マネスキン、【2022 MTV VMAs】での検閲は“ロック・バンドや女性に対する偏見”であると批判

　イタリアのロック・バンド、マネスキンが、今年8月に開催された【2022 MTVビデオ・ミュージック・アワード】（VMAs）でのパフォーマンス中に、メンバーが衣装トラブルに見舞われた時の映像が検閲されたことを、2022年10月31日に公開された英NMEのインタビューで批判した。

　【MTV VMAs】では、バンドが米ビルボードの“Alternative Airplay”チャートでNo.1を獲得したヒット曲「スーパーモデル」をパフォーマンスしていた際に、ベーシストであるヴィクトリア・デ・アンジェリスの衣装がはだけてしまい、胸が露出してしまった。生放送は彼女からステージ全体の広角撮影に切り替わった。

　英NMEのインタビューでヴィクトリアとフロントマンのダミアーノ・デイヴィッドは、この検閲にバンドとして大きな失望を感じたと話している。ダミアーノは、「ロック・バンドや女性に対する偏見がまだまだたくさんあることを示しています。取り組むべきことはたくさんありますし、僕たちは自分の役割を果たそうとしています」と述べた。

　授賞式の生放送では、ヴィクトリアの胸がはだけた瞬間にカメラが急いでステージから空席のある場所にパンした。その直後、彼女は会場のファンのいるピットに降り、パフォーマンスを続けた。

　インタビューで彼女は、「悲しいことではありますが、人々がそれについて話して考えることは良いことです。こうやって人の体をコントロールして検閲しなければならないのはバカみたいです」と語っている。

　【2022 MTV VMAs】が開催された1週間後の9月6日に、MTVはマネスキンのパフォーマンスの検閲を若干緩めた“復元版”を公開した。このヴァージョンではヴィクトリアの胸元がぼかされているものの、衣装の不具合の状況は残されている。