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【True Colors Festival THE CONCERT 2022】が2022年11月19日と20日に東京ガーデンシアターで開催された。
50年以上にわたって国内外の障害者支援を行なっている日本財団。その一環となる【True Colors Festival】は、障害・性・世代・言語・国籍などに関わらず、個性豊かなアーティストのパフォーミングアーツを観客が一緒に楽しむイベントとして開催されている。
コンサート冒頭、総合司会であるハリー杉山がステージに登場。2019年から日本でスタートした【True Colors Festival】にかける想いや、あらゆるひとがコンサートを楽しめるようにと、会場に設置をされた「鑑賞サポート」の一つ、手話パフォーマンスで情報を届ける日本手話、国際手話パフォーマーを紹介した。そして、客席からあがる歓喜のなか「みなさん準備はできましたか? Here We Go!」という力強い掛け声とともに、コンサートが幕を開けた。
多彩なアーティストが次々と登場するなかで、特に注目を浴びたのは、”バイオニック・ポップ・アーティスト”として名を馳せるヴィクトリア・モテデスタ。身体的な障がいに対する偏見をなくし、美の多様性を訴えるべく、義足をアートに変えたアーティストとして活躍するヴィクトリアは、この日、シルバーメタリックの光が美しい義足を纏い、パワフルな歌唱力と堂々としたパフォーマンスで「In The Mirror」と「The Current」の2曲を披露し、観客を魅了した。
続いてステージには、 2020年に東京パラリンピック開会式に出演し話題となった、車椅子ダンサーのかんばらけんたが登場。光が渦めくインスタレーションと連動した演出のなか、腕力だけで車椅子から天井へ体を持ち上げたり、車輪を使って身体を回転させたりと、車椅子を使いこなした迫力のあるパフォーマンスを披露。見るもの全てを虜にする、指先までも美しい唯一無二の表現力に、誰もが心を揺さぶられた瞬間だった。
大歓声が沸き起こるなか、ステージに姿を表したのは、生まれつき両腕のないブラジルのピアニスト兼ギタリストであるジョナタ・バスト。会場に設置された巨大スクーリーンに“僕は素晴らしい人生を送っている。信じれば、なんでもできると教わってきた。母が僕を信じてくれるから、すべてが可能に。”というメッセージが投影されるやいなや、美しく流れるような旋律で「Eu Sei Que Vou Te Mar」を演奏。この日は、ジョナタの母も登場し、優しい歌声と家族の愛で会場がやさしさに包まれた。
次に観客の目を引いたのは、アメリカから来日したラウル・ミドン。 “神の声“とも称賛される全盲のラウルは、左手で華麗にアコースティック・ギターを操り、右手では太鼓を、そして何よりソウルフルな歌声で「Sunshine, I Can Fly」と「Bad Ass & Blind」の2曲を演奏した。特に「Bad Ass & Blind」に込められた”音楽こそ人々が笑う、泣く理由である。歌って、踊って、手を叩こう。そうすれば世界全体がわかる。わたしたちが一つだということが。何をやってきたか、どこに住んでいるかなんて関係ない。”という歌詞は、まさに【True Colors Festival】の信念を体現するメッセージとなった。また、パフォーマンスのひとつで口でトランペットの音を表現する様子に、驚きを隠せない観客もちらほら。世界でも類を見ない、至高のパフォーマンスに酔いしれるひとときだった。
いよいよ大詰めを迎える舞台には、“言い訳も限界も取っ払え”を合言葉に活躍するイル・アビリティーズが登場。カナダ、オランダ、チリ、韓国、米国、ブラジル出身の7人からなる障害者ブレイクダンスチームである彼らの躍動的なパフォーマンスは、本コンサートでも健在。前人未到の挑戦を繰り返し、築き上げてきたそのパフォーマンスは息を呑むほどにクールで、そして“障害”という言葉を忘れるほどに観客を圧倒させた。
全21組のパフォーマンスが終了すると、ステージには「Stand By Me」が流れ、ここまでに登場したアーティスト全員がステージに。過去、米国のコンペティション番組『アメリカズ・ゴット・タレント』に参加し、サイモン・コーウェルの「ゴールデン・ブザー」を獲得して4位に選ばれた聴覚障害のあるマンディ・ハーヴェイの透き通る歌声や、この日来日が叶わなかった骨形成不全のティーン・ラッパーであるスパーシュ・シャーも映像出演。それぞれの“True Colors”で曲を表現し、とけあうことで、本コンサートのテーマである“ONE WORLD ONE FAMILY”に込められた熱い想いを発信した。
