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モーガン・ウォレンの『ワン・シング・アット・ア・タイム』が11週連続で首位を獲得した、今週の米ビルボード・アルバム・チャート。
1位に初登場した2023年3月18日付から今週(5月27日付)まで、首位獲得週を11週目に更新した『ワン・シング・アット・ア・タイム』。Billboard 200で11週連続首位を獲得したのは、1998年1月24日~3月9日付まで16週を記録した映画『タイタニック』のサウンドトラック以来で、初登場から11週以上連続で首位を獲得したのは、1987年6月27日~9月5日付の同11週をマークした、ホイットニー・ヒューストンの『ホイットニーII』以来、約36年ぶりの快挙を達成した。
その他、初登場から首位獲得週が11週を超えたアルバムは、1976年10月16日~1977年8日付まで13週をマークしたスティーヴィー・ワンダーの『キー・オブ・ライフ』があり、『ワン・シング・アット・ア・タイム』は史上3作目のタイトルとなる。
また、自身の記録としても2021年1月23日~3月27日付まで10週を記録した前作『デンジャラス:ザ・ダブル・アルバム』を上回り、自己最長記録を達成している。2枚を合計した首位獲得週は21週に更新され、過去10年間ではテイラー・スウィフトの20週を上回りトップに立った。なお、テイラー・スウィフトは今年の7月7日に『スピーク・ナウ』の再録盤をリリースするため、記録を塗り替えられる可能性が高い。
非連続記録を含むと、11週を超えたのは昨年の5月~10月に計13週を記録したバッド・バニーの『Un Verano Sin Ti』以来で、カントリー・アルバム(定義はカントリー・アルバム・チャートにランクインした作品とする)に限定すると、2008年11月~2009年3月にかけて同11週をマークした、テイラー・スウィフトの『フィアレス』以来、約14年ぶりの記録更新となる。
『ワン・シング・アット・ア・タイム』は、今週の集計期間(2023年5月12日~5月18日)にアルバム・ストリーミングが124,500(7%減少)、アルバム・セールスが8,000(61%増加)、トラックによるユニットは2,000(5%減少)をそれぞれ記録して、合計134,500ユニット(5%減少)を獲得した。今週セールスが急増したのは5月12日にアナログ盤をリリースしたからで、週間ストリーミングは全36曲で1億6,547万回を記録している。
続いて今週2位は、先週の3位からテイラー・スウィフトの『ミッドナイツ』(60,000ユニット / 1%増加)が再浮上して、3位にはジョナス・ブラザーズの新作『ザ・アルバム』が初登場した。
『ザ・アルバム』は、2019年6月に発表した前作『ハピネス・ビギンズ』から約4年ぶり、6枚目のスタジオ・アルバムで、Billboard 200では通算7作目のTOP10入りを果たした。初動ユニットは52,000で、その内訳はアルバム・セールスが35,500(今週のトップ・セールス)、アルバム・ストリーミングが16,000(全12曲で2,050万回)、トラックによるユニットは500をそれぞれ記録している。
リード・シングルの「ワッフル・ハウス」は、先週のソング・チャート“Hot 100”で82位、エアプレイ・チャートで34位に上昇し、今週のポップ・エアプレイ・チャートでは15位に最高位を更新している。
続いて今週4位にはヤングボーイ・ネヴァー・ブローク・アゲインの新ミックステープ『Richest Opp』がデビューして、今年だけで3作目、初めてランクインした2018年以降では通算15作目のTOP10入りを果たした。TOP10以下にランクインした作品を含めると、2017年8月に24位を記録したミックステープ『AI YoungBoy』から6年間で通算30作目のエントリーとなる。
スタジオ・アルバム
7位『Until Death Call My Name』(2018年)
1位『Top』(2020年)
1位『Sincerely, Kentrell』(2021年)
2位『The Last Slimeto』(2022年)
9位『I Rest My Case』(2023年)
5位 『Don’t Try This at Home』 (2023年)
ミックステープ
1位『AI YoungBoy 2』(2019年)
