コブクロ/柴咲コウ/スガ シカオ/BEGINら多彩な7組&ミャクミャクも登場【OSAKA MUSIC LOVER -Everyone Lively-】ライブレポート

2025年6月11日 / 11:00

 6月8日、大阪城ホールにて【OSAKA MUSIC LOVER -Everyone Lively-】が開催され、KAZ(GENERATIONS/数原龍友)、コブクロ、柴咲コウ、スガ シカオ、BEGIN、flumpool、miwaが出演し、当日のライブレポートが到着した。 

 本イベントは、多様な大阪の文化芸術の魅力を国内外へ発信することを目的に、大阪府と大阪市が2023年より取り組んでいる『大阪国際文化芸術プロジェクト』のプロジェクトの一環として開催された。

 イベントのMCである大阪のラジオ局・FM802のDJ中島ヒロトとシンガーソングライターの近藤夏子が開演予定時刻の16時ちょうどにステージに登場し、イベントの趣旨が歯切れのいいトークで説明された後、主催を代表して大阪府知事の吉村洋文と大阪市長の横山英幸、そして大阪・関西万博の公式キャラクターであるミャクミャクがサプライズで登場した。 吉村知事と横山市長は大阪国際文化芸術プロジェクトや大阪・関西万博について触れて「大阪の文化芸術や音楽の力で大阪を盛り上げていきたい。万博会場にも是非来てほしい」「万博後も大阪の街を音楽やアート溢れる街にしていきたい」と今後の文化芸術事業への意気込みを語った。

 ライブのトップバッターを飾ったのはBEGIN。少しはにかむようにマイクの前に立った比嘉栄昇(Vo./G.)の第一声は歌ではなかった。「どーも、BEGINです。本日は……憂歌団のスケジュールがつかないということで、代わりに務めさせていただきます」と大阪の音楽ファンなら誰もが敬愛するブルースバンドの名前を挙げた意表を突く自己紹介に客席からドッと笑いが起こる。そして演奏された1曲目の「太陽」ではまさにブルージーな歌声を力強く響かせ、黒のレスポールから三線に持ち替えて披露された「三線の花」では一気に沖縄の風を会場へ吹き込んだ。ノリの良いマドロスビートで会場が沸いた「ほなバイバイ~大阪マドロス女~」を経て「島人ぬ宝」へ。比嘉は「一緒に歌ってほしいんだけど歌詞わかるかな? 先に俺が言うから、後についてきて!」と観客とのシンガロングを提案。しかし、Aメロの長い歌詞を早口で伝えようとするも途中で「あー、面倒くさい!」と演奏をストップ。なんと、この大役をサポートドラムに丸投げしてしまうという破天荒で自由な展開に大阪城ホールは爆笑の渦に包まれた。このハプニングが逆に一体感を強めて“イーヤーサーサー”の掛け声が場内に響き渡った後は島唄バラードの「なんくる君であれ」を披露。胸にじんわりと沁みる温かいメッセージソングを最後に響かせ、彼ららしいユーモアと色鮮やかな音楽で魅せるライブが終了した。

 2番手はmiwa。この日特別に編成されたOSAKA MUSIC LOVER BAND(Drs: 村石雅行、B: 種子田健、G: 石成正人、Key: 井上薫、Cho: おかのやともか、Mani: 高木久)の演奏をバックに軽やかなステップで登場した彼女は、ステージを動き回りながら「春になったら」をハイトーンボイスで隅々まで届ける。その小柄な身体からは想像もつかないほどのポジティブなエネルギーで場内をハッピーな空気で満たしていく。MCではデビュー15周年を迎えたことや、大阪・関西万博のステージに立ったこと、そして大阪名物のお菓子『月化粧』で一日店長を務めたことなど、今年は大阪との縁が深いことに触れ、「日常の中で聴いてもらえるのもうれしいけど、ライブでしか届けられないパワーもあると思います!」とライブでみんなと盛り上がれることへの喜びを語った。続く「chAngE」ではギターを掻き鳴らして力強く歌を届け、観客もタオルや手を回しながら応えていく。そしてラストナンバーの「ヒカリへ」へ! フライングVを抱えたmiwaが身体を揺らしながらその希望に満ちたキュートな歌声をしっかり届け、満面の笑みでステージを締めくくった。

 1曲目「月のしずく」のイントロが流れると場内の空気は一転。静寂の中から凛とした柴咲コウの歌声が響き渡る。紫のライトに照らされた荘厳かつミステリアスな雰囲気の中、その瑞々しい歌声を丁寧に届けていく。MCでは「このような大舞台で歌うことにドキドキしています」と話して空気が和んだ後、2023年にデビュー20周年を迎え『ACTOR’S THE BEST』をリリースしたこと、そして自身の中で音楽を絶やさずに活動を続けてきたという想いを語った。「これからも自分の音楽、歌声や言霊を届けたい」と伝えて始まったのは「かたち あるもの」。彼女の歌声には、物語を語る力がある。歌詞の一つひとつが情景として浮かび上がり、オーディエンスを幻想的な世界へと誘う。それはもはやライブというよりも一本の映画を観ているかのような没入感だった。最後に披露した「最愛」ではアコギやコーラスと共に美しい歌声を響かせ、そのどこか妖艶な空気で観客を魅了してライブが終了した。

