ASKA、デイヴィッド・フォスターとの競演や自身のツアーについて語ったインタビューが到着

2023年2月14日 / 12:00

ASKA (okmusic UP's)

ASKAとデイヴィッド・フォスターという音楽界のレジェンドの競演『ASKA & DAVID FOSTER PREMIUM CONCERT 2023』が3月に神奈川と兵庫で開催される。影響を受けたことを公言するASKAは、フォスターとのステージにどんな気持ちで挑むのか? さらに、4月からスタートする自身のツアーについても語ってもらった。
僕はデイヴィッドの手法とか 世界観に魅了されたひとり

――競演が決定しているデイヴィッド・フォスターから影響受けたことを公言されていますね。

「はい、隠さずに言ってます。僕らの世代やひとつ上の世代の人たちはビートルズが背景にあることが多いんです。でも、僕は実はビートルズを通ってなくて、“どんな音楽を聴いてきましたか?”と訊かれるたびにいつも困っていました。強いて言うなら、サイモンとガーファンクルとカーペンターズですかね。あとは、映画音楽ばかり聴いてました。井上陽水さんがきっかけで歌い始めたんですけど、音楽的な影響という意味では、やはりデイヴィッド・フォスターでしたね」

――私もシカゴとかが好きでした。

「僕はシカゴの『16』でハマったんですよ。『15』と『16』が全然違っていたから、“なんでこんなに違うんだろう?”と思って調べてみたら、デイヴィッド・フォスターという人がプロデュースしていて、他にも自分が好きだったアルバムとか、“このアルバムのこの曲いいな”と思ったものが彼の曲だったり、プロデュースだったので、この人の音楽を全部聴いてみようって思ったんです」

――まさしく世界一のプロデューサーですよね。

「そう思います。さっき、“映画音楽ばかり聴いてた”って言いましたけど、80年代前半後かはアメリカ映画の、どちらかと言うとSFチックでダイナミックに繰り広げられるサントラが好きだったんです。そんな中、『セント・エルモス・ファイアー』という映画が公開されて、そのサントラがすごく良かったんですよ。“こういう感じのサントラ、久しぶりだな”って思っていたら、それもデイヴィッド・フォスターが手がけていたんです」
――ASKAさんがデイヴィッド・フォスターのライヴに“飛び入り”参加したこともきっかけになって今回のコンサートが実現するということですが、夢が叶ったという感じでしょうか?

「簡単に言ってしまうと“夢”なんでしょうね。でも、30代の頃とかは一緒にステージに立つことなんてまったく考えていなかったので、“長年の夢が叶う”という感じではないんです。なんとなく感覚とか匂いとか、そういうものがあって、それがすごく彼に近くなっていると自分で感じた時があって。その頃から“一緒にステージをやってみたいな”とか“アルバムをデイヴィッドにプロデュースしてもらいたいな”とか、そういうことを口にするようになって、そこからバタバタと決まっていきました」

――ASKAさんはデイヴィッド・フォスターのことを“自分の作曲方法を根こそぎ変えた人”と表現されていましたが、そういう存在の人とステージに立つというのはどんな気持ちですか?

「僕は影響というよりも、彼の手法とか世界観に“魅了された”と言ったほうがいいかな? 魅了されたひとりであって、この先、何かを吸収するとかは考えていないです。ただ、そういう方と同じステージに立って、同じ時間を過ごせるという喜びがあるだけで、デイヴィッドと僕が並んでいるから特別な空間になるということにはならないと思うんです。まぁ、でも、ふたりがステージに立っているという不思議な感覚は、オーディエンスのほうが感じてくれるんじゃないでしょうかね」

――このコンサートにおいて、ASKAさんは“自分のバンドでやらせてほしい”とお願いしたと聞きました。

「そうです。前回、前々回、その前の東京国際フォーラムでデイヴィッドのライヴを観た時も、さすがのメンバーを揃えていたんですね。そのメンバーが出す音はすごいんですけど、これは勝手な感覚ですが、僕のバンドのメンバーが出す音も遜色がないと思ったんです。それで“僕のバンドでやらせてくれ”と」

――ASKAバンドの演奏、そこにデイヴィッド・フォスターのピアノが加わったサウンドがどんな感じなのか楽しみです。

「僕もバンドメンバーもそれをすごく楽しみにしています」
――そして、ゲストヴォーカルとして宮崎 薫さんの参加も決定しています。ASKAさんから見た、ヴォーカリストしての薫さんはどんな感じですか?

