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モーガン・ウォレンの『ワン・シング・アット・ア・タイム』が12週目の首位を獲得した、今週の米ビルボード・アルバム・チャート。
1位に初登場した2023年3月18日付から今週(6月3日付)まで、首位獲得週を12週目に更新した『ワン・シング・アット・ア・タイム』。Billboard 200で12週連続首位を獲得したのは、1998年1月24日~3月9日付まで16週を記録した映画『タイタニック』のサウンドトラック以来約25年ぶりで、初登場から12週以上連続で首位を獲得したのは、 1976年10月16日~1977年1月8日付まで13週(累計14週)をマークした、スティーヴィー・ワンダーの『キー・オブ・ライフ』以来、約46年ぶりの快挙となる。
なお、ルミネートによる集計が始まった1991年以降は1位に初登場することは珍しくないが、それ以前は『キー・オブ・ライフ』 を含む6枚のアルバムしかNo.1デビューした作品がない。
非連続記録を含むと、12週を超えたのは昨年の5月~10月に計13週を記録したバッド・バニーの『Un Verano Sin Ti』(今週9位)以来で、カントリー・アルバム(定義はカントリー・アルバム・チャートにランクインした作品とする)に限定すると、2008年11月~2009年3月にかけて11週をマークした、テイラー・スウィフトの『フィアレス』を上回り、過去30年間での最長記録を更新した。それ以前には、ビリー・レイ・サイラスの『サム・ゲイヴ・オール』が17週連続(1992年6月13日~10月3日付)を記録している。
また、自身の記録としても2021年1月23日~3月27日付まで10週を記録した前作『デンジャラス:ザ・ダブル・アルバム』(今週4位)を上回り、自己最長記録を達成している。2枚を合計した首位獲得週は22週に更新され、過去10年間ではテイラー・スウィフトの20週を上回りトップに立った。
『ワン・シング・アット・ア・タイム』は、今週の集計期間(2023年5月19日~5月25日)にアルバム・ストリーミングが121,000(3%減少)、アルバム・セールスが6,000(30%減少)、トラックによるユニットは2,000(1%増加)をそれぞれ記録して、合計129,000ユニット(4%減少)を獲得した。週間ストリーミングは全36曲で1億6,252万回を記録している。
続いて2位は、先週の5位からシザの『SOS』が再浮上した。これまではストリーミングとデジタル・ダウンロードのみ可能だったが、5月19日にCDとアナログ盤がリリースされたため、セールスが前週から22,963%増加の29,000に急増。ストリーミングを含めた週間ユニット数は、52%増加の77,000に上昇した。
先週2位にランクインしていたテイラー・スウィフトの『ミッドナイツ』(58,000ユニット / 4%減少)は3位にダウンして、6位だったモーガン・ウォレンの『デンジャラス:ザ・ダブル・アルバム』(47,000ユニット / 2%減少)は4位に上昇した。『ミッドナイツ』は、5月26日に新曲を追加したThe Til Dawn Edition(ティル・ドーン・エディション)がリリースされたため、次週のチャートで再浮上する可能性が高い。
続いて今週5位には、デイヴ・マシューズ・バンドの新作『Walk Around the Moon』がデビュー。本作は、2018年6月にリリースした前作『Come Tomorrow』から約5年ぶり、10枚目のスタジオ・アルバムで、ライブ盤やコンピレーション・アルバムを含む通算14作目のTOP10入りを果たした。
2位『Crash』(1996年)
3位『Live at Red Rocks 8.15.95』(1997年)
1位『Before These Crowded Streets』 (1998年)
1位『Everyday』 (2001年)
6位『Live in Chicago 12.19.98 at the United Center』 (2001年)
1位『Busted Stuff』 (2002年)
9位『Live at Folsom Field, Boulder, Colorado』 (2002年)
10位『The Gorge』 (2004年)
1位『Stand Up』 (2005年)
10位『The Best of What’s Around Vol. 1』 (2006年)
1位『Big Whiskey & the GrooGrux King』 (2009年)
1位『Away from the World』 (2012年)
1位『Come Tomorrow』 (2018年)
5位『Walk Around the Moon』(2023年)
上記のとおり、初めてTOP10入りした『Crash』以降、1990年代に3枚、2000年代に8枚、2010年代に2枚、そして2020年代に1枚、4年代にわたりランクインを果たし、AC/DC、デフ・レパード、フー・ファイターズ、グリーン・デイ、マリリン・マンソン、メガデス、メタリカ、パール・ジャム、レッド・ホット・チリ・ペッパーズ、U2に続く40年間ランクインした11組目のグループとなった。なお、デイヴ・マシューズのソロ・アルバムも3作がこれまでにTOP10入りを果たしている。
『Walk Around the Moon』の初動ユニットは44,000で、その内訳はアルバム・セールスが40,000、アルバム・ストリーミングが4,000(545万回)、トラックによるユニットは残りのわずかだった。公式ウェブサイトや各ショップ限定のアナログ盤による売上が好調で、今週のトップ・セールスを記録している。
6位は、先週の10位からテイラー・スウィフトの『ラヴァー』(38,000ユニット / 1%増加)が再浮上して、2019年12月以降の最高位を更新している。本作は2019年8月にリリースしたアルバムで、同年9月7日付で1位に初登場した後、2020年2月22日付を最後にTOP10にはランクインしていなかったが、2023年3月17日からスタートした【The Eras Tour】の反響を受け、4月29日付で9位にリエントリーを果たし今週6位まで上昇した。
今週7位には、アイアン・メイデンや故ティナ・ターナーなどのカバーを5曲収録したゴーストのEP『ファントマイム』がデビューして、4作目のTOP10入りを果たしている。
8位『メリオラ』(2015年)
3位『プレクウェル』 (2018年)
2位『インペラ』 (2022年)
7位『ファントマイム』 (2023年)
『ファントマイム』は、初週アルバム・セールスが34,000、アルバム・ストリーミングが2,000(267万回)をそれぞれ記録して、合計36,000ユニットを獲得した。前述の『Walk Around the Moon』同様に、本作も仕様の異なる複数のアナログ盤やカセットテープによる売上が高かった。
以下、ルーク・コムズの『ゲッティン・オールド』(34,000ユニット / 3%減少)が先週の12位から8位、バッド・バニーの『Un Verano Sin Ti』(34,000ユニット / 4%減少)が11位から9位、ザック・ブライアンの『アメリカン・ハートブレイク』(32,000ユニット / 5%増加)が15位から10位に、それぞれTOP10復帰している。
Text: 本家 一成
※関連リンク先の米ビルボード・チャートは6月2日以降掲載予定となります。
◎【Billboard 200】トップ10
1位『ワン・シング・アット・ア・タイム』モーガン・ウォレン
2位『SOS』シザ
3位『ミッドナイツ』テイラー・スウィフト
4位『デンジャラス:ザ・ダブル・アルバム』モーガン・ウォレン
5位『Walk Around the Moon』デイヴ・マシューズ・バンド
6位『ラヴァー』テイラー・スウィフト
7位『ファントマイム』ゴースト
8位『ゲッティン・オールド』ルーク・コムズ
9位『Un Verano Sin Ti』バッド・バニー
10位『アメリカン・ハートブレイク』ザック・ブライアン
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