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ビリー・アイリッシュは、5年間でベッドルーム・シンガー・ソングライターから世界中のアリーナを完売できる【アカデミー賞】受賞経験を持つ世界的なポップ・スーパースターに一気に成長した。しかし、英BBC World Serviceの特集“100人の女性”で、20歳のビリーは“アイコン”や“風変わりだけど重要なフェミニスト”という自身についての表現を聞いて笑った。
自分をどう表現するか質問されると、ビリーは「全然わからないです。わかりません。2、3年前ならどう答えたらいいかわかっていた気がしますが、もうわかりません。なぜなら、そんな風に自分を見ていないから。自分自身を見て、どんなものであるか説明することをは考えません。ただ存在してるだけです。私はただの人です。ただ存在し、人生において自分の役割を果たしているだけなんです」と説明した。
まるでローラーコースターのような名声は奇妙なものだ。14歳の少女が兄フィニアスと一緒に幼少期の家で録音した楽曲(「オーシャン・アイズ」)をアップロードしたところ、かつての彼女のポップ・アイコンたちと同じレベルの世界的な名声を突然手に入れてしまった。例えば、Apple TV+のドキュメンタリー映画『ビリー・アイリッシュ:世界は少しぼやけている』では、2019年に【コーチェラ】のステージに立とうとするビリーをケイティ・ペリーが引き止め、ポップ・スターダムの奇妙な世界を理解するために助言が必要なら電話してほしいと伝える部分があると同特集は指摘した。
その時、ケイティは、これからもっと忙しくなるだけだとビリーに忠告していた。ビリーはまだ、ケイティの申し出を受け入れていないが、その時のことがまだ彼女の心の中に残っている。「彼女(ケイティ)に電話するべきですね。当時、私は彼女の言うことを信じていませんでした。このまま続くとは思いませんでした……そんな風に自分の将来を見るのは本当に難しいです……もうすでにとてもクレイジーだったので。これ以上クレイジーになるなんて想像できませんでした」とビリーは語った。どのぐらいクレイジーか?名声を体験したことのない人に名声を説明するのは、自身の音楽を“見る”ことができる共感覚を持つビリーにとって、“存在しない色を説明しようとする”ようなものだそうだ。
称賛、賞、注目はきらびやかな流星群のように降り注いでいるが、ビリーは世間から注目される中で成長することは“とても辛い体験”であり、年齢相応の仲間たちがするような成長や変化を遂げることは非常に難しいと語った。攻略本がないため、彼女はどうしたらいいかわからず、記録的な称賛が続いた過去数年間でさえ彼女は“重度のインポスター症候群”の兆候を感じ、“藁をもすがる”思いだったそうだ。
この1、2年の間に何度かビリーは“インポスター症候群の下方スパイラル”に陥ったと明かした。自称“インターネットの申し子”がコメントする側からコメントされる側になるにつれ、自分を正すためにできることは何でも掴んだ。彼女は、「自分自身や自分の名前をあらゆる場所で見かけると、自分が一体誰なのかわからなくなる」と述べた。
ビリーはベッドで泣きながら、自分がファンに見せたいショーを夢見て、「“私は女の子だから、そんなショーは絶対にできない。自由でワイルドで、あれこれ考えず、こんな風にパフォーマンスして、もっと肉体的に、もっとパフォーマンスを重視して、小さいことは気にしないようにすることはできない”と絶望的な気持ちになった」と振り返った。
しかし今、彼女は数年前まであり得なかったチャートの上位やフェスティバルのヘッドライナーとして活躍する女性たちに刺激を受けていると明かした。音楽業界における女性の“多くの進歩”を目の当たりにし、その進展に“希望”を感じていると言及しながら、「模範にできるような真剣に受け止められている私みたいな女の子がいなかったから、自分自身に対して絶望的だった時期がありました」と語った。「すべて、完全に男性優位でした。疑う余地すらありませんでした。今でもそうですが、少し良くなりました」と続けた。
また、ビリーは多くの若い女性ファンのお手本にならなければならないというプレッシャーを感じるどころか、何も感じなく、それは良いことだと言う。むしろ、彼女はそのことに“とても興奮”していて、他の人が彼女をロール・モデルと呼ぶことにこだわることはない。ファンについて、「私はただ、本当に彼女たちに恋をしているようです」と述べ、「彼女たちと関係を持っているような感じです。どんな友情でも、どんな関係でも、私と付き合う場合は、まず最初に彼女たちもセットだと伝えます」と説明した。これは将来のボーイフレンドに対しても同じで、恋人になる人にはファンが最優先だと伝えるそうだ。
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