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80’sディスコやアーバンソウル、AORなど本格的なクラブミュージックに傾倒した、ハイクオリティな音楽を発信し続けているシンガーソングライター・HALLCA。7月17日(月)代々木LIVE STUDIO LODGEにてソロデビュー5周年記念ワンマンライブ【5th Anniversary Live“DEAR MY SWEET LOVE”】を開催した。
<「音楽の中ではいつも夢を見ている」史上最もドリーミーな異空間創造>
かねてより「私は異空間テイストの世界観がすごく好きで、グループ時代(2012年から2017年までEspeciaというグループに在籍していた)からそれを表現してきたので、体に染み付いているんです。なので、今はその仮想現実の中のHALLCAらしさがソロになってグループ時代以上に際立っているイメージ。音楽の中ではいつも夢を見ている感じなんですよね」と語っていた彼女だが、この日のライブには史上最もドリーミーな異空間が創造されていた。
クマガイユウヤ(g)のあらゆるジャンルを踏襲した多種多様なフレーズが、多田涼馬(dr)のドラマティックな一音一音の連なりが、北川淳人(b)のベースの概念を覆すような変幻自在のサウンドが、kiarayui(cho)のメインボーカルに親友のように寄り添うコーラスが(実際に学生時代からの音楽仲間)、それらを極上のグルーヴへとまとめ上げていくHALLCA(vo,key)の歌声とムードが、眼前に広がる世界を心地良い色へと塗り替えていく。そんな魔法のような音楽空間が冒頭のデビュー作『Aperitif e.p』メドレーから生み出され、我々はひたすら幸福感に満たされながら体を揺らし続けていた。
<「この瞬間は僕らだけのものさ!」音楽と完全一体化>
「H、A、L、L、C、A、HALLCAでーす! 今日は私の5周年記念ワンマンライブ【DEAR MY SWEET LOVE】へお越し頂いて本当にありがとうございます。今日という日をすごくすごく楽しみにしていました。セトリに歴史を感じて頂いているかなと思うんですけど、まず『Aperitif e.p』メドレー。クマちゃん(クマガイユウヤ)がアレンジしてくれました!(客席から拍手や「かっけぇ!」の声)リハのときから天国へ行っちゃうんじゃないかと思うぐらい(笑)めっちゃエモエモで。「guilty pleasure」は攻め過ぎだったけどね、めっちゃ楽しかった!(客席からも「最高だね! 史上最高!」の声)──5年前にひとりから始まり、今ではこんなに豪華な皆さんと一緒にHALLCAの曲をお届けできてすごく嬉しいなと思っています。」
そんな演者も観客も嬉々としたテンションの中で「皆さんの大合唱を聴かせてほしい」と披露した「WANNA DANCE」は、HALLCAが「踊りたい! 踊れる曲がほしい!」と思って作曲家デビューを果たしたディスコチューン。オーディエンスとクラップ⇒コール&レスポンス⇒シンガロングと熱量を高め合いながら「この瞬間は僕らだけのものさ!」で締め括る流れが享楽的ながらも、HALLCAの言葉を借りるならエモエモで。この曲を機にここに居合わせた誰ものハートビートが完全に走り出し、その後もノンストップで畳み掛けられていった「Twisted Rainbow」「Precious Flight」「Spiral」「Paradise Gate」、それぞれの方向へ振り切れたダンスナンバーたちと純度高く一体化していく。
<5周年記念3部作配信リリース! その全曲をライブ初披露>
ちなみに、HALLCAは今回の5周年タイミングで3つの新曲を配信リリースしており(7月11日「Night Driver」、7月18日「Sugar」、7月25日「Mind’s Eye」)そのいずれもがこの日ライブ披露された。「Night Driver」は、クマガイユウヤとの共同アレンジ作品となっており(音源はクマガイがギターだけでなくベースも演奏している)、HALLCAいわく「絶望も希望も乗せた」ポップでもメランコリックでもあるアーバンソウルで、今の彼女だからこそ体現できる世界観に誰もが酔いしれていく。