「幼稚園の頃から歌手になりたかったと薫がラジオで言っていたんですけど、僕は全然知らなかったんですよ(笑)。彼女が中学生か高校生になった頃、周りの人から“薫ちゃんの歌がすごい”と言われることが増えて。でも、僕は薫の歌を聴いたことがなかったから、“歌ってみてよ”って歌わせてみたんですね。これは親の贔屓目なしで、いいヴォーカリストだなって驚きました。ピッチが良くて…ピッチがいいのはヴォーカリストの絶対条件ですけど、これに表現力とかが身につけば必ず表舞台に出てくるんじゃないかと思ったんです。今、すごくいいですね。最近、薫はひとりでアメリカに行って、フェスなどにも出たりして、日本だけではないところに目を向けているようですね。気づけば年齢も30代ですし、デイヴィッドにプレゼンしてみました。向こうの人ははっきりしていますからね。気遣いはあってもノーはノーですから。ディビッドの琴線に触れることができたんでしょうね。いっそのこと、アメリカで活動すればいいのにとも思っています」

――今のタイミングだからこそ一緒にステージが立てるというのもありますからね。

「僕もなんだかんだ言って海外でたくさんライヴをやらせてもらっているので、日本でやるのと海外でやるのとは全然違うということが分かってるんですよ。30代の頃には“何も変わりません”と言っていましたが、それは変わらないんじゃなくて、変わらないようにちゃんとステージ上で演出していたんです。そういう話も薫には話しているので、今回のライヴではやってくれるでしょう」
エンターテインメントの醍醐味は お客さんを喜ばせること

――そして、デイヴィッド・フォスターとのコンサートを経て、4月1日からは全国ツアー『ASKA Premium Concert Tour -Wonderful World- 2023』がスタートします。昨年11月にリリースされた最新アルバムのタイトルも“Wonderful World”でしたので、新作を引っ提げてのツアーということですか?

「いや、アルバムを引っ提げたツアーではないんですよ。今の世の中を表して“ワンダフルワールド”と言いたいと思ってつけたタイトルなだけで、ライヴは44年目のありったけで臨みます。僕は60を過ぎた時、新しいアルバムを引っ提げてのツアーをやるのはやめようと決めたんですよ。毎回毎回、やりたい曲を新旧織り交ぜて、ありったけでやりたいと。エンターテインメントの醍醐味って、お客さんを喜ばせることなので、それしか考えていないですね」

――では、ツアーごとにその時に歌いたい曲をフラットな状態から選んで決めると。

「はい。ただ、さっきも言ったように“お客さんを喜ばせること”が重要。自分のやりたいことばかりを強調しすぎて、お客さんが消化不良になるということは避けたいと思っています。やっぱりポール・マッカートニーのライヴに行ったら、ソロ曲もいいけど「イエスタデイ」を聴きたいですからね(笑)」

――ちゃんとお客さんの期待にも沿うということですね。

「そうですね。そこはうまくバランスを取りながら曲を選んでいきたいと思います」

――そして、このツアーはアジアにもつながっていくということですが。

「はい。これも少し前に話したように、日本と海外ではやっぱり違うんですよ。なので、日本用、アジア用という感じで別物を考えています。例えば、チャゲアスの曲で「男と女」という曲がありますが、これはデビューして3年目か4年目ぐらいの曲なんですけど、中国では自分の国の曲と思っている人がいっぱいいて(笑)。最近は、あのテイストの曲は歌わないんですが、アジアに行ったら「男と女」は歌わなきゃダメなんですよ。日本のツアーでやるものを軸としながらも、アジア用のライヴを作り上げないといけないんですけど、喜んでもらえるのであれば、迷う必要はありません」
――3月のライヴ、4月からのツアーも楽しみですが、曲作りに関してはいかがですか? 昨年11月にアルバムのリリースがあって、3月と4月にライヴやツアーが決まっていて、いい状態をキープされているのかなと思いますが。

「いい状態がいつまでキープできるのかな? …って思いますけどね(笑)。でも、ツアー中が一番充実していますね。そのことだけを考えてやってればいいので集中力も増します」

――ツアーとレコーディングなどの制作では、モードの切り替えが必要だったりします?

