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【ビルボード・ウィメン・イン・ミュージック】(WIM)の日本版実施に伴い、独自の観点から“音楽業界における女性”にフォーカスしたインタビュー連載『わたしたちと音楽』のVol.9に、アメリカを拠点にダンサーとして活躍するMaasa Ishiharaが登場した。
母親や安室奈美恵など、芯の強い女性に憧れてきたというIshiharaは、ダンサーを目指して21歳で渡米。これまでにジャスティン・ビーバー、アリアナ・グランデ、TLCなどの著名アーティストとステージを共にし、現在は振付師、クリエイティブ・ディレクターとしても活動している。
厳しい米エンタメ業界で自らチャンスを掴み取ってきた彼女が大切にしているのは、精神面でも肉体面でも、“Stay Ready(=準備万端)”でいることで、「困難の渦中にいると感じる時にも、“いったん問題は置いておいて、未来のために何ができるか”を考えてみる。そうして、“Get Ready(=準備をする)”ではなく、“Stay Ready”の状態でいられるようにする。すると困難の波が過ぎ去った時に、すぐに次のチャンスを掴みにいける」と説明した。
また、女性ならではの壁を感じることもあったそうで、「やはり女性が1人のアーティストとして生きていくのは過酷な業界です。望まないシーンで望まない相手に性の対象として見られたり、“女のくせに”と舐められたり軽んじられたり……いくらこちらが“Stay Ready(=準備万端)”でいても、スタート地点に立たせてもらえないこともありましたね」と明かした。
そして「日本で生まれ、自分の周りの人の大半が自分と同じ日本人という環境で育った私には、様々な“違い”を受け入れ、理解して共存していくに至るまでは少し時間もかかりました。今まで自分が生きてきて当たり前と思っていたことが、世界ではある一つの思想・価値観に過ぎないと気づくと同時に、自分の当たり前を一度完全にリセットする必要があると感じた」と自身の経験を振り返ると、「誰にとっても自分と違う人やもの、自分の経験のない未知のものを受け入れるのは恐怖でもあり、容易なことではないですよね。ただその一歩を踏み出して、“見える景色が180度変わる”経験ができたのは、人生においてとても価値のあることだったと思います。世界中の人々が互いの違いを認め、尊重しあえれば、世界の平和にも繋がっていくような気がします」と締めくくった。
インタビュー全文と彼女がパワーをもらえる楽曲のプレイリストは特集ページにて公開されている。また、【ビルボード・ジャパン・ウィメン・イン・ミュージック】の特設サイトでは、これまでのインタビューやプレイリストなどをまとめて見ることが可能だ。
2007年からアメリカで開催されている【ビルボード・ウィメン・イン・ミュージック】は、音楽業界に貢献した女性を表彰するアワードで、2022年版は3月に実施された。日本では、インタビューやライブ、トークイベントといった複数のコンテンツから成るプロジェクトとして2022年秋にローンチした。
Photo:Aya Shimizu
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