そして「Sugar」は、Blackstone Villageをアレンジャーに迎えたナンバーで、HALLCAいわく「みんなの為に歌うよ」という想いが込められており、今日まで孤独も悲しみもたくさん経験してきた彼女だからこそ、同じように苦しんでいる者たちを「私が照らすよ 何度だって この先もずっと」「君へ歌うよ」と優しく包み込める人であろうとする、そんな気持ちをひとりひとりに届けるように歌い上げていた。
また、3部作の最後を飾る「Mind’s Eye」は、HALLCAの音楽活動を支えてきたPellyColoがアレンジ担当。トラックもリリックもボーカルも冒頭に記した「音楽の中ではいつも夢を見ている」イメージを純度100%で表現したドリーミーな楽曲で、まさしく「夢心地へ誘うメロディー」「遠のいていく現実世界」。今回のセットリストの中で最も音楽に溶けていく感覚を味わわせてくれた。
<宮野弦士や脇田もなりも来場! 音楽仲間たちにも見守られながら>
なお、この3曲に挟まれる形で披露された「Starry Rain」は、宮野弦士(フィロソフィーのダンス、MORISAKI WIN、鞘師里保などへの楽曲提供でも知られる作編曲家)のソロプロジェクトでHALLCAをフィーチャリングしたナンバーなのだが、エモーショナルなボーカルと演奏で圧倒していくライブアレンジver.を受け、客席にいた宮野氏もゴキゲンで大きな拍手を贈っていた。ちなみに、Especia時代からの盟友・脇田もなりも会場に駆けつけており、表現者として大きく成長したHALLCAのことを大絶賛しながら、開演から終演まで終始ノリノリであった。
そんな心強い音楽仲間たちにも見守られながら、HALLCAは本編最後にフルサイズで「Milky Way」を。客席のひとりひとりがスマホのライトで創り上げたミルキーウェイに包まれ、5年前のソロデビュー時から心境も環境も大きく変化した今のHALLCAの想いを乗せて「いつだって消えないでいるよ」と、my sweet loveなみんなへ愛と感謝を届けていく。「5周年記念ワンマンライブへお越し頂いてありがとうございました! これからもHALLCAの曲を届けていきますので、ぜひ聴いて下さい。またぜひライブでお会いしましょう!」
<これからは私ひとりだけの夢を追うんじゃなくて──>
ハートフルな大団円。しかし、この史上最幸の音楽空間とまだお別れしたくないオーディエンスのアンコールを受け、再びステージに現れたHALLCA。ファンから花束をプレゼントされて「嬉しい!」と泣きそうになりながらも、今の心情を語り始める。
「ソロ始動当初は、本当に「どうなっちゃうのかな?」と思っていた方もたくさんいたと思うし、実際に1年目は苦しかった思い出がたくさんあって。Especiaを解散して、1年ぐらい空いてからソロ活動が始まって「あのキラキラした感じがこれからまた続くんだ!」と思っていたらもう大間違い。現実は甘くないし、待っていても何も進まないことがあたりまえになってきて、でもそれのおかげで「作らなきゃ何も始まらない」と作詞を始めて、そのあとに作曲もするようになって、今はクマちゃんとアレンジも一緒にするぐらいになって。本当に今は音楽が心の底から楽しいんです! ここまで来られて本当に良かったなと思うし、こうやって5周年ライブをやったら観に来て下さるみんながいるから、HALLCAという音楽を楽しめています。本当にいつもありがとうございます。
気付けば、Especiaで活動していた4年9か月を……HALLCAは5周年なんで、超えてしまいました! 解散してソロを始めた頃は、こんな日が来ると思わなかった。でも、時は経ていくものですね。10年ぐらい前から知って下さっている方々もいると思うんですけれども、これから先もよろしくお願いします! ぜひついてきて下さい! HALLCAに関しましては、辞めるとか続けるとかそういう次元ではなくて、私自身なので。自分のライフスタイルとして音楽を皆さんにこれからもずっと届けていけたらいいなと思っていますので、これからも末永くよろしくお願いします!
