<インタビュー>チン・リュウ(陳粒)、過去5年間に全17回行った【洄游】ツアーを語る

2024年4月11日 / 18:00

 チン・リュウ(陳粒)が、ビルボード・チャイナの最新カバー・ストーリーで、【洄游】が単なるコンサートではなく、歌手としての成長過程を記録したものだと語った。

 チン・リュウが、何年も続いている【洄游】ツアーに言及する際、彼女の記憶の中で忘れがたい瞬間なのは各公演が幕を開ける瞬間だ。「2つの大きなスクリーンの後ろに立ちながら開幕を待ち、目の前で赤と緑のライトが点滅するのを見ます。ステージを取り囲むのは冷たい鉄のフレームだけなのに、なぜかその環境にいると、驚くほど親しみを感じ安心するのです。」

 古来、ステージの両脇にある入り口は虎度門と呼ばれていた。舞台の内外で何が繰り広げられようと、演者が虎度門をくぐれば、ショーを続行しなければならない。コンサートが始まる前に目にする照明の点滅は、チン・リュウにとって“私が生まれて最初に見たもの”という記憶を呼び起こす。彼女は、スクリーンを越えて、数メートル離れた最前列の観客からの歓声や励ましの声を聞き分けることができる。行われるすべての公演が、この世に生まれたばかりの赤ん坊のようで、すべてが未知の“洄游”のようなものだ。だからこそチン・リュウは虎度門をくぐるたびに、緊張と真新しさを感じるのだ。

 【洄游】ツアーに関連して、チン・リュウはこう語ったことがある。「あの青々とした夜が、未来の私たちに永遠の優しさを与えてくれることを願っています」。彼女は、それぞれの瞬間に呼び起こされる感情を記念するために様々な色を使うのが好きで、魚にまつわる“洄游”は当然ブルーだ。魚の一生における段階が進むにつれて、外部環境の変化に対する魚の適応の結果が“洄游”となる。2019年から2024年まで、チン・リュウは【洄游】ツアーを17回行った。彼女にとって、【洄游】は単なるコンサートではなく、歌手としての成長過程を記録したものだ。

 チン・リュウのアルバムのひとつは、中国語で“中毒を防ぐ”を意味する『Fang Chen Mi』と名付けられた。実際、この非常に滑らかでコンセプチュアルなアルバムは、聴き手が何度も聞きたくなるような内容になっている。ネット中毒を助長するのではなく、このアルバムはリスナーを現実世界に没入させることを目的としている。このビジョンを具現化するため、チン・リュウのチームはアルバム・フォト・イベントを開催し、CDを受け取った人たちがそれぞれ創造力を発揮し、想像力豊かな写真を共有することを奨励した。

 冗長なアルバム紹介文が常態化している中国の音楽業界で、公式な紹介が行われなかった『Fang Chen Mi』は際立っている。この決断には、より深く、より創造的な意味があるのかもしれない。これまで10種類以上の紹介文の原案をもらったにもかかわらず、チン・リュウは『Fang Chen Mi』にとって最もふさわしい紹介は、それがまったくないことだと信じている。「ただ曲を聴いてほしい。大がかりなことをする必要はない。もし気に入ったら、いくつかの歌詞を一緒に歌ってみてください。もし皆さんがこれらの曲に出てくるような体験をしたことがあるなら、自由に解釈してみてください。」

 『Fang Chen Mi』のプロモーション方法も型破りだ。デジタル全盛の現在、『Fang Chen Mi』はフィジカルCDを先行リリースし、(著作権上の理由もあるが)一定の期間が経ってからデジタル・プラットフォームで配信するという方法を選んだ。一刻も早くアルバム全曲を聴きたいリスナーは、フィジカル盤を購入しなければならない。これは、1990年代にディスクマンで音楽を聴いていたようなノスタルジックな感覚を呼び起こすとともに、それなりのフィジカル・セールスも達成した。

 今年、チン・リュウは9枚目のアルバムを発表する。すでに3曲をレコーディングしており、彼女がこれまで音楽的コラボレーションを行ったことがない親友が歌詞をすべて書いた。チン・リュウは、歌詞のスタイルが“少しシリアスになった”と表現しているが、引き続きメロディーには彼女の好みが反映されている。

 現在、チン・リュウはほとんどの時間を杭州で過ごし、時折北京に短期滞在している。北京の賑やかな仕事環境とは異なり、彼女は杭州で完全に“スローダウン”したライフスタイルを受け入れている。「単純に杭州の散歩環境がやや優れているからですね。北京には、家族のようにお互いを思いやる旧友たちがいます。私はただ友人の少ない場所に一人で行き、静寂を求めながら順応できるかどうかを確かめたいんです。」

 チン・リュウの微博(ウェイボー)のアカウントには、彼女の杭州での生活が生き生きと綴られている。お気に入りのカフェ、彼女が作るのを楽しんでいる手芸や描くのが大好きな線画……チン・リュウは、こののんびりとして洗練されたライフスタイルを心から楽しんでいる。「杭州では、私の小さな趣味の多くを存分に楽しむことができます。生活のペースがゆっくりで、多くの“無駄な”物事をする時間と空間が十分にあり、とても快適に暮らしています。創作のために特定の人生を設計することはできません。人生そのものが最も重要ですから。」

 『Fang Chen Mi』のフィジカル・アルバムに描かれたシンプルなスケッチは、チン・リュウの杭州での生活を忠実に反映している。「絵を描くことは、私が特に大切にしている“片隅”です。 絵を描くことは、私を時間の中に迷い込ませ、空白から生み出される繊細な線と色を含め、絶えず観察し、熟考させます。」

 「人は、日々様々な欲求を持っていて、大切なのはバランスを見つけ出すことだと思います。時にはこれが好きで、別の時にはこれが好き。お腹が空いたら食べ、眠くなったら昼寝をし、起きたら遊ぶ。これらは非常にシンプルなことです。」何事も流れに身を任せればいい。“遊び心”を持って人生に臨みさえすれば、人は自分のバランスを見つけることができるだろう。

Text: Jifan Wang / Photo: Yaxin Liu


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