imase/SHISHAMO/ねぐせ。/ハンブレッダーズ/FANTASTICSが饗宴【REQUESTAGE】ライブレポート

2025年6月13日 / 18:00

 6月7日に、大阪城ホールで【OSAKA MUSIC LOVER -young hopeful-supported by 紀陽銀行 WITH REQUESTAGE】が開催された。

 本イベントは【大阪国際文化芸術プロジェクト OSAKA MUSIC EXPO 2025】という、2025年大阪・関西万博を契機に、大阪を訪れる国内外の人々とともに大阪の文化芸術の魅力を体感するために開催されたイベントのひとつ。6月4日から8日まで、大阪城ホールを舞台に様々な音楽イベントが開催された、エンタメスペシャルウィークとなった。

 この日開催された【REQUESTAGE】は、FM802 が「番組にリクエストされるアーティストのステージをリスナーに生で観てもらいたい」という思いから2002年にスタートさせたもので、今年で22回目の開催を迎える。出演は、imase、SHISHAMO、ねぐせ。、ハンブレッダーズ、FANTASTICSの5組と、FM802に所縁のある、勢いのあるアーティストが集結。10代の若い世代にもアーティストのライブを生で体感してほしいと、来場支援企画として『UNDER19シート』を用意するなど、初めてのライブ体験を存分に楽しんでほしいという思いが込められている。

 開演前には MCとして、FM802のDJ大抜卓人、落合健太郎が登場。「【OSAKA MUSIC EXPO 2025】が開催される5日間、大阪の文化、芸術の素晴らしさを伝えたい。リクエストとステージを併せた造語から名付けられた【REQUESTAGE】は歴史の長いイベント。ライブの素晴らしさを生で体感してほしい。最後まで存分に楽しんで!」と、イベントに懸けるメッセージを伝えた。

 トップバッターは、SHISHAMO。FM802のイベントに数多く出演している彼女たちだが、意外にも【リクステ】は初出演。トッパーとしてイベントを盛り上げるべく、1曲目にセレクトしたのは「君と夏フェス」。宮崎朝子(Gt./Vo.)の疾走感あるギターサウンドが観客のテンションを急上昇させる。次曲「君の目も鼻も口も顎も眉も寝ても覚めても超素敵!!!」では矢継ぎ早に展開する、ワクワクとヒヤヒヤが混ぜこぜになったリリック、サビにむけてぐっとアップするテンポ、松岡彩(Ba.)の腹にがつんと刺さるベースラインがたまらなく気持ちがいい。

 【リクステ】は事前に集められたリクエストも参考に演奏する楽曲を決めるが、メンバーが想像していたランキングとの違いに驚いたそう。「あまりライブでやっていない曲が上位に! 無視できない順位に来ているのが面白い。こんな機会がないと演らない曲」と披露したのは「BYEBYE」。演奏後も「超緊張した!」と声を上げるほど、レア曲の披露に観客も大きな歓声を上げる。普段のライブではなかなか体験できない、アーティストへ“リクエスト”する“ステージ”の楽しみこそ【リクステ】。観客は早くもイベントの醍醐味を満喫しているようだ。

 ステージ後半は「最高速度」「夏恋注意報」と、疾走感がより一層強まるナンバーを立て続けに披露し、観客の感情を一気に解放させると、ラストは「明日も」。何度もラジオで聴いてきた楽曲が目の前で生で演奏されることは何よりもうれしくて、幸せをかみしめるように観客は高く拳を突き上げ、音に応えていた。

 「初めまして【リクステ】、楽しんでいきましょう!」と、勢いよくステージに駆け上がった imase。1曲目「Nagisa」は FM802で2023年6月のヘビーローテーションに選ばれたこともあって、リスナーの手拍子も自然発生♪ ご機嫌なリズム、ポップなメロに、天真爛漫な彼のパフォーマンス。初めて彼のステージを観る観客もするりと彼の世界観に引き込まれてしまっている。【リクステ】初出演だけでなく、大阪城ホールでのライブも初体験の彼。観客との距離の近さに驚きつつ、イベントに参加できたことに感謝の言葉を伝える。「最高の時間にしましょう! 思うように歌って踊って、自分なりの楽しみ方で楽しんで!」と、リスナーからリクエストを受けた「惑星ロマンス」を披露。カラフルなサウンド、ふわりと浮遊感のある歌声で魅せると、次曲「名前のない日々」では柔く伸びやかな歌声で幻想的な景色を描いていく。

