2022年6月17日、東京・秋葉原に、“箱代完全無料”（＝会場使用料無料）のライブバー『LiveCafe ＆ Bar テイア』がプレオープンした。
ライブを中心に活動するアイドルにとって、ライブイベントは知名度をあげてファンを獲得する絶好の機会。しかし、駆け出しのアイドルにとって、一度に数十万円かかるライブハウスなどを自分で借りて、イベントを成功させるのはハードルが高い。アイドルの誕生日を祝う「生誕祭イベント」などのワンマンイベントも、その敷居の高さから、なかなか開催できない状況にある。
そこで、走行するバスの中で歌やダンスの公演を行える移動式ライブハウス「ライブバス」の制作・運行などを行う株式会社フレッサは、アイドルが気軽にイベントを開催できる場を作りたいという思いから、“箱代完全無料”のライブバー『LiveCafe ＆ Bar テイア』を秋葉原にオープンした。アイドルは、『LiveCafe ＆ Bar テイア』のステージを無料で使い、ライブやファンとの交流イベントを行うことができる。来場者は、3,300円（税込）の飲み放題でライブを鑑賞することができ、そのドリンク代が『LiveCafe ＆ Bar テイア』の収益となる。
オープン前日の17日には、マスコミ関係者向けのプレオープンイベントが開催され、ソロアイドルの佐藤汐と、バブリー系エンタメロックバンド・ジュリアナの祟り（a.k.aエナツの祟り）が特別ライブを開催し、同店のオープンを祝った。終了後、ジュリアナの祟り（a.k.aエナツの祟り）のメンバーたちは、「コロナで、小さなライブハウスからどんどんつぶれて行ってしまったのですが、ライブができる場所が増えることは僕たちアーティストにとって、とても嬉しいです」と喜びを語った。
“箱代完全無料”については、「僕たちには、『そのまんま祟り』という、走り始めの弟子ユニットがいるのですが、そういう駆け出しユニットにとって、すごくメリットがあると思います。僕たちのときは、こういった場所はなかったので、すごく“アーティストファースト”だなと思いました」とも。「コロナで思うように活動できない時期もあったのですが、最近は、思うように活動することができ始めています。新規のお店もオープンしますし、ライブ界隈をこれからどんどん盛り上げていきたいです」と目を輝かせた。
また、フレッサの谷淳也代表取締役に話を聞くと、「ライブハウスは、秋葉原にも、渋谷にも、新宿にもたくさんありますが、テイアは、ライブハウスのライバルになることはありません。テイアは、デビューしたばかりのアイドルさんが、たとえたくさんのファンを集めることができなくても、ワンマンライブを開催できるお店です。アイドルさんも、テイアでのライブを通してファンの方を増やし、ライブハウスにどんどん進出していってほしいです」と語る。
そんな谷代表取締役だが、コロナ禍の苦しい時期から、同店のオープンを考えていたそう。「コロナのときに、解散したり、卒業したりするアイドルさんをたくさん見てきました。活動する場所がないと、アイドルの運営はできませんし、アイドルさんたちも、知ってもらえる機会がありません。秋葉原は、コロナで人が減って寂しい時期が2年ほど続いたので、ライブハウスでは実現することができない“箱代無料”でライブができる場所を、絶対に、サブカルチャーの発信地である秋葉原に作りたいと思いました」と胸中を言葉に。
そんな秋葉原だが、人出は増えて、賑わいは戻りつつあるそう。谷代表取締役は「コロナのときはお店が閉店していたのですが、ここ最近は閉めるお店もなく、人は戻ってきています。今年は秋葉原を完全復活させたいですし、間違いなく、すると思います」と声を弾ませる。外国人観光客はまだ秋葉原に戻ってきていないそうだが、「外国人の方が戻って来るにはまだ時間がかかるかもしれませんし、海外の方はまだ日本に来られないかもしれませんが、また、戻ってくるとは思います。オタク文化で、秋葉原の街をしっかり守っていきたいです」と使命感を覗かせつつ、期待に胸を膨らませた。
■Live cafe & Bar テイア
東京都千代田区外神田4丁目4−3 小木曽ビル6F