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テイラー・スウィフトの『ザ・トーチャード・ポエッツ・デパートメント』が8週目の首位を獲得した、今週の米ビルボード・アルバム・チャート。
1位に初登場した2024年5月4日付から今週(6月22日付)まで、8週目の首位を獲得した『ザ・トーチャード・ポエッツ・デパートメント』。初登場から8週連続で首位を獲得したのは、2023年3月18日~6月3日付まで12週間を記録したモーガン・ウォレンの『ワン・シング・アット・ア・タイム』(今週4位)以来で、自身の通算記録では、どちらも11週を記録した『フィアレス』と『1989』に続く3番目に記録を更新し、 2020年8月~10月まで同8週を記録した『フォークロア』と並んだ。
テイラー・スウィフトは、今週でBillboard 200での首位獲得総週を77週目に更新して、ソロ・アーティストとしては故エルヴィス・プレスリーのもつ67週をさらに引き離し、史上最長記録を塗り替えた。首位獲得総数としては、ジェイ・Zのもつ14作に並び、ザ・ビートルズ(19作)に続く史上2番目、ソロ・アーティストとしては同率のトップに立っている。
『ザ・トーチャード・ポエッツ・デパートメント』は、今週の集計期間(2024年6月7日~6月13日)にストリーミングが104,000(14%減少)、セールスが23,000(13%減少)、トラックによるユニットは1,000(11%減少)をそれぞれ記録して、累計128,000ユニット(14%減少)を獲得した。アルバムの週間再生回数は、全31曲で1億3,553万回を記録している。
ビリー・アイリッシュの『ヒット・ミー・ハード・アンド・ソフト』は、今週106,000ユニット(9%減少)を獲得して先週の3位から2位に上昇。初登場した6月1日付から4週連続で10万ユニットを突破した。
続いて今週3位にはチャーリーXCXのニュー・アルバム『ブラット』が初登場して、2022年4月2日付で7位にランクインした前作『クラッシュ』に続く2作目のTOP10入りと自己最高位を更新した。
『ブラット』の初動ユニットは82,000で、その内訳はセールスが45,000、ストリーミングが37,000(全18曲で4,672万回)、トラックによるユニットは1,000だった。週間セールス、ストリーミングいずれも自己最高記録を更新している。
今年2月にリリースされたリード・シングル「ヴォン・ダッチ」は、ダンス/エレクトロニック・ソング・チャートで7位に初登場して、アルバムの注目度を高めた。
アナログ盤は、2種類の紙製によるデラックス・エディション(うち1種類は7インチ・レコード付属)を含む全14種類がリリースされていて、今週のセールス45,000枚のうち34,000枚がアナログ盤による売上だった。CDは、通常盤とサイン入り、Tシャツが封入されたデラックス・ボックス・セットがあり、デジタル・ダウンロードは通常盤が6月7日、3曲のボーナス・トラックを追加したデラックス盤が6月10日にそれぞれリリースされている。
モーガン・ウォレンの『ワン・シング・アット・ア・タイム』(72,000ユニット / 2%増加)は4位をキープして、5位にはボン・ジョヴィのニュー・アルバム『フォーエヴァー』が初登場した。
『フォーエヴァー』は、初週セールスが50,000、ストリーミングが2,000(全12曲で231万回)をそれぞれ記録して、52,000ユニットを獲得。セールスは今週最も高い売上枚数を記録して、アルバム・セールス・チャートでは1位に初登場した。
3月にリリースしたリード・シングル「レジェンダリー」は、アダルト・コンテンポラリー・エアプレイ・チャートで通算7曲目のTOP10入りを果たし、2011年以来の最高位を更新した。また、アダルト・ポップ・エアプレイ・チャートでもTOP15にランクインしている。
『フォーエヴァー』は、アナログ盤がエフェメラ(1種類はサイン入り)を封入した3種類のバリエーションを含む全11種類、CDは通常盤とカバー・アートの異なる2種類、サイン入りのバージョン1種類を含む全4種類があり、カセットテープもリリースされている。デジタル・ダウンロードは、通常盤に加え6月8日にはボーナス・トラック2曲を追加したデラックス・エディションが公式サイトでリリースされた。
