<ライブレポート>INABA/SALAS、8年ぶりにファンと再会「皆さんの素敵な表情と声援いっぱいいただきました」

2025年4月3日 / 18:30

 INABA/SALASが、3月23日にLaLa arena TOKYO-BAYで【INABA/SALAS TOUR 2025 -Never Goodbye Only Hello-】を開催した。

 稲葉浩志(Vo.)とスティーヴィー・サラス(Gt.)によるINABA/SALAS。2月に3rdアルバム『ATOMIC CHIHUAHUA』をリリースし、5年ぶりに始動した。

 前回、2020年に行われる予定だったツアーはコロナの影響で中止となり、今回、実に8年ぶりのツアーとなっている。ツアータイトル「-Never Goodbye Only Hello-」には、“長年に渡り音楽活動を続ける中で出会えた全ての人に感謝し、たとえ会うことが叶わなくなってしまった人でも自分の心の中ではいつでも会える。実体としてはGoodbyeでも、自身の心を通じて会えるからHelloしかない”というコンセプトが込められているとのこと。

 「CELEBRATION ~歓喜の使者~」の軽快なイントロをバックに、サポートメンバーと共にINABA/SALASが登場。すると、ステージを覆う妙幕に2人の大きなシルエットが映し出され、ドラムカウントから「Burning Love」でライブの幕が開ける。今回のステージは、ミラーボールが3つ天井から吊るされ、バックには、煌びやかなバンドロゴの電飾、稲葉もスパンコールジャケットを羽織るなど、何ともゴージャスな空間に包まれていた。メンバーの生み出す音の厚みに脂が乗っている、その体の芯まで響くバンドアンサンブルに、綺麗に共鳴する稲葉の歌声が非常に聴きごたえのあるものだった。

 最初のMCでは、「皆さん今日は悔いのないように、遠慮せずに、体を揺らしまくって思いっきり楽しんでいってください!」と稲葉。そして、サラスにバトンを渡すとクランチの効いたソロを奏で、「OVERDRIVE」へ突入した。ステージのボルテージはマックス状態で、稲葉もジャケットを脱ぎ捨て、サラスも泣きのギターソロを炸裂する。間奏では、オーディエンスの<Woo~>という声と手拍子に身を任せて、ラストコーラスへ。最後の最後に披露した稲葉の甲高いシャウトが、とてつもなく印象に残った。

 そんな中、BPMを少し落として「Boku No Yume Wa」「DRIFT」といった、サム・ポマンティ(Key.)の鳴らすシンセサイザーや、ストリングスが光るナンバーを届けていく。マット・シェロッド(Dr.)の8ビートにアルマンド・サバルレッコ(Ba.)が無秩序に高速スラップを叩き込む「ERROR MESSAGE」が終わると、再びバンドアンサンブルが始まる。稲葉がそこに負けないぐらいの巧みなブルースハープを披露し、徐々にゲインを上げていく。そして、サラスがレコーディングに参加していることで知られている、稲葉のソロ曲「正面衝突」(2004年)がスタート。地鳴りのようなベースサウンドに、稲葉が歌声を叩きだす。サラスもフラッシングやハーモニクスと巧みな奏法を見せつけたところで、突如歌い出した。そう、1998年にサラスが発表した「Do Your Own Thang」を挟むという粋なパフォーマンスで、オーディエンスを興奮させていく。再び「正面衝突」へと戻り、稲葉とサラスがお互いアイコンタクトをとって、クールに曲を締めた。目まぐるしい展開で、正に本日のハイライトだったと感じる。

 「あの時期は大変でしたけど、新しい経験として、音楽を作ってお届けできたのは、貴重だったし、良い思い出です」

 コロナ禍にサラスとのリモート動画をYouTubeに投稿した「IRODORI」、そして、活動を再開するにあたって、最初に制作した「ONLY HELLO part 1」を続けて披露していく。「アイラブユー稲葉さん!」とサラスは笑顔を見せていた。再び稲葉はブルースハープを奏で、サラスはアコースティックギターを抱え、流れるように始まった稲葉のソロ曲「マイミライ」。今回は、アコースティックアレンジで届けられた。稲葉とサラスの生み出すリズムや独特な間が、緊張感や興奮感を与えてくれた。

 これまでINABA/SALASを支えてきた、サム、マット、アルマンドの紹介を経て、後半戦へと突入。「Demolition Girl」「YOUNG STAR」「Mujo Parade ~無情のパレード~」と、説明不要のロック全開のナンバーを投下し、瞬きする暇もない。「KYONETSU ~狂熱の子~」では手拍子を煽ってから歌い始める稲葉。オーディエンスがいてこその楽曲の魅力が存分に伝わってくる。

 「今日、皆さんの素敵な表情と声援いっぱいいただきました! 本当にありがとうございました!」

 サラスがゆっくりと前進しながら音をチャージして放った「SAYONARA RIVER」を演奏して、本編が終了した。熱が冷める間もなく、再登場したINABA/SALAS。「愛してます皆さん!」と高らかに叫んだ「AISHI-AISARE」からアンコールをスタートさせる。大合唱が生まれた「TROPHY」から途切れることなく「ONLY HELLO part 2」へ。バンドサウンド全開かつ壮大にアレンジされており、最後を締めくくるに相応しい一曲に仕上がっていた。「また会いましょう! Hello!」。そう告げてステージを後にした。

 今回のツアーはINABA/SALASも、サポートメンバーも、オーディエンスも感情豊かに楽しんでいる様子だった。前回行ったインタビュー(<インタビュー>INABA/SALASの確立された音楽スタイルに迫る――5年ぶりに放つ3rdアルバム『ATOMIC CHIHUAHUA』)でも語っていたように、活動を“ノリで楽しくやっている”という INABA/SALAS。オーディエンスもその雰囲気に共感しながら、一緒に空間を作り上げているように感じた。一旦、今回のツアーで活動は終わりになるが、ふとした時にINABA/SALASはまた現れるかもしれない。

Text by Tatsuya Tanami
Photo by (C)VERMILLION

◎公演情報
【INABA/SALAS TOUR 2025 -Never Goodbye Only Hello-】
2025年3月23日(日)
千葉・LaLa arena TOKYO-BAY
<セットリスト>
1. Burning Love
2. U
3. Violent Jungle
4. OVERDRIVE
5. Boku No Yume Wa
6. DRIFT
7. ERROR MESSAGE
8. 正面衝突
9. IRODORI
10. ONLY HELLO part 1
11. マイミライ
12. Demolition Girl
13. YOUNG STAR
14. Mujo Parade ~無情のパレード~
15. KYONETSU ~狂熱の子~
16. EVERYWHERE
17. SAYONARA RIVER
EN1. AISHI-AISARE
EN2. TROPHY
EN3. ONLY HELLO part 2


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