「大阪でのライブはパワーがもらえるし、すごく楽しい!」と、大阪でのイベント出演に改めて感謝の気持ちを伝える。ステージ後半は「メトロシティ」から、よりポップでダンサブルなサウンドでラストスパートをかけていく。曲を重ねるごとに歌声はより伸びやかになり、「NIGHT DANCER」ではほんのりと色香を感じる歌声を響かせるなど、多彩な表情を見せる。花道を右へ左へとかけ走り、ラスト「Happy Order?」では、まるでワンマンライブのような熱量高いパフォーマンスを披露。「最高に楽しかったです! ありがとう」、その言葉、想いは観客もきっと同じはず。

 ねぐせ。は「この場所を宇宙で一番温かい場所にしにきました!」と、1曲目にセレクトしたのはちょっぴり歪な恋を描いた「愛してみてよ減るもんじゃないし」。なおと(Dr.)のメリハリの効いたビート、しょうと(Ba.)の硬派でストイックなベースラインに、りょたち(Gt./Vo.)のハイトーン&ちょっぴりズルい可愛さが詰まった歌声がよく似合う。「アタシのドレス」ではポジティブなリリックに無条件で体が弾むポップなサウンドにつられ、会場いっぱいにカラフルなタオルが舞い、あちこちに観客の素敵な笑顔が見える。“ライブって楽しい!“、純粋な気持ちが伝わってくる。

 「大阪城ホール、元気かー! 最高! その調子で最後までよろしく!」と、興奮気味に叫ぶなおと。ステージ中盤には4月にリリースしたばかりの新曲「キスがしたい」を披露。ストレートな感情をまんま歌ったアッパーチューンはねぐせ。ならではのセンスが随所に盛り込まれていて、「君とキスがしたい!」と、ちょっと言葉にすると恥ずかしい気持ちも、みんなで歌えば堂々と言えちゃう。「グッドな音楽を」の前にはメンバーソロも披露。なおや(Gt.)はギターをかき鳴らし、バンドの楽しさをぎゅっ
と濃厚にしたサウンドで観客のテンションを一層高めていく。続く「あの娘の胸に飛び込んで!」でも、これぞロックバンド! なドカドカと激しく体に響くロックンロールサウンドを打ち鳴らす姿に、小さな子どもも夢中になって飛び跳ねている♪ ラストは「ここ大阪で生まれた曲を……」と、「ずっと好きだから」へ。“ずっと好き”なことへの想いを昇華させる心温まる楽曲と、渾身のパフォーマンスに大きな拍手が届けられた。

 昨年に続き、2度目の【リクステ】出演となるFANTASTICSは「TOP OF THE GAME」からパワフルでキレのあるダンスパフォーマンスを繰り出していく。中島颯太の迫力あるラップ、八木勇征の伸びやかな高音域の歌声、個性の異なる2人のボーカルもパフォーマーに負けじと歌声を響かせる。「LDHの頭文字はLove, Dream, Happiness。音楽を通してみんなとひとつになっていきたいです。今日限りの、めちゃくちゃ楽しめるセットリストを持ってきました!」と、「PANORAMA JET」へ。MCでの言葉の通り、イベントでの限られた出演時間のなかでも、グループの魅力をぎゅっと詰め込んだ楽曲陣で盛り上げていく。「SUPER DUPER DISCO」ではパフォーマーの世界、佐藤大樹、澤本夏輝、瀬口黎弥、堀夏喜、木村慧人が互いに個性をぶつけ合いな
がらも、息の合ったダンスで観客を魅了。

