<インタビュー>「私の本音みたいなものを歌えたのかなって」20歳の歌い手、Adoが語るボカロP・ピノキオピー提供の新曲「アタシは問題作」に込めた思い

2023年2月21日 / 16:00

 前作の「行方知らず」以来、ボカロPのピノキオピーを詞曲・編曲に迎え制作された新曲「アタシは問題作」を約4か月ぶりにリリースしたAdo。今回リリースを記念し、本楽曲やミュージックビデオ、6月から開催される自身最大規模となる全国ホール&アリーナツアー【マーズ】、2023年の目標などについてAdoが語るインタビューをお届けする。

――2022年を振り返ってみて、いかがでしたでしょうか?

Ado:毎年毎年、濃密な1年を更新していると思っているのですが、特に2022年は今までの自分の人生において一番すごい1年だったなと感じています。

――アルバム『狂言』の反響もすごかったんじゃないですか?

Ado:ずっと歌い手としてアルバムを出したかったという思いもあった上に、やっぱりたくさんの方にアルバム『狂言』を聴いていただけて、本当にいろんな思いがたくさん集まってすごく嬉しかったです。

――他にも『ウタの歌 ONE PIECE FILM RED』、そして初めてのライブのツアー開催などもありました。

Ado:『ONE PIECE FILM RED』のウタの歌唱パートを担当させていただけたことは、私の人生がさらに変わるきっかけのひとつになったと思います。新時代の歌姫・ウタをたくさんの人が愛してくださって、とても心から嬉しいです。

 一方ライブは、まず4月に初めてのワンマンがあり、8月に2ndライブを夢のさいたまスーパーアリーナで行って、12月からツアーがスタートして。ライブの年でもあったのかなとも思います。公演前は初めて立つステージばかりだったので不安なこともたくさんありましたが、「ライブって楽しいな」って。ファンの方が足を運んでくださって、ライブって楽しいって皆さんが思わせてくれたおかげで、もっとライブをやっていきたいなと思いました。

――嬉しいですね。新曲「アタシは問題作」は、どのような楽曲なのでしょうか?

Ado:「アタシは問題作」は、ボカロPのピノキオピーさんに書き下ろしていただきました。ピノキオピーさんの有名な最近の楽曲は、「神っぽいな」や「魔法少女とチョコレゐト」だと思うのですが、ピノキオピーさんは私がずっと追いかけていた、たくさんのボカロPさんの中のおひとりだったので、こうしてピノキオピーさんに曲を書き下ろしていただけて、本当に心から嬉しいですし、小学生の頃の自分に伝えてあげたいくらい(笑)、本当に光栄に思います。

――憧れのピノキオピーさんに作っていただいた曲を初めて聴いた時は、どんなお気持ちでしたか?

Ado:この曲を初めて聴いた時は、「やっぱりピノキオピーさん天才だな」って思いました(笑)。本当に。スタッフ含め、私たちから「こういう曲にして下さい」など直接的なリクエストはなかったのですが、ピノキオピーさんは伝えずとも“Ado”をわかってくださっていて。本当に感激しました。

――本当にそうですよね。ピノキオピーさんの世界観に加えて、Adoさんならではの楽曲でしたよね。

Ado:そうなんですよね。本当にいいとこ取りというか、ピノキオピーさんだからこそできるAdoを本当に表現してくださったなって思いますね。

――歌に込めた思いなども聞かせてください。

Ado:そうですね。「アタシは問題作」は、結構、皮肉的な楽曲だと思うんですよ。どう皮肉なのかっていうと、そもそもAdoのイメージって、きっと「うっせぇわ」がすごく強いと思います。もちろん、応援してくださっているファンの皆さんは、「もっと他にもAdoにはこういうところがあるよ」って言ってくれると思うのですが、多分いまだに「うっせぇわ」から根強いものが引かれていると思っています。その「うっせぇわ」のイメージと実際の私のイメージって、結構、真逆というか。“全然そんなことないのにな”っていう気持ちをピノキオピーさんがこの楽曲で全て書いてくださっていて。“私、そんなことないんだけどな”みたいな、一人歩きしてしまった印象に、「そんなことないんだけど」って呟いてる自分みたいな。私の本音みたいなものを歌えたのかなって。そういったことが込められていると思います。

――ミュージックビデオは、どんな仕上がりになっていますか?

Ado:えいりな刃物さんにお願いして作っていただきました。えいりな刃物さんのミュージックビデオも、私は個人的に一ファンとして見ていて。えいりな刃物さんは、よくピノキオピーさんのミュージックビデオを手がけていて、結構ユニークな表現だったり、何よりアニメーションの表情がすごく豊かだったり。「このクオリティをミュージックビデオで?」みたいな(笑)。このミュージックビデオは、楽曲に合わせてちゃんとしっかり表現してくださっているところがあります。

 何事もうまくいってないであろう社会人の不憫な主人公というような、ちょっと可哀想な描写もたくさんありつつ、でも可愛らしいミュージックビデオになっているかなと思います。

――そして、6月から自身最大規模の、全国ホール&アリーナツアー【マーズ】の開催が決定しておりますが、まずおめでとうございます!

Ado:ありがとうございます!

――前回の【蜃気楼】が「あっという間で楽しかった」とお聞きしてますが、今回のツアーはどんなツアーになるのでしょうか?

Ado:【蜃気楼】よりも規模が広がったツアーになり、そして開催期間が何よりも夏ということで、足を運んでくださる皆さんにとって、このツアーが燃え上がる夏の思い出の一つになったらいいなと。気合いを入れて頑張りたいと思います。

――今回は前回よりも訪れる所が増えてますもんね。

Ado:そうですね。初めて行く場所もあるので、すごく楽しみです。

――激動の2022年があった後の2023年です。どんな年にしたいか、目標などございますか?

Ado:まず、去年は自分にとって新しいことをたくさんしようという年でした。ライブ・パフォーマンスに力を入れたり、いろいろなジャンルの楽曲を歌ったり、ちょっとディレクションみたいなことをしてみたり。あとは初音ミクを家に招き入れまして、初音ミクの調教をやってみたりしました。ソフトをいじって一緒に歌ってみたり、結構新しいことをした2022年だったんですけれども、2023年はもちろん新しいことに引き続き挑戦しつつ、今度は自分自身がもっと成長する年になればいいなと思っております。

Interview:mic

◎リリース情報
シングル「アタシは問題作」
2023/2/20 DIGITAL RELEASE

◎公演情報
【Ado 全国ツアー2023「マーズ」】
2023年6月29日(木)埼玉・大宮ソニックシティ 大ホール
2023年7月1日(土)宮城・東京エレクトロンホール宮城(宮城県民会館)
2023年7月8日(土)香川・レクザムホール(香川県県民ホール)
2023年7月16日(日)福岡・福岡サンパレスホテル&ホール
2023年7月22日(土)新潟・新潟県民会館 大ホール
2023年7月30日(日)愛知・名古屋国際会議場 センチュリーホール
2023年8月12日(土)北海道・札幌文化芸術劇場hitaru
2023年8月20日(日)広島・広島文化学園HBGホール
2023年8月29日(火)・30日(水)東京・日本武道館
2023年9月9日(土)・10日(日)大阪・大阪城ホール
2023年9月16日(土)・17日(日)神奈川・横浜アリーナ


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