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今こそ聴きたいオキナワン・ラウド5曲

今こそ聴きたいオキナワン・ラウド5曲 (okmusic UP's)

桜も散ってしまい、気温もどんどん温かくなってきました。Tシャツ一枚でもオッケーの夏日みたいな日が来たかと思えば、雨が降ってグッと気温が下がったりと、まだまだ油断はできません。とはいえ、過ごしやすい日が多くなってきたのも事実。ということで、今回は温かくなった気候にこじつけて、沖縄発の音楽を取り上げたいと思います。春を通り越して、灼熱の夏気分を味わえるエネルギッシュな音楽を聴き、身も心も熱くなり、免疫力を高めましょう!
「Modern Bleed」(’22) /ulma sound junction

沖縄県石垣島出身の4人組が今年メジャーデビューを果たした。バンド名に刻まれている“ulma=サンゴの島”という意があり、沖縄らしさを感じせるネーミングセンスです。しかし、実際の楽曲に関しては琉球音階など、いかにも沖縄っぽいテイストを入れているわけではありません。海外のMESHUGGAH、SIKTH、DREAM THEATERなどを彷彿させるラウド/プログレ色の強いヘヴィミュージックで、久しぶりに沖縄から出てきたエッジの効いたバンドと言えるでしょう。テクニカルに攻める楽器陣のアプローチも聴きどころですが、サビになると一気にキャッチーな歌メロが飛び出し、練り込まれた曲調にも引き込まれます。4月に出たばかりのメジャー1stEP『Reignition』は必聴!
「ウンコ哲学」(’14)/地獄車

90年代の沖縄インディーズラウドを語る上で、地獄車はハズせない。LARRY(GARLICBOYS)がハウリング・ブルのレーベル内レーベル「ROTTEN ORANGE」を立ち上げ、彼らはそこから作品をリリースした。音楽的にはこの曲名からも分かる通り、GARLICBOYSやKCHC(柏シティハードコア)を名乗るヌンチャクの影響を色濃く受け、独自のセンスを貫くユーモラスな日本語詞で歌い上げている。見た目もサウンドも強面路線だが、ツッコみどころ満載のファニーさも備えたバンド。幾度とメンバー交替を経験しつつ、現在も活動中だ。
「男一直線」(’00)/Bleach

90年代後半にデビューしたBleachも忘れられない。沖縄を代表する3人組のガールズバンドで、男勝りのハードコアサウンドで度肝を抜いた。芯の強さを感じさせるカンナ(Vo&Gu)のハイトーンヴォイス、バキバキのベース・フレーズを叩き出すミヤ(Ba)はデス声を放ち、爆発力漲るヘヴィネスを信条にしていたバンドだ。音楽性は変えぬまま、早々とメジャーデビュー。ニューヨークのCBGBや全米ツアーなど海外でも精力的にツアーを行なっていたけれど、残念ながら09年に解散してしまった。
「HIGH FIVE!!」(’12)/ROACH

03年に結成され、今も活動している沖縄産のメタルコアバンド。彼らは特に琉球音階などを前面に押し出しているわけではないが、taama(Vo)の歌い回しはどこかオリエンタルメロディーにあふれ、屈強なサウンドの中で存在感を放っている。基本的にライヴはモッシュ&ダイブが起きる激しいライヴが多いものの、優しさや癒しに満ちた聴かせる要素もふんだんに取り入れているところも魅力的。この曲はライヴでもピースフルな空気で観客を包み込む明るいパーティーチューンだ。ぜひチェックを!
「Double Dealing Woman」(’76)/紫

最後はオキナワンラウドというより、沖縄ロックの草分け的である紫を紹介したい。時代は一気に70年代に遡る。バンド名でも分かる通り、“沖縄のDEEP PURPLE”の異名を取る彼ら。3歳からピアノを習っていたというジョージ紫(Key)はアメリカに行った際、DEEP PURPLEの音楽に衝撃を受け、バンドを結成。キーボード奏者を含む本格派のバンドとして活動し、米兵相手に爆音のハードロックをライヴハウスで鳴らしていた。そして、76年に1stアルバム『MURASAKI』で鮮烈なメジャーデビュー。未だに“沖縄ロック=紫”という認識を持つ人は多い。それほど衝撃的なバンドであったし、今聴いてもまったく古臭さは感じない。
TEXT:荒金良介

荒金良介 プロフィール:99年からフリーの音楽ライターとして執筆開始。愛読していた漫画『ジョジョの奇妙な冒険』(登場人物に洋楽アーティスト名が使用されていたため)をきっかけに、いきなりレッド・ツェッペリンの音源を全作品揃える。それからハード・ロック/ヘヴィ・メタルにどっぷり浸かり、その後は洋邦問わずラウド、ミクスチャー、パンクなど、激しめの音楽を中心に仕事をしてます。趣味は偏ってますが(笑)、わりと何でも聴きます。

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