MIMIZUQ、結成4周年記念ワンマンのライブレポートが到着

2022年7月12日 / 20:00

6月18日@渋谷PLEASURE PLEASURE (okmusic UP's)

“ナミダミュージック”をコンセプトに活動してきたMIMIZUQに、シンガーソングライターの森 翼が新ヴォーカルとして加入して1年。コロナ禍に怯むことなく活動を続け、6月18日に渋谷PLEASURE PLEASUREで、『MIMIZUQ 4th Anniversary ONEMAN LIVE MIMIZUQと時巡りの列車 MONSTER GIRL in the Child Room』を開催した。最新デジタルシングル「Child Room」リリース時に口にし始めた“シアトリカルポップ”という彼らの音楽が、この舞台でどのように披露されたのか、ぜひお伝えしたい。

開演時刻を過ぎ、真っ暗闇のステージにポツポツと灯りが見え始める。手に手に灯りを持った楽器隊の3人が周囲をうかがいながら登場してくる、おなじみのオープニング。会場の空気は一変し、彼らの音楽の舞台である森へといざなわれた。彼らのライヴは耳で楽しむだけではない。目で見て、その世界を体感する、言わばアトラクション型のエンターテインメントだ。

最後に森 翼がステージに姿を現したところで、1曲目はインストゥルメンタルの「numbers」。どっしりと力強いリズムに、森 翼の吹くハーモニカが切なく重なる。意表をつきながらも、堂々たる幕開け。会場全体の空気が引き締まるのを感じる。そこへ、“あの空の向こう側は何色だろう”。森 翼が「孵化」を歌い始めた。それは未来を夢見る誕生前の誰かの言葉。森 翼がMIMIZUQに加入後、まさに“孵化”するように再び歩みを進め始めた彼らと重なる。

「鎮む森に降る慈しみの雨」「Piggyback」と、ドラマチックにエモーショナルに、曲ごとに異なる感情を響かせる。色合いは違ってもどれも切なさに彩られた感情だ。MMIZUQの個性をいかんなく発揮し、申し分ない滑り出しを見せた。
ここで、森 翼による車内放送を模したナレーションが流れる。現在の彼らの作品テーマは、『時巡りの列車』。観客は時巡りの列車に乗車し、人生のさまざまな場面を訪れながら時間の流れを旅していく。今日は、子供部屋へと案内されるようだ。ステージが明るくなったところへ、4人が風船と大きなプレゼントボックスを抱えて登場した。

誕生日を迎えた少女の子供部屋にふさわしく、にぎやかに「Secret Parade」が始まると、辺りはハッピーな空気に包まれる。楽器隊の3人は仲良く踊り、森 翼も先ほどまでの佇まいから一転、幼い子供に返ったような空気感をまとっている。かと思えば、MCではアコギを片手にメンバーの名前を盛り込んだ即興ソングを歌い、会場を湧かせる。続く「MONSTER GIRL」は、この子供部屋の主である少女が主人公の曲。毒のあるかわいらしさでステージをさらに明るくカラフルに染め上げた。

暗転し、場面を切り替えて始まった「夏の夕立、水深300メートル」からの3曲は、“ナミダミュージック”そのもののような切なさに満ち満ちていた。森 翼の声は、水の中を通過できそうな特別な力を持ち、心の中までも浸透してくる。「涙の成分」では、4人がひとつの感情を実感しながら、音に声にその思いを注ぎ込む。聴く者の感情はたかぶり、心が奪い去られそうだ。4年前、バンドの始まりと同時に耳にした「ずっと好きでした」は、甘酸っぱい、とっておきの切なさを運んできてくれた。
「いい感じやね」と、森 翼も少しリラックスした様子。さらに新曲「ハイレフルラリレホー」も初披露とは思えない盛り上がりを見せ、クライマックスに向けてますます、といったところでベーストラブル発生。どうなることかとヒヤッとしたものの、それは杞憂だった。seekが一度ステージ袖へ戻ったところで、まるで予定されていたかのように自然にpocoがリズムを叩き出す。そこへAYAが加わると、MIMIZUQでは聴かせないメタル色の強いリフで二人のアドリブが展開する。そのヴィジュアルはもちろん、今日のライヴをはじめ、作り込んだ世界観で楽しませる彼らだが、ロックバンドならではの魅力も存分に持ち合わせている。突然のハプニングさえも味方にし、彼らの力量をおおいに発揮する貴重なシーンとなった。
再びステージに現れたseekが「行くぜ、東京!」と叫び、「東京INVADERS」が始まる。スリリングな空気感からは、彼らの裏の顔が顔をのぞかせるよう。「PINKY PUNKY PARTY!!」では森 翼が旗をダイナミックに旗を振りかざし、元気いっぱい大暴れする。にぎやかにはっちゃける場面も、MIMIZUQのライヴになくてはならない。