「そうじゃないとダメですね。それこそ昔はシングルレコードが3カ月や4カ月スパンでリリースされていましたよね。シングルをレコードにするためには、リリースの2か月前にマスタリングしなきゃいけなくて、しかもそれがシングルとして世の中に出た直後には、もう次のシングルを作らなきゃいけないっていう。よくあんなことをやっていたなって思いますよ(笑)。今はツアーはツアー、アルバムはアルバムというふうに切り替えてできているので、その点はすごく楽になりましたね」

――アルバム『Wonderful World』ではCHAGE and ASKAの「太陽と埃の中で」「PRIDE」をリメイクをされていましたが、昔の曲のリメイクは今後も続けられますか?

「次のアルバムでも昔の楽曲のリメイクはしてみたいと思っています。“楽曲が作れなくなったから昔の曲をやり直す”と思われるのは心外です。新曲が作れているからこそ昔の曲を余裕でやれるという、そこは大切にしていきたいですね。曲作りに関しては、今、作業場の環境を変えているところで、完全な防音室ができるのがちょっと先なんですよ。なので、今は曲作りができていないんですが、それが完成したらガンガンやります(笑)」

取材:田中隆信

インタビュー撮影:フォトスタジオアライ
『TRAVEL&Lush Music presents ASKA&DAVID FOSTER PREMIUM CONCERT 2023』

3月16日(木) ぴあアリーナMM

開場 18時00分/開演 19時00分

3月19日(日) 兵庫県立芸術文化センターKOBELCO大ホール

開場 15時45分/開演 16時30分

<出演>

ASKA(ヴォーカル&ギター)

DAVID FOSTER(ピアノ)

宮﨑薫(ヴォーカル)

ASKAバンド&Get The Classics Strings

<チケット>

■横浜公演

プラチナ 22,000円(税込)、S 16,000円(税込)、A 10,000円(税込) 

※当公演は全席着席となります。

■西宮公演

プラチナ 22,000円(税込)、SS 18,000円(税込)、S 16,000円(税込)、A 12,000円(税込)

※西宮公演は全席完売となりました。

◎来場特典:Blu-ray『ASKA Premium Symphonic Concert LIVE』(2022年8月6日 名古屋公演/約2時間)
『ASKA Premium Concert Tour -Wonderful World- 2023』

4月01日(土) 広島文化学園HBGホール 

開場 16時00分/開演 17時00分

4月02日(日) アクリエひめじ 大ホール

開場 16時00分/開演 17時00分

4月15日(土) 愛知県芸術劇場 大ホール

開場 16時00分/開演 17時00分

4月22日(土) オリックス劇場

開場 16時00分/開演 17時00分

4月23日(日) オリックス劇場

開場 14時00分/開演 15時00分

4月30日(日) けんしん郡山文化センター 大ホール

開場 16時30分/開演 17時30分

5月07日(日) 森のホール21(松戸)

開場 16時00分/開演 17時00分

5月14日(日) 熊本城ホール メインホール

開場 16時00分/開演 17時00分

5月20日(土) トークネットホール仙台 大ホール

開場 16時00分/開演 17時00分

7月01日(土) 那覇文化芸術劇場なはーと 大劇場

開場 17時00分/開演 18時00分

7月09日(日) なら100年会館

開場 16時00分/開演 17時00分

7月21日(金) 札幌文化芸術劇場 hitaru

開場 18時00分/開演 19時00分

7月28日(金) 福岡サンパレスホテル&ホール

開場 17時30分/開演 18時30分

<出演>

ASKA

ASKAバンド

<チケット>

価格10,900円(税込・全席指定・来場特典特製プログラム付)

※現時点での公演スケジュールとなります。追加等の情報は随時オフィシャルサイト等で更新致します。

※本公演は各会場撮影が入る可能性がありますので予めご了承ください。


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