2位『Still Flexin, Still Steppin』(2020年)
1位『38 Baby 2』(2020年)
10位『Until I Return』(2020年)
2位『Colors』(2022年)
6位『Realer 2』(2022年)
7位 『Ma’ I Got a Famil』 (2022年)
4位『Richest Opp』 (2023年)
コラボレーション・アルバム
10位『Better than You』(2022年)
ラップ/ヒップホップにカテゴライズされるアーティストでは、16作でトップに立つジェイ・Zとナズに続く2番目のTOP10入り総数に記録を伸ばした。なお、これまでドレイクとフューチャーも同15作をTOP10入りさせていて、現時点では3者が歴代2位タイ記録となる。
『Richest Opp』の初動ユニットは51,000で、その内訳はアルバム・ストリーミングが50,500(全17曲で7,437万回)、アルバム・セールスが500、トラックによるユニットは残りのわずかだった。
先週4位にランクインしていたシザの『SOS』(51,000ユニット / 5%減少)は5位、5位だったモーガン・ウォレンの『デンジャラス:ザ・ダブル・アルバム』(48,000ユニット / 1%減少)は6位にそれぞれ順位を落とし、7位には米イリノイ州出身のカントリー・シンガー=ベイリー・ジマーマンのデビュー・アルバム『レリジョスリー.ジ・アルバム.』がデビューした。
『レリジョスリー.ジ・アルバム.』は、初週アルバム・ストリーミングが38,000(全15曲で5,050万回)、アルバム・セールスが8,000、トラックによるユニットは500をそれぞれ記録して、合計46,500ユニットを獲得した。TOP10入りは、2022年10月29日付で9位に初登場したデビューEP『リーヴ・ザ・ライト・オン』に続く2作目で、それを上回る自己最高位を更新している。
『レリジョスリー.ジ・アルバム.』からは、リード・シングルの「ロック・アンド・ア・ハード・プレイス」がソング・チャート“Hot 100”で10位にTOP10入りを果たし、アルバムのヒットに繋げている。また、カントリー・ソング・チャートでは先週まで約1年間で計8曲がTOP40入りした。
今週は、3位の『ザ・アルバム』、6位の『デンジャラス:ザ・ダブル・アルバム』、7位の『レリジョスリー.ジ・アルバム.』の3作がタイトルに「アルバム(Album)」が含まれていて、TOP10に3作がランクインしたのは、Billboard 200の集計が始まった1963年8月以来初のチャート・アクションとなる。
続いて今週8位には、2021年に解散したダフト・パンクの『ランダム・アクセス・メモリーズ』が再ランクインを果たしている。
本作は、2013年5月にリリースしたグループ最後のアルバムで、同年6月8日~15日付の2週間1位を獲得した大ヒット作。今週再びランクインしたのは、リリース10周年記念盤『ランダム・アクセス・メモリーズ(10th アニバーサリー・エディション)』が発売されたからで、そのリリース効果によりアルバム・セールスが32,000、アルバム・ストリーミングが8,000に急増し、前週から1,046%増加の40,000ユニットを獲得した。
先週2位にデビューしたエド・シーランの『- (サブトラクト)』は、64%減少の40,000にユニット数を落とし今週9位にダウン。テイラー・スウィフトの『ラヴァー』も7位から10位に順位を下げたが、ユニット数は2%増加の38,000に上昇している。
Text: 本家 一成
※関連リンク先の米ビルボード・チャートは5月26日以降掲載予定となります。
◎【Billboard 200】トップ10
1位『ワン・シング・アット・ア・タイム』モーガン・ウォレン
2位『ミッドナイツ』テイラー・スウィフト
3位『ザ・アルバム』ジョナス・ブラザーズ
4位『Richest Opp』ヤングボーイ・ネヴァー・ブローク・アゲイン
5位『SOS』シザ
6位『デンジャラス:ザ・ダブル・アルバム』モーガン・ウォレン
7位『レリジョスリー.ジ・アルバム.』ベイリー・ジマーマン
8位『ランダム・アクセス・メモリーズ』ダフト・パンク
9位『-(サブトラクト)』エド・シーラン
10位『ラヴァー』テイラー・スウィフト
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