 イベントは後半戦へ。続いて登場したのは大阪・松原が生んだロックバンド・flumpoolだ。今年3月にリリースされたフルアルバムのタイトル『Shape the water』がスクリーンに映し出されてメンバーが登場すると、山村隆太(Vo./G.)が「始めるぜ、大阪!」と叫んで「Keep it up!!」からライブがスタート。爽快に突き抜ける光り輝くサウンドを響かせていく。2曲目の「君に届け」では山村がステージのあちこちを指差しながら縦横無尽に動き回って歌声を届け、手拍子や歓声が上がって場内のボルテージは最高潮に! 阪井一生(G.)が「必殺技(=代表曲である「君に届け」のこと)を出すん早すぎへん? これから休憩タイムになってしまう(笑)」と自虐ネタで笑いを誘うと、そこからMCタイムに。山村が「日々頑張っている中で報われない想いをすることがあると思います。僕自身もあるし、逃げたくなる時もあるけど、やったことが報われなくても後悔のまま終わらせたくないという思いで作った新曲を演奏します」と話して「ハレルヤ・レディ」へ。全ての人への応援ソングであるその曲を刻みつけ、最後はファンに向けたラブソングともいえる「君に恋したあの日から」でライブを締めくくった。最新アルバムから3曲を披露するという“攻め”のセットリストで、彼らが今伝えたいメッセージをしっかり伝える真摯なライブだった。

 続いてはKAZ(GENERATIONS/数原龍友)のステージへ! 場内のあちこちで水色のペンライトが灯る中、「Choo Choo TRAIN」のカバーでライブがスタート。客席にマイクを向けコーラスを委ねるなど、1曲目から観客との距離が近いパフォーマンスを見せる。MCでは自身がGENERATIONSのボーカルであり、昨年からソロ活動を本格化させていること、兵庫県尼崎市出身で大阪は第2の故郷であることなどを明かした。ソロの音楽では自身が普段から傾倒している海や自然、アメリカンカルチャーについても表現していきたいと語り、等身大な自分を愛する大切さを歌うオーセンティックなソウルナンバー「Beautiful Sunset」を披露。柔らかくラフなグルーヴで場内を優しく揺らした後は中西保志の名曲「最後の雨」をカバーした。原曲者本人から「歌い継いでいってほしい」と言葉をもらったというエピソードも披露しつつ、甘く伸びやかな声を響かせた。そして最後にネオソウルな「Go Your Way」をプレイ。オーガニックなグルーヴにすっぽりと包み込まれるような、その温かい人柄が滲み出る素晴らしいステージだった。

 穏やかな空気をスリリングなカッティングギターで切り裂いたのは孤高のシンガーソングライター、スガ シカオ。ギターを抱えステージに現れると、OSAKA MUSIC LOVER BANDの演奏をバックに1曲目「午後のパレード」から痛快なファンクナンバーで会場を揺らしていく。熱をはらんだ力強い歌声にグッと引き寄せられた後、母親への感謝の気持ちを綴ったという「ヤグルトさんの唄」を披露。その穏やかなソウルバラッドを芯のある歌声で深く届けていく。MCではサラリーマン時代に意地悪なクライアントから“小袋の刺身”を大量に食べさせられたことがきっかけでデビュー以降は“コブクロが嫌いです”と答えてきたエピソードを紹介し、決してアーティストのコブクロが嫌いなわけではないと釈明(笑)。スガらしいシニカルなトークで会場を笑わせていく。そして「辛い時、しんどい時も“あと一歩前に”という気持ちで進んでほしい」と話すと場内から歓声が! 印象的なイントロが鳴るとそのまま「Progress」に突入し、“あと一歩だけ、前に進もう”と歌って心を鼓舞するメッセージソングを客席に強く突き刺してライブが終了した。

 大トリとして登場したのはコブクロ。まずは小渕健太郎のアコースティックギターと黒田俊介のボーカルだけで、彼らの代表曲「轍-わだち-」をプレイ。場内からは自然と拍手や大合唱が巻き起こり、大阪城ホールが熱気に包まれていく。MCでは大阪・堺東での路上ライブから始まった彼らの軌跡のほか、大阪マラソンについてや黒田が地元に作った焼肉サンド屋の話(小渕は“小さな小さな焼肉サンド屋”と話して黒田からツッコミを受ける彼ららしい場面も・笑)など、大阪への深い思い入れを語った。そして故郷への想いを綴ったという7月16日発売のミニアルバムからの新曲「THIS IS MY HOMETOWN」を披露。コブクロの歌声に場内が優しく揺れた後は“行くしかないだろう”と聴く人の背中を押すエールソングの「DOOR」を力強く響かせていく。最後には今回のイベント【OSAKA MUSIC EXPO】という特別な機会にふさわしいスペシャルゲストとして、なんとミャクミャクが登場。そしてそのまま大阪・関西万博のオフィシャルテーマソング「この地球(ほし)の続きを」に突入。“こんにちは”という歌詞に合わせて観客が振り付けを踊る中でミャクミャクも可愛いダンスで彩りを添え、その多幸感溢れる楽曲を会場全体が一体となって歌い紡ぎ、イベントは最高潮の盛り上がりを見せて大盛況のうちに幕を閉じた。

 多様なジャンルのアーティストたちが繰り広げる素晴らしい音楽を、大阪ならではの温かい雰囲気の中で堪能することができた【OSAKA MUSIC LOVER -Everyone Lively-】。音楽の力で人と人をつなぎ、大阪の文化芸術を国内外に発信する、まさにその目的を体現する一夜となった。

 なお、一部ライブの模様を、6月15日FM802『802 BINTANG GARDEN「OSAKA MUSIC LOVER-Everyone Lively-」LIVE SPECIAL」』にてオンエアされる。

TEXT:前田由香

◎番組情報
FM802『802 BINTANG GARDEN「OSAKA MUSIC LOVER-Everyone Lively-」LIVE SPECIAL』
2025年6月15日(日)21:00-22:00 
DJ:中島ヒロト


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