トラヴィス来日公演2022のハイライトシーンTOP5

2022年10月31日 / 18:00

(okmusic UP's)

アルバム再現ライヴを観てきました。コロナ以降、日常ではなくなってしまっていた外タレの来日公演でしたが、超満員の外タレ単独公演を観るのは実に3年振り。この日のライヴによって長らく止まっていた時が動き出し、ようやく“元に戻ってきた”感を得られ、今も余韻に浸っています。あぁ、幸せ。というわけで今回はあまりに素晴らしかった公演のハイライトをピックアップ!
「Flowers in the Window」(’01)/Travis

今回最も注目していたのはトラヴィス作品の中でも高い人気を誇る「Flowers in the Window」。過去のインタビューで、レコーディング時のアレンジは本来思い描いていたものと違ってしまっていたと明言しているとおり、かれこれ15年以上彼等のライヴに通っていますが、毎回アコギのみ、あるいはカホーンなどを用いたアコースティック編成のみで、バンドアレンジでの演奏を一度も聴いたことがありませんでした。今回のツアーは3rdアルバム『The Invisible Band』の再現ライヴとヒット曲群の2部構成で、前半はアルバムが曲順通りに、アレンジもまた忠実に再現されるという誠実な彼等らしい展開だったので、今回初めてこの名曲をオリジナルバージョンで聴くことができたのが一番のハイライトでした。
「Writing to Reach You」(’99)/ Travis

2部の1曲目に披露されたのは、2ndアルバム『The Man Who』に収録されている「Writing to Reach You」。以前からオアシスの「Wonderwall」とコード進行が同じであるという逸話のあった曲ですが、今回フランがそのパクり事件の真相や、ノエル・ギャラガーとのやりとりを赤裸々に語り、さらには途中「Wonderwall」の演奏も交えるなど、大サービスのオンパレードで会場を大いに沸かせました。ちなみにトラヴィスとオアシスの関係はというと、90年代後半のオアシス全盛期にトラヴィスが前座を務めてツアーを回った仲。当然、フランはオアシスへのリスペクトを何度も語っていますし、ノエルからのクレームも受けたことがないとか。きっとノエルが認めた相手だったからでしょうね。
「The Humpty Dumpty Love Song」 (’01)/Travis

経歴が長ければ長いほどリリース期から外れると演奏されなくなる曲も多くなるもの。25年の活動を誇るトラヴィスはロックバンドとされながらも静かに寄り添い優しく語りかける作品も多く生み出してきたユニークさが魅力ですが、この美しい曲「The Humpty Dumpty Love Song」も二度と聴くチャンスはないかもしれないと思っていただけに、今回の再現ライヴで聴くことが叶うこととなり喜びもひとしおでした。また、曲前に語られた、この曲のMV監督でもあった同い年の友を失って初めて自分で書いたこの曲の歌詞の本当の意味を理解したというフランの言葉も相まって、失った人やものへの愛しさへの理解には時間の経過や音楽が手助けとなることを再認識したのでした。
「Follow the Light」(’01)/Travis

今回のライヴではフランによる曲解説が曲毎にあり、制作時のことや曲が生まれた背景などを知る機会に恵まれたのですが、それはフラン・ヒーリーという個人の人柄の良さや音楽に対する真摯な姿勢、それを受け取るオーディエンスへのリスペクトと感謝が伝わるものでもありました。特に「真っ暗闇であったとしても、ほんの小さな光が見えさえすれば前へ進める」という言葉が印象深く、この曲の歌詞ではその言葉のとおり、もし道に迷ったとしてもひと筋の光を追いかけていく意思が示されています。コロナ禍により、これまで以上に先行きが不安な今だからこそ希望を捨てずに、自分にとっての光を見つけ出す力を常に持っていたいと勇気づけられるパフォーマンスでした。
「U16 Girls」(’97)/Travis

ラストから2番目に演奏された「U16 Girls」は、前曲の「Why Does It Always Rain on Me?」からの流れもあって、この日最高潮の盛り上がりでした。というのも、アッパーなロックチューンで勢いのあるコーラスが印象的なこの曲は2ndシングルのわりに長年演奏されておらず、私自身ロンドンで彼等のライヴを初めて観た時に聴いた以来でしたので大いに楽しみました。タイトルにある“U”とは“Under”、つまり16歳以下の少女という意味。スコットランドでは16歳以上は成人なので女の子とつき合う前には16歳未満かを確かめなきゃいかんぞという教訓が歌われています。フランも曲前にチラっと話していましたが、あの頃は若かった的なノリで盛り上がれるのはライヴの良さですね。
TEXT:早乙女‘dorami’ゆうこ

早乙女‘dorami’ゆうこ プロフィール:栃木県佐野市出身。音楽を軸に、コンサート制作アシスタント通訳、音楽プロモーション、海外情報リサーチ、アニメや人形劇の英語監修及び翻訳、音楽情報ウェブサイトにて執筆。


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