森 翼が、「ありがとうMONSTER GIRL、さよならChild Room」とつぶやく。少女にかわいがられたおもちゃが子供部屋を離れるときが来たようだ。始まったのは、もちろん「Child Room」。デジタルシングルではアレンジャーを入れて、すべて打ち込みで制作した曲だが、今日は4人で演奏。耳に新鮮な印象を残した。

「おやすみ」という森 翼の囁きで暗転すると、ミミズクの鳴き声が流れ出す。照明がともると、ステージは子供部屋から再び森の中へと戻っていた。夢を見ていたかのような気持ちが現実へと戻り、流れ出すのは「Grand Guignol」。“物語の終わりはね 必ずやってくるんだ”という歌詞に込められた普遍的で絶対的な悲しさは、それゆえに美しく、この日のライヴを締めくくった。
アンコールでは、この4人では初となる東名阪ツアーを発表し、4周年の節目を越えてますます前へ突き進んでいく姿勢を示すと、森 翼加入後、初めてリリースした記念すべき「Tic-Tac」をプレイ。初めてライヴでこの曲を聴いたとき、彼らの持つ可能性の途方もなさに心底驚いたことを覚えている。そしてこの夜、ものすごいスピードで彼らが成長を続けていることを改めて実感した。

最後に演奏された「NUMBERS」は、オープニングを飾ったインストゥルメンタルの「numbers」に歌をプラスした別ヴァージョン。ヴォーカル不在のときに生まれた「numbers」が、森 翼を迎え、「NUMBERS」としてこの日の最後を飾るというドラマチックな演出に、驚きと感動でいっぱいになった。

MIMIZUQというバンドは、ストーリーを紡ぎ、その世界を描き、そこにあふれる感情を伝えるコンセプチュアルなバンドである。同時に、メンバーの脱退を乗り越え再スタートを切った、自分たち自身のドラマもきっちりと音楽として表現する生粋のロックバンドでもある。豊かな才能とキャリアを持つメンバーが集まったからこそ実現可能な彼らのスタンスは、まだまだ可能性を秘めている。そんな思いをさらに更新した夜となった。

Text by Miyuki Murayama

Photo by 田中伸二(Luz-p.o.)
『MIMIZUQと時巡りの列車 〜Tsuki to Bouenkyou〜』

9月24日(土) 大阪・アメリカ村 BEYOND

OPEN 17:00 / START 17:30

10月16日(日) 東京・月見ル君想フ(青山)

OPEN 18:30 / START 19:00

10月23日(日) 愛知・名古屋HeartLand

OPEN 17:00 / START 17:30

■オフィシャルホームページ最終先行受付

抽選エントリー期間:7月12日(火)19:00 〜 7月24日(日)23:59

https://eplus.jp/mimizuq22hp/

■受付券種

前売¥5,500(税込/別途ドリンク代)

※本先行受付は抽選受付になります。
『ACOUSTIC&TALK LIVE「秘密の森」』

9月23日(金) 大阪・茨木マリアナカフェ

10月15日(土) 東京・阿佐ヶ谷LOFT A

10月22日(土) 愛知・名古屋鑪ら場

発売日:8月21日(日)10:00〜
配信シングル「Child Room」

■配信リンク

https://nex-tone.link/A00099483


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