変わった曲」と感じているという。レコーディングした当時と比べてさまざまな経験を経て心が強くなったから、とその思いを明かした。

 「日本でソロ活動をして11年、その経験がなければ、『D’s WAVE』は世界に出てこなかったです。今回のアジアツアーでは、11年間の時間を味わせてもらいたいなと思って歌っている曲があります。今日は日本公演なので、みなさんにありがたい気持ちを伝えて次の曲に行きたいと思います。これからもよろしくお願いします」との感謝の言葉から歌い出したのは、「歌うたいのバラッド」(斉藤和義)。日本ソロ・デビューアルバム『D’scover』からのカバー曲だ。ビジョンに映し出された歌詞を背景に、大きく腕を広げて伸びやかに歌い、マイクを客席に向けると会場中が大合唱となった。

 中盤、ダンサーたちが傘を手に登場してから披露されたのは、新曲「Umbrella(Japanese ver.)」。今回の日本公演を記念して、8月27日に約8年ぶりにデジタルリリースされた楽曲だ。D-LITE自身が作詞に参加したこの曲は、〈I promise you, I’ll be your umbrella〉と歌う力強いバラード。この楽曲がリスナーの傘となって、心配や恐怖を乗り越えられたら、というメッセージが込められている。大きな雨粒が映し出される中で、激しくラウドなサウンドに乗せて歌い、転調してからの曲の終盤にはレーザーと火柱、紙吹雪が舞う派手な演出で、壮大な世界観を創り上げた。

 「次は一応、BIGBANGメドレーです。なぜ “一応” かというと、そんなに有名な曲じゃなくてライブでもあまりやってこなかった曲だからです。いつかソロステージがあるなら、僕の声で歌ってみたいと思っていました」と告げると、大歓声を受けて「Let’s Go! BIGBANGメドレー!」とスタート。真っ赤に染まった照明でダイナミックに歌われた「MONSTAR」、センターステージでダンサーと共にキレのあるダンスを見せた4つ打ちの「Stupid Liar」、拳を突き上げて大合唱となった「Oh My Friend」と、ここまでで一番の盛り上がりに。「もっと、もっと!」と煽るとさらなる大盛り上がりとなった。

 バンド演奏によるインターミッションを挟んで、デニムパンツとチェックのネルシャツに衣装チェンジしてステージへ。カラフルなポップス「Beautiful Life」、爽やかな広い空のようなサウンドスケープを描き出した「Fly Away」、包み込むような大きな音像による「Us Before」と、『D’s WAVE』の曲が続く。どの曲も大きなエネルギーと優しさに満ちた響きを持っていて、大観衆を柔らかに巻き込んでいった。

 ここで、SNSをやっていないため、みなさんに普段の姿を伝えることがないというD-LITEが、ファンに思いを伝えるべく書いてきたという手紙を読み上げた。日本語で書かれた自筆による文章がビジョンに映し出され、昨年ファンの前で新しい活動開始を宣言して以来、あっという間に月日が流れたこと、忙しく過ごしたこの1年で、ミニアルバム(『D’s WAVE』)が1つの形になったことが夢のようであること。自分にとって大きな挑戦であったが、信じてくれた事務所やスタッフ、そして何よりファンへ感謝をしていること。「これからもみなさんと一緒に、この日記の続きをずっと書き続けられることを、楽しみにしています。ありがとうございます」と結ぶと、万雷の拍手が贈られた。

 豪快なバンドサウンドが炸裂すると、「WINGS」へ。噛みしめるように歌い出して曲が加速し出すと、会場中がひとつになっていく。「横浜、最後行ってみよう!」と叫ぶと紙吹雪が放たれて、コーラスを歌う大きな声が会場中から集まった。

 グッズ紹介映像がしばし続いた後、突如ドラムの重低音が響いて、ステージ上部にドラムセットに座ったD-LITEが登場。大歓声の中でドラムプレイを披露すると、「FANTASTIC BABY」「BANG BANG BANG」とBIGBANG曲を連発。さらに「WE LIKE 2 PARTY」が始まると、客席のペンライトが様々なカラーで光り出して、アリーナはまるで水風船を浮かせたプールのごとき夏祭り感たっぷりの光景に。バンドメンバー、ダンサー、スタッフを称えると、客席に向かい「今日の一番大事な存在、みなさん! ありがとうございました!」と感謝して、「D-Day」を歌いステージを降りた。

 しかし、まだまだライブは終わらない。三度ステージに登場すると、「ナルバキスン (Look at me, Gwisun)」でWアンコール開始。センターステージでマイクを受けると、アリーナからスタンドまで、異様な盛り上がりに。扇子を手に、コミカルなアクションと表情でサービスたっぷりなエンターテインメントぶりを見せると、その扇子を客席に投げ入れて、「ギャー!」と悲鳴が上がり、投げキッスで締めくくった。

 さらに「みなさん、暇ですね? 早く帰ってください! 空気読めないんですか?」と毒づきながらも、ここで予定外のセットリストに突入。序盤に披露した「Universe」「JUMP」を再び歌い、この2曲は撮影OKに。多くのファンがスマホを掲げる中、賑やかなボーナストラックとなった。

 「来年はみんなが集まって、BIGBANGの20周年を過ごせる1年になるんじゃないかなって予想しています」と、期待を持たせる発言もあり、最後の曲へ。「いつかこの曲をまたみなさんの前で、堂々と頼もしい男になって、本当に心からのメッセージで “ただいま” って言えるタイミングで歌いたいなと思っていました。今年のこのツアーを回りながら、“ただいま”って言える瞬間は今じゃないかと。今日勇気を出して、この曲をみなさんの前で歌いたいです」との言葉から、「この瞬間を長く長く、永遠に続けていきたいなと思っています。これからも僕のそばにいてください。僕もみなさんのそばにいます」と続けて、「そばにいてよ」へ。珠玉のバラードを胸に手を当てて真摯に歌い、客席の近くまで身を乗り出して手を振り、頭を下げるD-LITE。オフマイクで「ありがとうございました!」と叫ぶと、ステージ上階へと駆け上がり〈いつかまた君の元へと〉と歌い上げ、感動の余韻を残して2時間半にわたるライブは終演した。

Text by 岡本貴之
Photos by 田中聖太郎写真事務所

◎セットリスト
【D-LITE 2025 ASIA TOUR [D’s WAVE] IN JAPAN】
※2025年8月31日(日)神奈川・ぴあアリーナMM
1. Universe
2. Last girl (with HAN YO HAN)
3. JUMP
4. Falling Slowly
5. Light
6. ウソボンダ (Try Smiling)~BABY DON’T CRY
7. 歌うたいのバラッド(斉藤和義カバー)
8. Rainy Rainy~Dress
9. Umbrella (Japanese ver.)
10. MONSTAR~Stupid Liar~Oh My Friend
11. FLOW
12. Wolf
13. Beautiful Life
14. Fly Away
15. Us Before
16. WINGS
〈アンコール〉
1. FANTASTIC BABY~BANG BANG BANG~WE LIKE 2 PARTY
2. D-Day
〈Wアンコール〉
1. ナルバキスン (Look at me, Gwisun)
2. Universe
3. JUMP
4. そばにいてよ


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