マネージャーさんも活動当初から支えて下さったり、クマちゃんもバンマスとしていろいろ一緒に考えてくれたりして、こんなにね、幸せなことはないですよ。今までの私は自信がなくて「たぶん、自分は売れないんじゃないか」とか思っていたんですけど、そう思うのは失礼だなと思って。ライブももっと多くの人に観てもらいたいし、これからは私ひとりだけの夢を追うんじゃなくて、ファンのみんなやバンドメンバーたちと一緒に夢を追いかけていけたら嬉しいなと思っています!」
ソロデビュー5周年、Especiaのデビューからカウントすれば約10年。ポップで明るいキャラクターの持ち主である一方で、実はよくネガティヴな思考に陥りがちのHALLCAはこれまで数えきれないほどのアップダウンを繰り返してきた。が、その経験は彼女に進化の一途を歩ませる糧となってきた。あれだけ音楽的評価の高かったEspeciaの楽曲に勝るとも劣らない、ハイレベルな作品たちを自らソングライティング(作詞、作曲、演奏、最近ではアレンジまで)して表現するアーティストになると、誰が彼女のアイドル時代に思っていただろうか。負けず嫌いの関西人。ゆえに落ち込みもするが、何があろうとパワーアップして這い上がってくるのもHALLCAの特徴だ。だから、彼女はEspecia時代に数えきれないほど口にしてきた「夢」というワードを改めてこのタイミングで掲げ、オーラスに「Dream Dancer」を歌い届けてみせた。
忘れかけてたfairytale
夢のフロアで
you can’t stop the beat!!!
HALLCAの音楽ストーリーはまだまだこれから。この先、何度だって我々を夢の世界へと連れて行ってくれるだろう。
<9月16日【HALLCAを語る会(仮)】開催! ファンとのトーク&ライブ>
ライブレポートはこれで以上になるのだが、最後にお知らせを。
来る9月16日(土)Naked Loft Yokohamaにて【HALLCAを語る会(仮)】を開催することが決定した。この企画公演は通常のトーク&ライブイベントとは異なり、HALLCAと会場に集いしファンたちで語り合い(ステージ上でのクロストーク)、HALLCAの歴史や魅力、未来について掘り下げていく内容となっている。そして、ファンの熱量や愛情をダイレクトに浴びた状態で、HALLCAが歌うことでどんなライブが生まれるのか。言わば、HALLCAとそのファンによるコラボレーションイベント。
司会進行は、HALLCAをEspeciaデビュー当時から取材し続けているインタビュアー・平賀哲雄。会場の特性上、お酒(或いはソフトドリンク)を飲んだり、料理を食べたりしながら楽しむイベントとなっているので、気軽に足を運んでみてほしい。
取材&テキスト:平賀哲雄
◎イベント情報
トーク&ライブイベント【HALLCAを語る会(仮)】
2023年9月16日(土)横浜・Naked Loft Yokohama
OPEN 12:30 / START 13:00(終演後~15:45まで特典会)
出演:HALLCA
司会進行:平賀哲雄
チケット:3,000円(tax in.)
チケット発売日:8月3日(木)00:00~
https://t.livepocket.jp/e/o28p7
ネイキッドロフトスケジュールページ
https://www.loft-prj.co.jp/schedule/naked/259198
◎ライブ【HALLCA 5th Anniversary Live“DEAR MY SWEET LOVE”】
2023年7月17日(月)代々木LIVE STUDIO LODGE セットリスト:
01.1stEP『Aperitif e.p』メドレー
~Milky Way
~Diamond
~Dreamer
~guilty pleasure
02.Complex City
MC
03.WANNA DANCE
04.Twisted Rainbow
05.Precious Flight
06.Spiral
07.Paradise Gate
MC
08.Night Driver
09.Starry Rain
MC
10.Sugar
11.Mind’s Eye
12.Milky Way
En1.Dream Dancer
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