「Stand By Me」の歌唱が終了すると、ここでスペシャルゲストの紹介が。会場一帯に“Kyary! Kyary!”ときゃりーコールが響き渡る中、キラキラと輝く衣装を纏った、きゃりーぱみゅぱみゅが登場した。「こんばんは、きゃりーぱみゅぱみゅです! 【True Colors Festival THE CONCERT 2022】楽しんでますか?こんな素敵な機会に私もライブができるということで楽しみにしていました。私も今日のイベントをステージ袖や楽屋で見ていたんですが、多くのアーティストさんが、このイベントのためにパフォーマンスを準備されているということで非常に感動しました。また私は、高校生のころからケイティ・ペリーさんが大好きで…同じステージにたてることを楽しみにしております。嬉しい~!!!」と満面の笑みを見せ、人気曲である「にんじゃりばんばん」を披露した。この日のために、サビの振り付けに手話ダンスを取り入れたきゃりーぱみゅぱみゅは「私の楽曲に合わせて、(ステージの)横で手話をやって下さっている方がいますね!なので、そういうところにも今回はフィーチャーしてライブをしてみました。気づきましたか?」と話し、観客からは大きな拍手が送られた。
きゃりーぱみゅぱみゅのライブが終了すると、ステージは一気に転換し、コンサートはいよいよクライマックスへ。世界的スーパースターであるケイティ・ペリーが、「こんにちは~!」とマイクを握りコールレスポンスするやいなや、会場のボルテージは最高潮に。「ありがとうございます! ケイティ・ペリーです。このコンサートに参加できてとても幸せです。こんなに素晴らしいアーティストと共にステージに立てることを嬉しく思います」とコメント後、チャーミングなウインクからスタートした「Teenage Dream」では、会場が一体となり手拍子が沸き起こった。その様子を見たケイティ・ペリーもサビの前で「Are You Ready TOKYO~!!!」と叫び、日本への変わらぬ愛を届けた。また「California Girls」までの全4曲を熱唱したケイティ・ペリーは、「このようなコンサートに参加する機会をくださり、ありがとうございます。出演者の一員としてインクルージョン・ビューティー・カラーを体現するフェスティパルに参加でき、とても幸せです」と話し、この日登場したアーティストを舞台へと呼び込んだ。すると、舞台の下手からきゃりーぱみゅぱみゅが、ステージの中央へ。憧れの存在であるケイティ・ペリーさを前に少し緊張した面持ちだったが、きゃりーぱみゅぱみゅを包み込むほどの大きくハグを交わしたケイティ・ペリーは、久しぶりの再会に胸を躍らせた様子だった。
そして、ステージには全出演者を代表し24名のアーティストが勢揃い。ケイティー・ペリーの代表曲でもある、一歩を踏み出す勇気や自分らしく生きることに背中を押してくれる楽曲「Firework」で共演を果たし、約2時間30分にも及ぶ【True Colors Festival THE CONCERT 2022】は終わった。
この日の収録には 『True Colors CHANNEL』のMCを務める高橋ひかる、ゲストのユージが登場。公演終了直後、興奮さめやらぬきゃりーぱみゅぱみゅとケイティ・ペリーにインタビューを行った。早速MCから、今日のステージについて聞かれると、ケイティ・ペリーは「きゃりーぱみゅぱみゅさんのことは、以前から大好きで、今日一緒に同じステージに立てて本当に光栄です! ステージの後ろから見ていて、パワーを感じました」と笑みをこぼしながらコメント。「私こそ昔から大好きなケイティ・ペリーさんとこうして同じステージで歌えて、お久しぶりに再会してハグもできて…本当に泣きそうでした」と、きゃりーぱみゅぱみゅも応えた。そのほかにも、日本に住みたいとまで話すケイティ・ペリーの久しぶりの来日エピソードや、コンサートの最後の演出となった「Firework」の舞台裏だけでなく、2人が考える“居心地の良い社会にするためには、世界はどう変わっていけばいいか”など、深い話を語った。
(C)True Colors Festival THE CONCERT 2022
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