 「もっともっと気持ちをぶつけあって楽しんでいきましょう!」と「FUNKTASTIC!」ではファンキーでちょっとレトロなサウンドに、緩急をつけたパフォーマンスで個性をぶつけ合う。ステージの合間には世界の衣装が破れるハプニングがあったものの、中島は大阪出身&FM802でラジオDJを担当していることもあってか、「みんなのパワーがすごくてハチ切れた!」と、さらりと笑いとトークでカバーする一面も。「大阪の盛り上がりがすごい!」と感動しきりの八木。中島も集まった観客に感謝を伝えつつ、「FM802 の番組では言葉で幸せな空間を作れている。【リクステ】でリクエストが集まった曲も番組のために書き下ろされた曲」と、ラジオを通じてリスナーに浸透してきた「Easy come,easy go」でさらなる一体感を生み出し、最終曲「Choo Choo TRAIN」まで、多幸感に満ちたステージを駆け抜けた。

 トリを務めるのは、大阪出身のハンブレッダーズ。「BGMになるなよ」から ukicaster(Gt.)がストイックにギターをかき鳴らし、ムツムロ アキラ(Vo./Gt.)は何度も拳を胸に、頭に叩きつけ、じっと前を見据えて想いを叫び歌う。心拍数を高める木島(Dr.)のビートが心のもやをすっきりと晴らしていく。「マイクとスピーカーを使って、みなさんの心をビリビリさせにきました!」と、※「ビリビリ」では“バンドって楽しいんだ!”と素直に感じさせる、爽快感の強いバンドサウンドで観客を沸かす4人。ムツムロの心震わす歌声、メンバーのコーラスが心を鷲掴みしていく。

 「最後まで残ってくれてありがとう。今日は系統が違うアーティストが出て、まるで教室みたいな一日だった。最後、教室の端っこで名前も知らないヤツがずっと音楽を聴いていたような、そんな僕らが最後を締めて帰ります」と、「ワールドイズマイン」を披露。気持ちよく駆け上がるギター、でらし(Ba./Cho.)のご機嫌なベースラインに釣られ、観客も笑顔で飛び跳ねる。「特別リクエストが多かった曲を。僕たちは大きい会場でライブをすることもあるけれど、元はライブハウスから来たバンド。ライブハウスへの愛を謡った曲を」と「ライブハウスで会おうぜ」へ。ライブハウスで生きるライブバンドが、アリーナクラスの会場で音を鳴らす。夢も意義も込められたナンバーに観客は大きな歓声を上げる。

 ラストは「わざわざ好きな音楽を聴きにこんなところに来た、偏屈な人たちに愛を込めて」と天邪鬼な愛を込めて、「DAY DREAM BEAT」へ。ラジオの電波を通して何度も聴いてきた音楽が目の前で生で、大音量で演奏される。ライブだからこそ感じられる開放感や爽快感。人によって感じる思いは様々だけれど、この瞬間にしか感じ取れないものが目の前に確かにあって、それをどうにかして受け止めたいと観客は高く手を掲げ、目いっぱいにメンバーが放つ音を受け止め、全8曲のステージが幕を閉じた。

 これからの音楽シーンに欠かせない存在のアーティストが出演した【REQUESTAGE】。“young hopeful”なアーティストたちによるステージをきっかけに、ライブの楽しさを知った人たちがまたライブハウスやコンサートホールへ足を運び、音楽の楽しさ、素晴らしさを存分に満喫する日々を過ごす未来に期待したい。

 なおこの日の模様はFM802にて、7月21日18時よりに特別番組にて放送を予定している。

TEXT:黒田奈保子
PHOTO:渡邉一生/キョートタナカ

◎番組情報
2025年7月21日(月)18:00~20:00 ※生放送
DJ:大抜卓人

◎公演情報
【OSAKA MUSIC LOVER -young hopeful- supported by 紀陽銀行 WITH REQUESTAEG】
2025年6月7日(土)大阪・大阪城ホール
https://funky802.com/requestage/

※ハンブレッダーズ「ビリビリ」の正式表記は、絵文字の高電圧/稲妻記号


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