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「Hello,Again~昔からある場所~」や「白いカイト」などの代表曲で知られるMy Little Loverが、【My Little Lover ☆ acoakko live winter quartet】を大阪・Billboard Live OSAKAと東京・Billboard Live TOKYOにて開催した。本公演の楽器編成は、ピアノ、チェロ、ギター、パーカッション、グロッケンという特別編成となっている。本稿では2023年1月23日の2ndステージの模様をお届けする。
満席の会場の中、歓声と共にAkko(Vo./Glo.)、扇谷研人(Pf.)、藤井ハルトシ(Vc./Gr.)、藤井珠緒(Perc.)が登場した。Akkoは登場すると、観客席へ深々とお辞儀をし、「FANTASY」から公演がスタート。イントロでは、壮大で美しくも儚いピアノのメロディーが会場を包み込み、ウィンドチャイムが一気に大人の雰囲気へ導く。そして、Akkoの透き通るような歌声と、チェロの美しい対旋律が混ざり合い、会場を「My Little Lover」の世界へと引きずり込んでいった。曲のラストでは、会場の照明が変わり、まるで夜空に浮かぶ星々の中で歌っているような美しい演出に会場が酔いしれ、曲が終わると盛大な拍手に包まれた。続く2曲目は、「Shiny Shoe」が披露された。チェロからアコースティック・ギターに持ち替た藤井ハルトシの「1、2、3、4」のコールから勢いよく楽曲がスタートする。1曲目とはがらりと雰囲気の変わった、アップテンポで明るい曲調に、会場からは自然と手拍子が鳴り響く。さらに、サビでは、Akkoと藤井ハルトシの調和のとれたハーモニーが響き渡った。
3曲目の「予感」が終わり、Akkoが「皆さんこんばんは! My Little Loverです」と挨拶し、メンバーを紹介していく。そして、MCの最後には「今夜はこの4人でお届けいたします。最後までぜひ楽しんでいってくださいね! よろしくお願いいたします」と丁寧な挨拶で締めくくった。
続いて、4曲目のジャジーで高級感のあふれるナンバー「悲しみよ今日わ」に突入する。Billboard Liveの雰囲気とピッタリとマッチした楽曲によって、大人でしっとりとした雰囲気に包まれていく。さらに、流れるように「スロウな恋」へと続く。イントロのAkkoのグロッケンから始まり、歌声とチェロ、ピアノ、パーカッションの均衡のとれたサウンドはとても心地よい空間を与えてくれた。
そして、6曲目に披露されたのは、My Little Loverの代表曲「Hello,Again~昔からある場所~」だ。日本テレビ系ドラマ『終わらない夏』のオープニング・テーマに起用され、ファンの間でも高い人気を誇る楽曲である。特別編成ならではのテンポ感と、アコースティックなサウンドがとても心地よく、イントロのアコースティック・ギターとピアノのユニゾンから心を奪われていく。そして、この楽曲のキーポイントとなるサビの転調と同時に、ステージの演出も星空のように変わり、Akkoと藤井ハルトシの美しいハモリがサビの<記憶の中でずっと二人は生きていける>という歌詞とメロディーを際立て、さらに切なく美しい楽曲へと変貌させた。
「Hello,Again~昔からある場所~」が終わると、会場は割れんばかりの拍手に包まれ、再びMCへ。MCでは、再生ポリエステルを使用した環境に優しいグッズの紹介や、Akkoが最近好んで聴いているというPodcastラジオ『The Lifestyle MUSEUM』についてのトークで盛り上がり、会場は和やかな雰囲気に包まれた。そして、7曲目の「ちいさなロマンス」へ。ソロでは、Akkoがピアニカを使ったブルージーなフレーズを大胆に披露し、会場を盛り上げた。その後も「Survival」や「白いカイト」などの曲が続き、ファンの期待に応えるかのように名曲の数々が惜しみなく披露されるステージ。特に「白いカイト」のソロでは、ギター、ピアニカ、ピアノ、パーカッションの順番にソロ回しを披露し、会場からは歓声が鳴り響いた。
10曲目の「ちいさな魂」が終わり、最後のMCへ。「私は大きく立派なことはできないけれど、小さなことを大きな愛を持って、コツコツ積み重ねていくことはできます」と語った。謙虚で愛のあるコメントに会場からは自然と拍手が巻き起こった。続けて、「最後にお届けしたい曲は、自分を愛して大切にしてほしいと願いを込めて作りました。『アイデンティティ』という曲、最後に聴いてください」とコメントし、10曲目の「アイデンティティ」へ。個人的に、Akkoの感情のこもった歌声に「自分を愛して大切にしてほしい」というメッセージを感じた。また、ラストのサビはとても情緒的に歌い上げている姿が印象的だった。曲が終わると、「今日は本当にありがとうございました。」と深々とお辞儀をし、会場から惜しみない拍手が送られるなか退場していった。拍手は鳴りやむことなく、徐々にクラップへと変わり、アンコール曲の期待が高まっていく。
そして、観客のクラップに応え再登場。アンコールでは、Akkoが最も大切にしているという楽曲「風と空のキリム」を披露した。ピアノとチェロの優しく包み込むようなイントロのフレーズから始まり、愛の籠った歌声によって会場が柔らかな気持ちへ満たされていく。そして盛大な拍手の中、ステージは終演した。ファンを想った愛にあふれた本公演で、元気を貰った人も多いことだろう。ぜひまた、愛の込められたBillboard Live公演を届けてほしい。
Text by Hironari Kagehi
Photo by Masanori Naruse
◎公演情報
【My Little Lover ☆ acoakko live winter quartet】
2023年1月17日(火)大阪・Billboard Live OSAKA
2023年1月23日(月)東京・Billboard Live TOKYO