ボン・ジョヴィが米ビルボード・チャートに初めてランクインしたのは、シングル「夜明けのランナウェイ」がメインストリーム・ロック・エアプレイ・チャートにランクインした1984年2月11日付で、アルバム・チャート“Billboard 200”ではデビュー作『夜明けのランナウェイ』が178位に初登場した1984年2月25日付だった。『夜明けのランナウェイ』は、同年4月に最高43位を記録している。
Billboard 200でのTOP10入りは『フォーエヴァー』が通算22作目で、初めてTOP10にランクインしたのは1986年に1位を獲得した『ワイルド・イン・ザ・ストリーツ』だった。その後、『ワイルド・イン・ザ・ストリーツ』から『ディス・ハウス・イズ・ノット・フォー・セール』(2016年)まで通算6作が1位を獲得している。
ボン・ジョヴィは、これで1980年代、1990年代、2000年代、2010年代、2020年代の5つの年代でTOP10入りを果たし、AC/DC、デフ・レパード、メタリカ、U2に続く5つの年代でTOP10入りした5組目のアーティストとなった。
先週2位にデビューしたATEEZの『GOLDEN HOUR : Part.1』は、初週から66%減少の45,000ユニットに下降して6位にダウン。モーガン・ウォレンの『デンジャラス:ザ・ダブル・アルバム』(44,000ユニット / 1%増加)は6位から7位、ノア・カーンの『スティック・シーズン』(42,000ユニット / 1%減少)は7位から8位、先週5位に初登場したシャブージーの『ウェア・アイヴ・ビーン、イズント・ウェア・アイム・ゴーイング』(41,000ユニット / 17%減少)も9位にそれぞれランクダウンした。
今週10位には、米ミズーリ州出身のシンガー・ソングライター=チャペル・ローンの『ザ・ライズ・アンド・フォール・オブ・ア・ミッドウェスト・プリンセス』が先週の12位から上昇して、登場12週目で初のTOP10入りを果たしている。
チャペル・ローンは、現地時間6月9日に開催された【ガバナーズ・ボール】でのパフォーマンスが大きな反響を呼び、アリアナ・グランデからもSNSで称賛されたことで話題を集めた。その反響により、本作のセールスは87%増加の8,000、ストリーミングが16%増加の32,000、トラックによるユニットも32%増加して、累計40,000ユニット(26%増加)にそれぞれ数字を伸ばしている。
Billboard 200では初週でTOP10(上位)にランクインする作品がほとんどだが、下位から上昇してTOP10入りするのは珍しいケースで、登場12週目以降で初めてランクインしたのは、ノア・カーンの『スティック・シーズン』(今週8位)がアナログ盤のリリース効果で登場29週目に前週の100位から3位にランクインした2023年6月24日付以来となる。それ以前には、ドージャ・キャットの『ホット・ピンク』がニッキー・ミナージュをフィーチャーした「セイ・ソー」のリミックスを発表したことで、2020年5月16日付に19位から9位にTOP10入りを果たしている。
Text: 本家 一成
※関連リンク先の米ビルボード・チャートは6月21日以降掲載予定となります。
◎【Billboard 200】トップ10
1位『ザ・トーチャード・ポエッツ・デパートメント』テイラー・スウィフト
2位『ヒット・ミー・ハード・アンド・ソフト』ビリー・アイリッシュ
3位『ブラット』チャーリーXCX
4位『ワン・シング・アット・ア・タイム』モーガン・ウォレン
5位『フォーエヴァー』ボン・ジョヴィ
6位『GOLDEN HOUR : Part.1』ATEEZ
7位『デンジャラス:ザ・ダブル・アルバム』モーガン・ウォレン
8位『スティック・シーズン』ノア・カーン
9位『ウェア・アイヴ・ビーン、イズント・ウェア・アイム・ゴーイング』シャブージー
10位『ザ・ライズ・アンド・フォール・オブ・ア・ミッドウェスト・プリンセス』チャペル・ローン
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