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マライア・キャリーの「恋人たちのクリスマス」が通算11週目の首位を獲得した、今週の米ビルボード・ソング・チャート。
1994年にリリースされた「恋人たちのクリスマス」は、ストリーミングが集計に加算されるようになった2014年以降、ホリデー・シーズン毎に最高位を更新して、2017年の12月に初めて9位にTOP10入りし、翌18年には3位まで上昇。2019年12月21日付では発売25年目で通算19曲目の首位に輝き、ザ・ビートルズがもつ20曲に次ぐ歴代2番目の記録に浮上した。ホリデー・ソングとしては、1958年12月22日~1959年1月12日付まで4週1位をキープした、デヴィッド・セヴィル&ザ・チップマンクスの「ザ・チップマンク・ソング」以来、史上2曲目の首位獲得で、その「ザ・チップマンク・ソング」がもつ4週を上回るホリデー・ソングの歴代最長記録(通算11週目)を更新している。
今週の集計期間(12月16日~22日)がクリスマスのピークということ、それから12月20日に放送された米CBSのホリデー・スペシャル『Merry Christmas to All!』の反響を受け、ストリーミングが前週から18%増加の4,870万回、エアプレイが19%増加の3,950万回、セールスも3%増加の11,000にそれぞれ上昇し、今シーズン3週目、通算11週目の首位を獲得した。
デジタル・ソング・セールス・チャートでは2週連続、2005年、2019年に続く通算4週目の首位を獲得。ストリーミング・ソング・チャートでは、2位から1位に再浮上して通算18週目のNo.1をマークした。エアプレイ・チャートでも14位から11位に順位を上げ、1994年に記録した12位を上回る最高位を更新し、4シーズン連続でTOP15入りを果たした。
マライアにとって11週以上首位を獲得したのは「恋人たちのクリスマス」が通算3曲目のタイトルで、3曲以上を記録したのはボーイズIIメンに続く史上2組目、女性アーティストとしては初の快挙となる。
マライア・キャリー
16週「ワン・スウィート・デイ with ボーイズIIメン」(1995~96年)
14週「ウィ・ビロング・トゥゲザー」(2005年)
11週「恋人たちのクリスマス」(2019~22年)
ボーイズIIメン
13週「エンド・オブ・ザ・ロード」(1992年)
14週「メイク・ラブ・トゥ・ユー」(1994年)
16週「ワン・スウィート・デイ with マライア・キャリー」(1995~96年)
Hot 100で首位獲得週が11週を超えたのは「恋人たちのクリスマス」が史上28曲目で、1位を獲得した全1,144曲のわずか2%にも満たない。マライアにとって最長記録となる「ワン・スウィート・デイ」は、2017年にルイス・フォンシ&ダディー・ヤンキーの「デスパシート feat. ジャスティン・ビーバー」が同16週に並ぶまで史上最長記録を保持していた。その後、2019年にリル・ナズ・Xが「オールド・タウン・ロード feat. ビリー・レイ・サイラス」で19週という記録を打ち立て、現時点での最長記録を更新している。
「恋人たちのクリスマス」の首位獲得週は以下の通りで、初めて首位を獲得した2019年12月21日付から今週2022年12月31日付までの期間を3年1週間に、歴代最長記録を更に引き伸ばした。また、デビュー曲「ヴィジョン・オブ・ラヴ」が初めて首位を獲得した1990年8月4日付から今週(2022年12月31日付)までの期間を32年5か月に、1位獲得のブランク記録としても史上最長を更新している。
2019年12月21日
2019年12月28日
2020年1月4日
2020年12月19日
2021年1月2日
2021年12月25日
2022年1月1日
2022年1月8日
2022年12月17日
2022年12月24日
2022年12月31日
首位獲得総週も通算90週目に更新し、2位以下と大差をつけてトップを独走している。
90週 マライア・キャリー
60週 リアーナ
59週 ザ・ビートルズ
54週 ドレイク
50週 ボーイズIIメン
47週 アッシャー
43週 ビヨンセ
37週 マイケル・ジャクソン
34週 アデル
34週 エルトン・ジョン
34週 ブルーノ・マーズ
前述の通り、首位獲得曲数はザ・ビートルズがもつ20曲に次ぐ歴代2番目だが、ソロ・アーティスト及び女性アーティストとしては史上最多記録を保持している。
ホリデー・ソング・チャート“Holiday 100”では2015~16年のシーズン以降41週連続、通算56週目の首位をマークし、同チャートの集計が始まった2011年以降の歴代最高記録をさらに更新した。なお同チャートの総週は61週で、そのうちの56週を「恋人たちのクリスマス」が独占している。
「恋人たちのクリスマス」に続き、ブレンダ・リーの「ロッキン・アラウンド・ザ・クリスマス・ツリー」(1958年)も今シーズン3週連続、2019年12月以降4シーズンで通算8週目の2位を獲得した。同曲もストリーミングが19%増加の4,850万回、エアプレイが10%増の2,940万回に上昇したが、セールスは2%減少の5,000に若干数下降している。
