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デ・ラ・ソウルのトゥルーゴイ・ザ・ダヴが亡くなったことを、米ニューヨークの伝説的ヒップホップ・トリオの代理人が米ビルボードに認めた。デイヴの名前でも活動していたトゥルーゴイことデヴィッド・ジョリクールの死は、2023年2月12日に初めて報道された。死因は明らかにされていない。享年54歳だった。
彼がメンバーだったデ・ラ・ソウルは、今年3月3日にようやく過去作がストリーミングなどデジタル解禁される予定になっていた。米音楽業界の煩雑な事務手続きやサンプル使用の許可取得が難航していたことにより、2021年に音楽著作権会社のReservoir Mediaと取引が成立するまで彼らのバック・カタログはデジタル解禁されていなかった。
EPMDの元メンバーで著名な音楽プロデューサーであるエリック・サーモンは、現地時間の12日にインスタグラムに、「これはこたえるな。ロングアイランドから、ヒップホップ界最高のラップ・グループのひとつから#Delasoul #plug2 デイヴが亡くなってしまった。寂しくなるよ……RIP(どうか安らかに)」と投稿した。
1988年にロングアイランドのアミティビル地区で結成され、30年以上のキャリアを持つデ・ラ・ソウルは、ヒップホップ界で最も革新的で多彩なグループのひとつとして知られている。高校時代に出会ったデイヴ(トゥルーゴイ・ザ・ダヴ)、ポス(Posdnuos)、メイス(Maseo、Pasemaster Mase)が結成したグループに、地元のプロデューサーだったプリンス・ポールが感銘を受けて彼らのデモテープを配布し、デ・ラ・ソウルはトミー・ボーイ・レコードと契約を結んだ。
1989年のデビュー・アルバム『スリー・フィート・ハイ・アンド・ライジング』は、米ビルボードの“Top R&B/Hip-Hop Albums”チャートで1位、アルバム・チャート“Billboard 200”で24位を獲得した。ブレイクしたシングル「Me Myself and I」は、“Hot R&B/Hip-Hop Songs”チャートで首位、ソング・チャート“Hot 100”で34位をそれぞれ獲得し、【グラミー賞】で<最優秀ラップ・パフォーマンス>にノミネートされた。『スリー・フィート・ハイ・アンド・ライジング』は、“オルタナティブ・ヒップホップ”と呼ばれるものの始まりとしてよく引用される。
2021年にトミー・ボーイ・レコードの出版権をReservoir Mediaが取得し、デ・ラ・ソウルはマスター音源の所有権を回収する契約をReservoirと締結した。これにより、Chrysalis Recordsが配給する彼らのレーベルAOIを通じ、最初の6枚のアルバムの全曲が2023年3月3日にストリーミング解禁される。
今年1月に公開された米ビルボードのインタビューで、デイヴはデ・ラ・ソウルのデビュー作について、「ヒップホップの傑作と言われるかもしれないけれど、“スリー・フィート・ハイ・アンド・ライジング”は、リリースされた時代のヒップホップの傑作だと思うんだ」と振り返っていた。
さらに彼は、「音楽、ヒップホップ、そして我々の文化で起こっていたあの時代の要素が、(アルバムを)歓迎し、さまざまな新しいものを見たり試したりするために心と精神を開放してくれたんだと思う。今“スリー・フィート・ハイ・アンド・ライジング”をリリースしたとしても、当時聴いていたような年齢層でも、ヒップホップ全体として理解されないと思う。(今の)ヒップホップからは不愉快だとか、ソフトだとか、そういう目で見られてしまうと思う。 でも、それは今のヒップホップが置かれている状況だからだと思うんだ。今のヒップホップは、何をやっているか、誰を感心させているか、何ができるか、いくら持っているか、いくら使っているか、バッグの中にいくら入っているかが重要だから。“スリー・フィート・ハイ・アンド・ライジング”のインパクトと当時の意味は、今となっては何の意味もないと思う。伝わる人はいるような気がするけれど、今まで聞いたことのないようなものだったとしても、今の時代にそこまで絶賛されることはないような気がする」と述べていた。
デイヴは、「あの頃に俺たちが持っていた無邪気さは勇敢だったと思うけれど、無邪気さがすごくクールな時代だったんだ。ジェームス・ブラウンをサンプリングするのではなく、リベラーチェをサンプリングした。リベラーチェをサンプリングしたことが明らかになった時は衝撃的だったと思う。今、同じような衝撃を受けるかどうかは分からない」と付け加えた。
彼は、「でも、魔法は俺ら3人が電話で話していたり、一緒に会話をしていたり、一緒に部屋にいたり、スタジオにいたり、ツアー・バスでだらだらしているときに起こるんだ」と言い、「そこで魔法が起きるから、俺たちはまだここにいる。その魔法を中断したくないんだ」と話していた。
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