エンターテインメント・ウェブマガジン
シンガーソングライター和ぬかが、2024年新春ライブ【初夢賛歌】を、1月19日に東京キネマ倶楽部にて開催した。
開演前、昭和のグランドキャバレーを居抜きした雰囲気ある会場にはオリエンタルなSEが流れ、フロア上空には台湾のお正月のように赤い提灯=ランタンが放射状に吊るされていた。
オープニングを飾ったのは「絶頂讃歌」。和ぬかの第一声は「みんな、声出せる?」。バンドはお馴染み、シノダ(Gt.)、小林修己(Ba.)、上原俊亮(Dr.)、及川創介(Key.)をメインに、ホーン隊に永田こーせー(Sax.)山田丈造(Trp.)&菅野可奈子(Perc.)を含むスペシャルな7人編成。オリエンタルな雰囲気を醸し出すコンガが牽引するラテンビートを織り交ぜ、初っ端からフルスロットルに盛り上げていく。勢いそのままに「ニゲラ」で疾走する、和のテイストで爆裂する攻めのポップフィーリング。
和ぬかによる、和とラテンを掛け合わす方程式は唯一無二だ。世界中で求められるポップサウンドとなりそうな胸熱な予感がするのは、筆者だけではないはず。
逆光で顔や表情は見えないが、「盛り上がってる? まだまだいける? 一緒に踊ろう!」と、熱い想いが伝わってくる。そして、さらなる盛り上がりを魅せていく「隣人さん」をプレイ。「今日は新春ライブに来てくれて嬉しいです。みんな元気してた?」と、満員状態の若いオーディエンスへ問いかけながら、ホーンがせつなくもポップに響き渡る「真っ裸」をドロップ。
続く、ゆらりと揺蕩うビートが心地良い、SNSで和ぬかの名前を世に知らしめたヒットチューン「寄り酔い」では、オーディエンスが手を振り盛り上げていく。さらに「一緒に歌える人は歌ってね!」と、はじまった人気曲「ブラウニー」。跳ねるビートに絡み合うサビでのボーカリゼーションが、ボルテージ最高潮に一体感を生み出していく。飛び跳ねながら歌う、和ぬかが愛らしい。
会場に鳴り渡った逆回転サウンドからの耳覚えあるイントロは、令和ポップを代表するヒットチューン「ヨワネハキ」のセルフカバーだ。サビからの、ギターソロが超絶エモーショナル。両手を掲げながらビートに溶け合い、和ぬかが問いかける。「みんな楽しんでる? 世の中、ずっと落ち込んだままではいけないし。今年はいい年にするぞって。次は新曲をやりたいと思います!」。
こうして、やわらかなイントロダクションが耳にやさしい今季を代表する冬歌「ブービー・プライズ」を披露。昨年、12月にリリースした、ヒットポテンシャル高いキラキラチューンだ。和ぬかのポップセンスは常に王道感を醸し出す。それはかつてユーミンやサザンオールスターズ、小室哲哉が昭和から平成を席巻したように、そんな大きなヒットポテンシャルを予感させてくれるのだ。
そして、まだまだ名曲は続いていく。ピアノによる、せつなきフレーズからはじまったのは人間関係の葛藤を描いた「笑われ者」。歌詞での<本当に本当に大切なのは 目の前の人を見つめることで>というフレーズが心に深く突き刺さる。「あなたの心が救われたらいいなと思ってます。ありがとう。まだまだいける? 次は【初夢賛歌】を、作ってくれたバンドメンバーを紹介します!」。そして、7名の信頼するバンドメンバーを紹介しつつ、人気チューン「ざわめけ」では、オーディエンスと一緒にジャンプしながら今日イチの盛り上がりを魅せるフロア。会場中がひとつになるハンドクラップで盛り上がる笑顔でいっぱいのオーディエンスたち。