ボビー・ヘルムズの「ジングル・ベル・ロック」(1957年)は先週の4位から3位に、バール・アイヴスの「ホーリー・ジョリー・クリスマス」(1964年)も5位から4位にそれぞれ上昇し、最高位に復帰した。また、5位には先週6位にランクインしていたワム!の「ラスト・クリスマス」(1984年)が上昇していて、TOP5をホリデー・ソングが独占するこの時期らしいチャート・アクションとなった。
「ラスト・クリスマス」は昨シーズン7位まで上昇し、先週6位にその記録を上回ると今週初のTOP5入りと最高位を更新した。各ポイントの伸び率も良く、ストリーミングが51%増加の4,370万回 、エアプレイが5%増加の2,420万回、セールスも11%増加の3,000にそれぞれ上昇している。
ワム!のTOP10入りは同曲が通算7曲目で、そのうち6曲がTOP5入りしている。
()内は最高位獲得年
1位「ウキウキ・ウェイク・ミー・アップ」(1984年)
1位「ケアレス・ウィスパー」 (1984年)
3位「フリーダム (1985年)
1位「恋のかけひき」(1985年)
3位「アイム・ユア・マン」 (1985年)
10位「エッジ・オヴ・ヘヴン」(1986年)
5位「ラスト・クリスマス」(2022年)
ワム!の曲がTOP5入りしたのは「アイム・ユア・マン」が最後にランクインした1986年2月8日付以来、約37年10か月ぶりで、メンバーのジョージ・マイケルにとってはエルトン・ジョンと共演した「僕の瞳に小さな太陽」がランクインした1992年2月15日付以来、約31年10か月ぶりとなる。なお「僕の瞳に小さな太陽」はエルトン・ジョンが書いた曲であり、ジョージ・マイケルがソングライターとしてクレジットされた曲としては「プレイング・フォー・タイム」がランクインした1990年10月20日付以来、約32年ぶりのTOP5入りを果たした。
6位はアンディ・ウイリアムスの「イッツ・ザ・モスト・ワンダフル・タイム・オブ・ザ・イヤー」(1963年)が先週の8位から浮上し、今シーズン3週目のTOP10入りを果たしている。それにより「ロンリー・ストリート」が初めてTOP10入りした1959年10月12日付からのブランク記録を、歴代最長の63年2か月3週間に更新した。同曲は、2020年のホリデー・シーズンに最高5位まで上昇している。その2020年に続き、今週はTOP6をホリデー・ソングが独占する快挙も達成した。
先週3位に初登場したシザの「キル・ビル」は今週7位にダウンしたが、R&B/ヒップホップ・ソング・チャートとR&Bソング・チャートではそれぞれ2週目の首位をキープした。また、同曲が収録された新作『SOS』も、今週のアルバム・チャート“Billboard 200”で2週目の首位をマークしている。
8位には、先週の11位からホセ・フェリシアーノの「Feliz Navidad」(1970年)が上昇し、今シーズン初のTOP10入りを果たした。同曲は、2020年のホリデー・シーズンに最高6位まで上昇している。
次週の集計期間(12月23日~29日)はクリスマスイブ、クリスマス当日が含まれるため、引き続きホリデー・ソングが上位を独占することが予想される。
初登場から6週間首位をマークしたテイラー・スウィフトの「アンチ・ヒーロー」は、先週の7位から9位に順位を下げたが、前週から3%増加の7,940万回を記録してエアプレイ・チャートではトップに立った。エアプレイ・チャートでの首位獲得は以下に続く通算7曲目で、マルーン5、ケイティ・ペリー、アッシャーと並ぶ史上4番目の記録を達成した。トップはリアーナの13曲で、続いてマライア・キャリーの11曲、ブルーノ・マーズの9曲が続く。なお、エアプレイ・チャートの集計が始まったのは1990年12月で、それ以前の記録は含まれていない。
()内は首位獲得年
2週「ユー・ビロング・ウィズ・ミー」(2009年)
4週「トラブル」(2009年)
4週「シェイク・イット・オフ」(2014年)
6週「ブランク・スペース」(2014~15年)
5週「バッド・ブラッド feat. ケンドリック・ラマー」(2015年)
2週「ワイルデスト・ドリーム」(2015年)
1週「アンチ・ヒーロー」(2022年)
テイラーは、これで2000年代、2010年代、2020年代の3年代でエアプレイ・チャートを制した初のアーティストという記録も達成した。なお、それ以前にはクリスティーナ・アギレラが1990年代、2000年代、2010年代の3年代で首位を獲得している。
10位はサム・スミスとキム・ペトラスの「アンホーリー」が先週の9位からダウンした。
Text: 本家 一成
※関連リンク先の米ビルボード・チャートは12月31日以降掲載予定となります。
◎【Hot 100】トップ10
1位「恋人たちのクリスマス」マライア・キャリー
2位「ロッキン・アラウンド・ザ・クリスマス・ツリー」ブレンダ・リー
3位「ジングル・ベル・ロック」ボビー・ヘルムズ
4位「ホーリー・ジョリー・クリスマス」バール・アイヴス
5位「ラスト・クリスマス」ワム!
6位「イッツ・ザ・モスト・ワンダフル・タイム・オブ・ザ・イヤー」アンディ・ウイリアムス
7位「キル・ビル」シザ
8位「Feliz Navidad」ホセ・フェリシアーノ
9位「アンチ・ヒーロー」テイラー・スウィフト
10位「アンホーリー」サム・スミス&キム・ペトラス
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