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ピンク・フロイドの名盤『狂気』50周年を記念した、日本独自企画『狂気』50周年記念盤15大特典の一つが公開された。
この『狂気ー50周年記念SACDマルチ・ハイブリッド・エディション』には、今から51年前の1972年3月に行われたピンク・フロイド2度目の来日公演にまつわる貴重なアイテムなどを復刻した『15大特典』付きであることが発表されているが、その中でも、最も貴重な1972年の来日公演会場で配布された幻の歌詞リーフレット『月の裏側-もろもろの狂人達の為への作品-』の絵柄が公開となった。
『狂気』が発表されたのが1973年3月。ちょうどその一年前に箱根アフロディーテに続くピンク・フロイド2度目の来日公演が行なわれたが、その時に1年後に発表されるアルバム『狂気』収録曲を日本のファンの前で全曲披露した。ただ、当然この時点では未発表で観客はまだ誰も存在すらも知らなかった曲であったため、ピンク・フロイド側の強い希望で、歌詞の対訳が急遽公演会場で配布されることになった。この時点では『狂気』という邦題はまだ付けられておらず『月の裏側-もろもろの狂人達の為への作品-』と書かれている。
当時を振り返って、評論家の立川直樹は『東京都体育館のコンサートで“月の裏側”と題された組曲の訳詞が印刷されたカードが観客全員に配られた。これはピンク・フロイド側が「まだ発売前のアルバムの曲を演奏するので、英語がわかならい人たちのために配布したい」と言って石坂さんに英語詞を渡し、それを海外渉外課のスタッフが意訳したものを石坂さんの命を受けて僅か数時間で歌詞らしく整理したものだが、(アルバム発売前に)こんなことをしたグループは、ピンク・フロイド以外にはいない。“月の裏側”という直訳は「原子心母」や「おせっかい」「狂気」といった名邦題を生み出した石坂さんも、突然のことでそこまで頭が回らなかったのだろう』と語っている。
歌詞リーフレットの冒頭にはこうも書かれている 『この詩は今秋11月にイギリスで発売されるピンク・フロイドのニューアルバムに含まれている「月の裏側」という新曲です。今夜、この曲はピンク・フロイドによって演奏されますが、彼らの強い希望により日本語訳を作成しました』
この時点では1972年11月に『狂気』は発表される予定だったこと、また、その新作に含まれている「1曲」として捉えられているのが興味深い(この時点では「原子心母」や「エコーズ」などの長い組曲のような1曲と考えられていたのかもしれない)。このリーフレット自体、現存枚数も少なく、そういった意味でも歴史的にも貴重な資料的価値のあるものといえるだろう。
◎リリース情報
日本独自企画
『狂気-50周年記念SACDマルチ・ハイブリッド・エディション(7インチ紙ジャケット仕様)』
<完全生産限定盤>
2023/4/19 Release
SICP-10143 / 6,600円(tax in)
詳細: https://www.110107.com/pinkfloyd_dark_jp/
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