TK from 凛として時雨、ワンマンライブ『feedback from』のレポートが到着!

2022年4月8日 / 14:00

『feedback from』2022年4月5日 at TOKYO DOME CITY HALL (okmusic UP's)

 4月5日、TK from 凛として時雨がワンマンライブ『feedback from』をTOKYO DOME CITY HALLで開催した。昨年ソロデビュー10周年を記念したベストアルバム『egomaniac feedback』をリリースした以降も、TVアニメ『東京喰種』のテーマ曲として海外人気も高い“unravel”のSpotifyでの再生回数が2億回を突破し、さらに3月にはB’zの稲葉浩志をゲストボーカルに迎えたシングル『As long as I love / Scratch(with 稲葉浩志)』を発表と、話題に事欠かない中で行われたこの日のライブは一連のタームを締め括るものであり、“Scratch”の歌詞のように、観るものに深い傷跡を残すようなライブとなった。

 開演時刻を過ぎるとSEが流れ出し、天井から吊るされた大小の短冊形の紗幕に映像が投影され、サポートメンバーの吉田一郎不可触世界(ベース)、須原杏(ヴァイオリン、シンセサイザー)、和久井沙良(ピアノ)、BOBO(ドラム)とともにTKがステージに姿を現すと、一曲目に披露されたのはいきなりの“As long as I love”。歌とギターのユニゾンによるイントロから始まり、同期で流される稲葉の歌声と生のTKの歌声がヘヴィなバンド演奏のなかで折り重なっていく様は実にスリリングだ。先日TVの音楽番組でB’zの“BAD COMMUNICATION”をカバーし、そのハイトーンボイスとテクニカルなギタープレイで「一人B’z」と話題を呼んだが、そのスキルはあらためて驚異的である。

 ライブ用にリアレンジされ、しっとりした歌とヴァイオリンで始まる序盤が印象的な“will-ill”、アコースティックギターに持ち替えての“flower”は紗幕が下がったまま、映像演出とともに楽曲を魅せていったが、“flower”の間奏でエレキギターに持ち替えたところで紗幕が上がり、メンバーの姿がはっきり現れると、ここから“Abnormal trick”、“Crazy Tampern”といったBPMの速い曲を連発。こういった曲ではTKの演奏はもちろん、吉田とBOBOの手数多いアグレッシブなプレイも非常に際立つ。もう一度紗幕を下げて演奏された“phase to phrase”は、ギターとピアノが幾何学的なループフレーズで掛け合い、スピーディーに切り替わる映像も加わって、トランシーな高揚感が感じられた。

 音数を絞ったリズムのアレンジが異彩を放つ“Addictive Dancer”、リリックをフィーチャーした映像が用いられた“Showcase Reflection”、さらにはネットシーン発のシンガー・りぶに楽曲提供した“unforever”のセルフカバーというレアな演奏が続くと、ピアノとヴァイオリンによるクラシカルなイントロが特別なムードを醸し出す“鶴の仕返し”へ。ジワジワと曲が盛り上がり、後半でのTKの絶唱は何とも心に刺さるものがある。そして、ライブ後半では疾走感のある4つ打ちの“Fantastic Magic”、プログレッシブな大曲“film A moment”といったライブでの定番曲を続け、クライマックスを作り出していく。

 「最後にもう一曲」と言って、本編ラストに披露されたのは“tokio”。ギターを置き、椅子に腰を掛けて、美しいアンビエンスとピアノとともに、振り絞るように歌うTKの姿に目と耳と心を奪われる。ベストアルバムではmilet、阿部芙蓉美、UNISON SQUARE GARDENの斎藤宏介、そして、最新シングルでは稲葉浩志と、これまで数多くのボーカリストとコラボレーションを行い、そこで得た強烈なフィードバックがこの曲でのTKの歌には反映されているかのよう。<変わり果てた時代だなんて 変われもしない僕には まだ言えもしないな>という、今の時代に響く歌詞も含めて、深い感動を呼ぶ名演だった。

 アンコールでは「自分が作った罠に陥りながら、自分と戦っているところをみなさんに観ていただいている次第ですが、こうやって自分の中に堕ちていく人もいるんだなと思いながら、みなさんも明日から頑張ってください」と、“Scratch”の歌詞を用いながらTKらしい言い回しでメッセージを伝え、稲葉と最初に作った一曲である“Scratch”を披露。壮大なスケールのバラードに大きな拍手が贈られると、ここから“unravel”を畳み掛け、やはりこの曲はサポートメンバーも含めてスイッチが入るのか、全員が体を揺らしながら楽曲のグルーヴを作り上げていく。最後はアッパーな“P.S. RED I”で締め括り、アウトロでTKが投げ捨てたギターのフィードバックノイズが鳴り響く中、濃厚な一夜が幕を閉じた。

撮影:岡田貴之/文:金子厚武

<セットリスト>

『feedback from』

2022年4月5日 at TOKYO DOME CITY HALL

01. As long as I love

02. will-ill

03. flower

04. Abnormal trick

05. Crazy Tampern

06. phase to phrase

07. Addictive Dancer

08. Showcase Reflection

09. unforever

10. 鶴の仕返し

11. Fantastic Magic

12. film A moment

13. tokio

-ENCORE-

EN1. Scratch

EN2. unravel

EN3. P.S. RED I


音楽ニュースMUSIC NEWS

AKB48、ニューシングルを7月リリース 選抜メンバーは公式SNSにて順次発表

J-POP2024年5月1日

 AKB48が、2024年7月17日にニューシングルをリリースする。  64thシングルとなる今作では、初の試みとして5月1日より公式SNSにて選抜メンバーが順次発表される予定で、メンバーの一人ひとりがAKB48劇場のステージ上で“選抜入り … 続きを読む

WurtS、新曲「エヴォリューション」MV公開

J-POP2024年5月1日

 WurtSが、新曲「エヴォリューション」を配信リリースし、ミュージックビデオを公開した。  新曲「エヴォリューション」は、東京・大阪・名古屋国際工科専門職大学の新TVCMソングで、2024年5月22日にリリースされるニューEPのタイトル曲 … 続きを読む

WOLF HOWL HARMONY、“青春”コンセプトの三部作配信シングルを連続リリース

J-POP2024年5月1日

 WOLF HOWL HARMONYが、2024年5月13日より“青春”がコンセプトの三部作配信シングルを連続リリースする。  第一作目は、恋に落ちた瞬間のドキドキやワクワク、衝撃を歌ったラブソング「Pink Flash Lights」。W … 続きを読む

Tempalay、新曲「預言者」MVで現代社会に疑問を投げかける

J-POP2024年5月1日

 Tempalayが、新曲「預言者」のミュージックビデオを公開した。  新曲「預言者」は、2024年5月1日にリリースされた約3年ぶりのフルアルバム『((ika))』の収録曲。MVは、Margtがディレクションを担当し、フォーカス/視点に焦 … 続きを読む

miwa、最新アーティスト写真を公開 ツアー初日に新曲「GIRL CRUSH」先行配信

J-POP2024年5月1日

 miwaが、最新アーティスト写真を公開した。  2024年5月29日にリリースとなるニューアルバム『7th』のジャケット写真で、大胆なイメージチェンジを披露したmiwa。最新アーティスト写真にも、髪色が大きく変化したmiwaの姿が写し出さ … 続きを読む

Willfriends

page top