ここで、和ぬかはギターを抱え、アッパーチューン 「アイオクレ」へ。歌謡センス高いラテンフィーリングを感じるポップソング。泣きのブラスフレーズが感情を煽りあげていく。「まだまだあげていくよ!」と、BPM早い「浪漫ショー」を披露。バンドサウンドと絡み合うホーンとパーカッションによる相乗効果がエモい。「次で最後の曲です。今年はいい年にしようね。和ぬかでした。最後、一緒に歌おう!」と、「Love is」によって、会場中の気持ちをひとつにしていく。
鳴り止まないアンコールに続いて歌われたのはアッパーチューン「審美眼」。生のホーンとパーカッションとの相性抜群なポップアンセムだ。「みんな! 跳ぶよ!!!」と、MCで煽りながら、ラテンフレイバー満載の大名曲を、胸熱に全身全霊にプレイしていく。まるで、近未来の紅白歌合戦で大合唱していそうな、そんな夢物語が浮かんでくる圧巻の光景だ。
「アンコールありがとう! あなたのおかげで今日が楽しいよ。(僕の音楽は)誰もやっていないジャンルなので不安があるんだけど、あなたが来てくれて嬉しいです。2024年、あなたが後悔しない生き方を選べるように歌います。和ぬかでした。ありがとう!」。
ラストは新春ライブらしく、2年前の新年にリリースしたお正月ソング、「進め!そっちだ!」を歌い上げ、激アツに大団円を迎えていく。2024年の和ぬかの活動は、すでに初夏開催のロックフェスへの出演も決定。ライブでの飛躍、そしてさらなる国民的ヒットチューンを期待したい。次世代へ向けて羅針盤を指し示し切り開いていく令和を代表するポップマエストロは、和ぬかだ。
TEXT:ふくりゅう
PHOTO:Takeshi Yao
◎公演情報
【和ぬか 新春LIVE 『初夢賛歌』】
2024年1月19日(金)東京キネマ倶楽部
<SET LIST>
1 絶頂讃歌
2 ニゲラ
3 隣人さん
4 真っ裸
5 寄り酔い
6 ブラウニー
7 ヨワネハキ -self cover-
8 ブービー・プライズ
9 笑われ者
10 ざわめけ
11 アイオクレ
12 浪漫ショー
13 LOVE is
en.1 審美眼
en.2 進め!そっちだ!
洋楽2024年11月22日
ウィーザーが、2024年11月1日にリリースしたデビュー・アルバム『ウィーザー』(“ブルー・アルバム”)の30周年記念エディションから「Buddy Holly」「Undone – The Sweater Song」「Say I … 続きを読む
J-POP2024年11月22日
キタニタツヤが、新曲「ウィスパー」を本日11月22日に配信リリースした。 「ウィスパー」は、ソニー ワイヤレスイヤホン「LinkBuds Fit」CMソングとして書き下ろされた楽曲。先日、ソニーマーケティング株式会社、株式会社ソニー・ミ … 続きを読む
洋楽2024年11月22日
2011年7月に27歳の若さでなくなったエイミー・ワインハウスの半生を描いた伝記映画『Back to Black エイミーのすべて』の日本劇場公開を記念して公開日翌日である2024年11月23日にYouTube特別番組の配信が決定した。 … 続きを読む
洋楽2024年11月22日
ゼッドが最新アルバム『テロス』を引っ提げてプロモーション来日を行うことが決定した。 アルバム『テロス』は、ミューズ、ジョン・メイヤー、レミ・ウルフなどのアーティストをゲストに迎えた約9年ぶり、3作目となるスタジオ・アルバムとなっており、 … 続きを読む
J-POP2024年11月21日
ME:Iが、新曲「Tomorrow」のパフォーマンスビデオを公開した。 新曲「Tomorrow」は、「明日が、未来が、もっと楽しみになる。」という想いを込めた前向きな一曲で、株式会社ファイントゥデイによるヘアケアブランド「+tmr(プラ … 続きを読む