<ライブレポート>スガ シカオ、「Shikao & The Family Sugar」と共に奏でたファンキーな25周年記念ステージ

2022年4月7日 / 18:00

 2022年3月22日、スガ シカオのデビュー25周年を記念したスペシャルライブ【スガ シカオ 25th Anniversary Shikao & The Family Sugar Special Live at Billboard Live】がBillboard Live TOKYOで開催された。デビューから2007年まで活動していた、スガ シカオ(Vo/Gt)、森俊之(Key)、沼澤尚(Dr)、松原秀樹(Ba)、間宮工(Gt)、大滝裕子(Cho)、斉藤久美(Cho)からなるスガバンド「Shikao & The Family Sugar」が15年ぶりに復活を果たした同公演の1stステージの模様をお届けする。

 開演時間が訪れると、バンドメンバーが定位置につき、「夜明けまえ」の前奏が始まる。声を出せないオーディエンスは冒頭からクラップで盛り上がりを見せ、スガが合流すると盛大な拍手で出迎えた。アコースティックギターを弾きながら歌う彼のハスキーでどこか爽やかな声が1曲目から観客を魅了していく。

 「どんどんファンキーな曲やるぜ!」という言葉通り、パワフルで伸びやかな歌声を聴かせる「正義の味方」、ベースが牽引するダークな「JOKER」を立て続けに披露。ノスタルジックで切ない情景が浮かぶ歌詞が印象的な「夕立ち」では心地よい浮遊感を、「AFFAIR」ではセクシーな大人の情念を巧みに表現していく。一転してMCでは「今回の公演に対して気合が入りすぎて空回りした結果、サングラスを全て家に忘れ、スタイリストが東京中を駆け巡って色違いを購入した」という面白エピソードを披露し、場を和ませる。

 「日曜日の午後」では楽曲の後半でジャムセッション的な展開に突入し、パワフルなバンドサウンドを展開。曲の終わりが近づくにつれて各パートの熱量がどんどん上昇していく。そして、一緒に歌いたくなる程ノリの良さを持つ「トワイライト★トワイライト」が続いた。

 比較的楽しげな曲のあと披露されたのは1997年リリースの2ndシングル表題曲「黄金の月」。気だるげでどこかシニカルな歌唱と、同期も駆使したある種機械的なテンポ感で会場の空気がガラッとダークでシリアスなものに変わった。

 2度目のMCでは2021年12月にリリースされた『SugarlessIII』のレコーディングがきっかけで実現したという「Shikao & The Family Sugar」の復活の経緯を改めて説明。「5人でバーンと音出したらそこに世界がバーっと広がって。音の形というかムードというか」「それをもう一度届けるべきじゃないかと思って、“もう一度集まりませんか?”って呼びかけ、こうやって実現したしだいです」。再集結で改めて感じた温かみや包容力を語った上で「コロナ禍で大事なのは許すことだという思いで作った曲」という紹介で「もういいよ」へ。ギターを置き、“バンドのボーカリスト”に徹し、訴えてくるような歌詞を噛みしめながら歌っていく。そこから立て続けにLittle Glee Monsterへ楽曲提供した「ヒカルカケラ」に突入。曲が進むにつれて狂気・歪みが感じられるラブソングだが、そこに“感動”を混ぜ込むことができる表現力には脱帽だ。

 そこから、愛あるイジりを交えたバンドメンバー紹介からダンサブルな「ストーリー」へ。軽快なリズムに合わせたファンもクラップや、身振り手振りでの“疑似シンガロング”で盛り上がりを見せる。そのままなだれ込む形でスガが「こんなところでこの曲をやるのもどうかと思うけど、このメンバーでこのドラムが鳴ったらやるしかない」と語ったエロティックな「イジメテミタイ」がスタート。ロックで情熱的なステージングも相まって、会場がダークで官能的な空気感で満たされていった。

 その空気を一瞬で楽しげなものに再び変えたのが、本編ラストの「午後のパレード」。「よっしゃ行くぞー!」と演奏が始まり、ステージの後ろの幕が開き美しい夜景が顕に。ファンは着席ながらサビでのお決まりの振り付けで一体感のある盛り上がりを見せ、それに応えるようにスガもギターソロを弾きながら縦横無尽にステージを駆け巡り会場全体にアピールしステージをあとに。

 アンコールで再登場したスガは「あっという間に終わっちゃった感じ」「これで乾杯して終わりたいけど、ツーステージだから(笑)」と笑いも混ぜながらステージへの満足感を語った。「まぁ俺的には今日はこれで終了!」と宣言すると、「あまい果実」のイントロが流れ、ファンから歓喜の拍手が湧く。オールラストは2ndアルバム『FAMILY』(1998年発売)収録の「このところ ちょっと」。ノリやすい多幸感溢れるサウンドはこの日一番の盛り上がりと一体感を作り上げ、ライブは大団円を迎えた。最後にメンバーを再び紹介し、カーテンコールが行われた。スガは「25周年ガンガン行くぜ、またライブで会おうぜ!」と呼びかけ、大拍手に包まれながらステージを終えた。

TEXT:Haruki Saito
PHOTO:YUSUKE TAKAMURA

◎番組情報
ビルボードライブ東京公演のアンコール放送が決定!
3月22日に生中継されたShikao & The Family Sugarのビルボードライブのアンコール放送が決定!
【CSテレ朝チャンネル1】
2022年4月23日(土)16:00~放送

◎リリース情報
アルバム『Sugarless Ⅲ』
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