<ライブレポート>アヴリル・ラヴィーンが新旧楽曲を連発、8年ぶりとなる来日公演「会いたかった」

2022年11月15日 / 18:00

 アヴリル・ラヴィーンが、11月9日に【Avril Lavigne Love Sux TOUR 2022 JAPAN】を東京ガーデンシアターで開催した。

 【SUMMER SONIC 2014】出演から実に8年振りに来日したアヴリル。2022年は最新アルバム『Love Sux』や、デビュー20周年を記念した『Let Go (20th Anniversary Edition)』、ヤングブラッドとのコラボ新曲「I’m A Mess (with YUNGBLUD)」をリリース。さらに、THE FIRST TAKEに2回出演するなど、精力的に活動している。

 世界中でのパンデミックの影響を考慮し、2度延期となっていた今回のツアー。11月7日の横浜公演を皮切りに、11月14日の大阪公演まで全5公演が行われた。ここでは、そんな“3度目の正直”となったツアーの東京公演をレポートしていく。

 開演時間となり暗転すると、アヴリルのメモリアルフォトが映し出されるオリジナルムービーが流れ始める。アップテンポな「Bad Reputation」がBGMに使われており、ライブスタートへの期待感がより一層膨れ上がっていく。ムービーが終わると、アヴリルのシルエット姿がくっきりと照らし出され、「Are you ready!?」という掛け声から本編がスタート。一曲目に持ってきたのはアルバム『Love Sux』のリード曲「Bite Me」だ。「会いたかったよー!」と日本語で元気よく挨拶して、序盤から会場を沸かせる。そして「20年間支えてくれてありがとう」と感謝を伝えて「What the Hell」「Complicated」とヒット曲を連続で披露していった。ライブが始まってから、ツインギター、ベース、キーボード、ドラムの高音/中音/低音の纏まりが何とも素晴らしく耳心地が良いことに気付く。そこにアヴリルの美声が乗っていく様は圧巻だった。さらに、モニターには楽曲のミュージックビデオが流れるという粋な演出が始終行われていた。

 「My Happy Ending」や上述した最新曲「I’m A Mess (with YUNGBLUD)」を披露した後は、1stアルバム『Let Go』から“個人的に好きな曲”だという「Losing Grip」へ。クールなバンドサウンドに乗せて鋭い歌声を届けた後は、オーディエンスに投げキッスを届けていった。

 2022年4月にアメリカのラッパー、モッド・サンとの結婚を発表したアヴリル。そんなモッド・サンも一緒に来日しており「盛り上がっていくぞ!」と威勢よく登場。ここでは2人のコラボ楽曲「Flames (Feat. Avril Lavigne)」が届けられた。モッド・サンはステージを駆け巡り、パワフルな歌声で会場を盛り立てていった。

 アヴリルが「手を挙げて!」とお願いすると「Here’s to Never Growing Up」へ。今回の公演は撮影や声出しなどが許可されており、オーディエンスは最低限のマナーを守りながら、フリーにライブを楽しんでいる様子だった。ここでは「Oh whoa, oh whoa, here’s to never growing up」という歌詞をオーディエンス全員で合唱し、会場に一体感が生まれていった。

 アヴリルが一回退場すると、重厚なEDMサウンドが身体の芯まで響く「Hello Kitty」が流れ始める。バンドメンバーもエネルギーを溜めていくように烈しくアンサンブルを奏でていく。そして、再び登場したアヴリルの「1、2、3、4!」というカウントから一気に解放した「Girlfriend」。メロディーのリズムに合わせたクラップが会場に鳴り響き、ライブの熱は最高潮に達した。

 「今年は本当に最高。母国のカナダをツアーしたり、友人のマシン・ガン・ケリーと一緒にツアーを周ったり、新たな音楽を新アルバム『Love Sux』という形でリリースできたり、そしてなにより、こうやって日本でツアーができる!」と全身から喜びが迸るアヴリル。終盤ではそんなマシン・ガン・ケリーと一緒に作った「Boys Lie」も届けられた。「みんな最高!」と叫び、イントロにアレンジが加わった「Sk8er Boi」へ。アクセル全開でパフォーマンスし、本編が締め括られた。

 盛大な拍手に迎えられてスタートしたアンコール。ここでは本編のアグレッシブな楽曲たちとは一転して、しっとりとした楽曲がセレクトされた。荘厳な雰囲気のSEが会場を包み込んでいく中始まった「Head Above Water」。日本語で“持ち堪える”という意味の通り、アヴリルの闘病生活の様子が綴られた楽曲だ。時に強く、時に優しく歌声を変えながら歌い上げていく。そして「Amazing time!/素晴らしい時間でした!」と言葉を残し「I’m with You」を投下。アヴリルは天高く拳を突き上げ、颯爽とステージを後にした。

 約70分というライブは刹那に感じたが、とても濃密なものだった。近い将来、パワーアップして再び来日公演をしてくれるに違いない。それまで楽しみに待とう。

Text by Tatsuya Tanami
Photo by MASANORI NARUSE(11月7日横浜公演)/KAZUMICHI KOKEI(11月10日東京公演)

◎公演情報
【Avril Lavigne Love Sux TOUR 2022 JAPAN】
2022年11月7日(月)
神奈川・パシフィコ横浜 国立大ホール
2022年11月9日(水)
東京・東京ガーデンシアター
<セットリスト>
M1.Bite Me
M2.What The Hell
M3.Complicated
M4.My Happy Ending
M5.I’m A Mess
M6.Losing Grip
M7.Flames
M8.Love It When You Hate Me
M9.Here’s to never growing up
M10.Hello Kitty
M11.Girlfriend
M12.Bois Lie
M13.Sk8er Boi
<アンコール>
E1.Head Above Water
E2.I’m With You

2022年11月10日(木)
東京・東京ガーデンシアター
2022年11月12 日(土)
愛知・名古屋 Aichi Sky Expo (愛知県国際展示場) Aホール
2022年11月14 日(月)
大阪・インテックス大阪6号館


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