【米ビルボード・ソング・チャート】サム・スミス&キム・ペトラス首位獲得、リル・ベイビーTOP10に3曲送り込む

2022年10月25日 / 11:30

 サム・スミス&キム・ペトラスの「アンホーリー」が両者初の首位を獲得した、今週の米ビルボード・ソング・チャート。

 先月9月22日にリリースされた「アンホーリー」は、10月8日付で3位に初登場した後、翌15日に2位に上昇し、先週同位をキープして今週登場4週目で1位に到達した。

 今週の集計期間中(10月14日~20日)ストリーミングが9%増加の2,530万回、エアプレイが40%増加の2,150万回、セールスは60%増加の19,000にそれぞれ上昇し、ストリーミングとセールスの両チャートでは4週連続の首位を獲得した。エアプレイ・チャートでは、前週の44位から25位に大きく順位を上げている。

 ストリーミング・ソング・チャートとデジタル・ソング・セールス・チャートで初登場から4週連続首位を獲得したのは、2015年11月~12月にアデルの「ハロー」が同4週を記録して以来、約7年ぶりとなる。

 今週各ポイントが急増したのは、14日にライブ・バージョンとインストゥルメンタル・ バージョン、ディスクロージャーによるリミックスが、17日にアークレイズによるリミックスがリリースされたため。これまでは、リリース前の8月にTikTokでバイラルを起こし、9月30日にはミュージック・ビデオを公開してプロモーションに繋げている。

 同曲で通算20曲目のエントリーを果たしたサム・スミスだが、これまでの最高位は2014年の大ヒット曲「ステイ・ウィズ・ミー」が獲得した2位で、首位獲得は意外にも初のタイトルとなる。コラボ相手のキム・ペトラスも、自己最高位にして初の首位を獲得した。

 サム・スミスはノンバイナリー、キム・ペトラスはトランスジェンダーであることを公言しているが、Hot 100でノンバイナリーとトランスジェンダーのアーティストが首位を獲得したのは「アンホーリー」が初の快挙。

 発売元のキャピトル・レコードとしては、2019年11月2日付から通算3週をマークしたルイス・キャパルディの「サムワン・ユー・ラヴド」以来約3年ぶり、キャピトルが傘下のEMIとしては、EMF(イー・エム・エフ)の「アンビリーバブル」がトップに立った1991年7月以来、約31年ぶりの首位獲得曲となる。なお、EMIからは同91年5月にもロクセットの「ふたりのときめき」が1位に輝いた。TOP10入りは、1月に最高7位を記録したエルトン・ジョン&デュア・リパの「コールド・ハート(プナウ・リミックス)」、9月に最高6位をマークしたエルトン・ジョン&ブリトニー・スピアーズの「ホールド・ミー・クローサー」に次ぐ2022年3曲目のタイトルとなる。

 また、サム・スミスは英国出身のアーティストとしてもグラス・アニマルズの「ヒート・ウェイヴス」、ハリー・スタイルズの「アズ・イット・ワズ」次ぐ今年3曲目のNo.1タイトルを獲得した。なお、サム・スミスは英ロンドン出身だが、キム・ペトラスはドイツ出身のアーティストなので、この記録はサム単独のものとなる。イギリス出身のアーティストが1年で3曲以上首位を獲得したのは、6曲を輩出した1989年以来33年ぶりで、彼らが大活躍を遂げた80年代には1985年に13曲が1位を獲得したこともある。

 Hot 100の首位獲得記録としては更新されないが、「アンホーリー」の歌詞に登場する歌手のリアーナは、ザ・ビートルズ(20曲)、マライア・キャリー(19曲)に続く史上3番目の14曲が1位を獲得している。

 スティーヴ・レイシーの「バッド・ハビット」は今週2位にダウンしたが、エアプレイは9%増加の4,700万回、ストリーミングは2%増加の2,050万回にそれぞれ上昇していて、セールスも前週ほぼ同率の2,000をキープした。ジャンル別では、ロック&オルタナティブ・ソング・チャート、ロック・ソング・チャート、オルタナティブ・ソング・チャートでそれぞれ9週目、R&Bソング・チャートとR&B/ヒップホップ・チャートではそれぞれ8週目の首位をキープして、5つのチャートで1位を獲得した初のタイトルを7週目に更新している。

 ハリー・スタイルズの「アズ・イット・ワズ」は今週も3位をキープして、初登場した4月16日付から今週10月29日付まで29週間連続でTOP3にランクインするという歴代最長記録を更新した。また、エアプレイ・チャートでは今週6,140万回(1%増加)を記録して10週連続で首位をキープしている。

 今週のアルバム・チャート“Billboard 200”で1位に初登場したリル・ベイビーの新作『イッツ・オンリー・ミー』から以下の3曲がTOP10にランクインして、リル・ベイビーはTOP10入りしたタイトル数を通算13曲目に更新した。4位にデビューした「カリフォルニア・ブリーズ」は、ラップ・ソング・チャートで自身初の首位を獲得している。

4位「カリフォルニア・ブリーズ」
8位「フォーエヴァー feat. Fridayy」
10位「リアル・スピル」

 TOP10にデビューした3曲は、ストリーミング・チャートでもそれぞれTOP5に初登場している。

2位「カリフォルニア・ブリーズ」 (2,320万回)
3位「フォーエヴァー feat. Fridayy」 (1,990万回)
5位「リアル・スピル」 (1,910万回)

 「フォーエヴァー」のゲストにクレジットされているFridayyは、先月9月17日付で最高17位を記録したDJキャレドの「ゴッド・ディド feat. リック・ロス、リル・ウェイン、ジェイ・Z、ジョン・レジェンド&Fridayy」に続く2曲目のランクインで、TOP10入りは初のタイトルとなる。

 TOP10は、その他ポスト・マローンの「アイ・ライク・ユー(ア・ハピアー・ソング)with ドージャ・キャット」が先週の4位から5位にダウンして、ワンリパブリックの「アイ・エイント・ウォーリード」が6位をキープ。モーガン・ウォレンの「ユー・プルーフ」は5位から7位に順位を下げたが、カントリー・ソング・チャートでは10週目の1位をマークしている。9位は、先週の8位からニッキー・ミナージュの「スーパー・フリーキー・ガール」がダウンした。

Text: 本家 一成

※関連リンク先の米ビルボード・チャートは10月28日以降掲載予定となります。

◎【Hot 100】トップ10
1位「アンホーリー」サム・スミス&キム・ペトラス
2位「バッド・ハビット」スティーヴ・レイシー
3位「アズ・イット・ワズ」ハリー・スタイルズ
4位「カリフォルニア・ブリーズ」リル・ベイビー
5位「アイ・ライク・ユー(ア・ハピアー・ソング)」ポスト・マローン with ドージャ・キャット
6位「アイ・エイント・ウォーリード」ワンリパブリック
7位「ユー・プルーフ」モーガン・ウォレン
8位「フォーエヴァー」リル・ベイビー feat. Fridayy
9位「スーパー・フリーキー・ガール」ニッキー・ミナージュ
10位「リアル・スピル」リル・ベイビー


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