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ヤマグチユウモリ(Gt. / Vo.)、ナガマツシンタロウ(Dr. / cho.)、イワオリク(Ba. / cho.)による3ピースバンド、SIX LOUNGE。2018年にメジャーデビューを果たした彼らの音楽的な軸は、王道のロックンロールだ。さらに歌謡的な憂いを感じさせるメロディ、情景や感情をリアルに映し出す歌詞、そして、強さと繊細さを兼ね備えたヤマグチのボーカルによって、ロックファンを中心に幅広い支持を獲得してきた。
結成10周年を迎えた2022年以降は、『僕のヒーローアカデミア』EDテーマ「キタカゼ」、ドラマ『REAL 恋愛殺人捜査班』主題歌「Madness」などの話題曲を次々と発表。また2016年のアルバム『東雲』に収録された「リカ」がバイラルヒットとなり、Billboard JAPANが発表する“TikTok Weekly Top 20”で首位を獲得するなど大きな注目を集めた。
生々しい感情を刻み込んだライブパフォーマンスも、SIX LOUNGEの大きな魅力。アコースティック編成で行われた初のビルボードライブ公演でも彼らは、自らの音楽性と表現力をダイレクトに響かせた。
開演時間の17時半になり、ヤマグチ、ナガマツ、イワオがステージへ。3人が横に並ぶ形でライブはスタートした。今回のビルボードライブ公演の最大のポイントは、アコースティック編成であるということ。アコースティック・ギター、アコースティック・ベース、ドラムが絡み合い、豊かなアンサンブルが立ち上がる── それは“穏やか”とか“リラックス”というよりも、SIX LOUNGEの本質をヒリヒリと映し出しているように感じた(個人的には、ニルヴァーナの『MTV・アンプラグド・イン・ニューヨーク』を想起した)。
シンプルかつ有機的な音像によって、楽曲の骨格がしっかりと感じられたことも印象的だった。その中心にあるのはもちろん、ヤマグチの歌だ。たとえば「言葉にせずとも」(TVアニメ『BLEACH 千年血戦篇-相剋譚-』 オープニングテーマ)。原曲は性急かつアッパーなロック・チューンだが、この日はテンポを抑え、言葉とメロディを丁寧に紡ぎ出していた。〈嗚呼 言葉はもう必要ないさ/それ以上に通じ合ってる〉というフレーズを目の前のオーディエンスに手渡すように歌う姿は、ビルボードライブならではだろう。
そう、観客とバンドの距離の近さもビルボードライブの良さ。「ちょっと控え目ですね(笑)。横浜の雰囲気に負けてるんじゃない?」(ヤマグチ)という気の置けないトークも楽しい。さらに「上品に楽しみたい気持ちもわかるけど、自由にやってください」と話しかけた後、本公演のために用意された限定カクテル「メリールー」(彼らの地元・大分の焼酎をベースにしたカクテル。ヤマグチいわく「甘さがちょうどいい」)で乾杯。ちょっと緊張気味(?)だったオーディエンスも笑顔になり、“この場を楽しもう”という雰囲気が広がった。
歌をじっくり聴かせるだけではなく、このバンドの身上であるロックンロールもしっかりと体感することができた。そのことを象徴していた曲の一つが「アジアの王様」。やはり原曲よりもテンポを落としているのだが、心地よくグルーヴするベースライン、ドライブ感たっぷりのドラム、歌心を感じさせるアコギが共鳴し、極上のロックンロールが出現。観客も身体を揺らし、サビのメロディを口ずさみながらバンドとの“セッション”を楽しんでいた。楽曲によってはナガマツがカホンを演奏する場面も。メンバー3人の生音の響きを直接味わえたのも、今回の公演の大きな収穫だったと思う。
さらに代表曲「リカ」「メリールー」も。ファンにとっては馴染みのある楽曲であり、ライブに欠かせないナンバーだが、アコースティック編成によって原曲の新たな表情を引き出していた。またメンバーの音楽的志向が感じられるカバー曲も披露。現在のSIX LOUNGEのリアルな音楽性をたっぷりと感じ取れる、貴重なステージだったと思う。4月10日にはビルボードライブ東京での追加公演も決定。オーセンティックなロックンロール、日本的情緒を感じさせる歌詞、エモーショナルな歌を軸にしたこのバンドの本質を、ぜひ至近距離で堪能してほしい。
Text:森朋之
Photo:masushi watanabe
◎公演情報
【SIX LOUNGE ACOUSTIC Billboard Live 2025】
3月3日(月)大阪・ビルボードライブ大阪
3月5日(水)神奈川・ビルボードライブ横浜
※全公演終了
【〈追加公演〉SIX LOUNGE ACOUSTIC Billboard Live 2025】
4月10日(木)東京・ビルボードライブ東京
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