【米ビルボード・アルバム・チャート】リル・ダーク初登場1位、ゴースト/レックス・オレンジ・カウンティがTOP5デビュー

2022年3月21日 / 16:00

 米イリノイ州シカゴ出身のラッパー、リル・ダークの『7220』が『ミラベルと魔法だらけの家』を破りNo.1デビューを果たした、今週の米ビルボード・アルバム・チャート。

 本作『7220』は、2020年12月にリリースした前作『The Voice』から1年3か月ぶりの新作で、首位獲得は昨年6月のリル・ベイビーとのコラボレーション・アルバム『The Voice of the Heroes』に続く2作目、ソロとしては初のNo.1タイトルを獲得した。TOP10には、以下の作品に続く5作目のランクインを果たしている。

4位『Love Songs 4 the Streets 2』(2019年)
2位『Just Cause Y’all Waited 2』(2020年)
2位『The Voice』(2020年)
1位『The Voice of the Heroes(with リル・ベイビー)』(2021年)
1位『7220』(2022年)

 発売元のレーベルAlamo Recordsとしては3作目の首位獲得で、ソニー・ミュージックが同社を買収した2021年6月以降では、初のNo.1アルバムとなる。

 『7220』の初動ユニットは120,500で、そのうちアルバム・ストリーミング(SEA)が117,500、トラックごとのユニット(TEA)が500、アルバム・セールスは2,500だった。全体の9割以上を占めたアルバムの週間ストリーミングは、全17曲で1億6,481万回を記録している。

 週間ユニット数としては、前述の『The Voice of the Heroes』が2021年6月19日付で記録した150,000に及ばなかったが、コラボレーションを除くソロ・アルバムとしては、前作『The Voice』が2021年2月13日付で記録した86,000ユニットを上回る最高値を更新している。

 また、2022年にリリースされたアルバムとしては、1月22日付で1位に初登場したガンナの『DS4Ever』(150,300ユニット)、同週2位にデビューしたザ・ウィークエンドの『ドーンFM』(148,000ユニット)に続く、3番目に高い記録を打ち立てた。

 『7220』からは、ソング・チャート“Hot 100”で最高14位を記録したモーガン・ウォレンとのコラボレーション「Broadway Girls」、同チャート19位まで上昇した「Ahhh Ha」がヒットし、アルバムのプロモーションに繋げている。

 続いて2位には、スウェーデンのロック・バンド=ゴーストの新作『インペラ』が初登場。初動ユニットは70,000で、そのうちアルバム・セールスが62,500、アルバム・ストリーミングが7,000(週間911万ストリーミング)、トラックによるユニット数はわずか500だった。

 本作『インペラ』は、【グラミー賞】にノミネートされた前作『プレクウェル』 (2018年)から約4年ぶり、通算5枚目のスタジオ・アルバムで、最高位と週間ユニットいずれも、その『プレクウェル』が記録した3位、66,000ユニットを上回る最高値を更新した。

 週間セールスとしても、前作『プレクウェル』が初週で記録した61,500枚を超える自己最高記録を更新し、2022年にリリースされたアルバムの中でも、前述の『ドーンFM』が初週で記録した37,000枚を大きく上回る、最大売上枚数を打ち立てた。ロック、またはハードロック・アルバムにカテゴライズされる作品としては、2021年2月20日付でフー・ファイターズの『メディスン・アット・ミッドナイト』が記録した64,000枚以来の高セールスを記録している。

 セールスが高かった理由として、CD、カセットテープ、デジタル・ダウンロードの他、複数のバージョンがあるレコード(LP)の売り上げが好調だったことが挙げられる。

 Billboard 200でのTOP10入りは、最高8位を記録した3rdアルバム『メリオラ』(2015年)を含む3作目で、TOP40には、最高28位を記録した2ndアルバム『インフェスティスマム』(2013年)、16位を記録したEP『Popestar』(2016年)を含む5作目のランクインを果たしている。

 ロック・アルバムにカテゴライズされる作品が2位以上に初登場したのは、ジョン・メイヤーの『ソブ・ロック』が同2位にデビューした2021年7月31日付以来約8か月ぶりで、週間ユニットもその『ソブ・ロック』が記録した84,000以来の高記録を打ち立てた。

 ハードロック・アルバムとしては、2020年11月28日付で1位を記録したAC/DCの『パワーアップ』以来、約1年4か月ぶりのTOP2入りで、週間ユニットは前述の『メディスン・アット・ミッドナイト』が同週で記録した70,000以来の高記録。

 なお、ロック・アルバム、ハードロック・アルバムにカテゴライズされる作品の定義は、ロック・アルバム・チャート、ハードロック・アルバム・チャートにランクインした作品とする。

 先週まで8週連続(通算9週)の首位を独占していた『ミラベルと魔法だらけの家』のサウンドトラックは、新作の登場により今週3位にダウン。週間ユニットも前週から12%減少の64,000に落ち込んだ。

 1位の『7220』にも参加したモーガン・ウォレンの『デンジャラス:ザ・ダブル・アルバム』も3位から4位に順位を下げたが、週間ユニットは前週から若干数増加の46,000で安定している。本作は、今週でTOP10滞在週を通算61週目に更新し、1990年以降にリリースされた作品としてはセリーヌ・ディオンの『フォーリング・イントゥ・ユー』(1996年から97年)と並ぶ3番目の記録に達した。なお、トップはアデルの『21』(2011年から16年)で84週、2番目はアラニス・モリセットの『ジャグド・リトル・ピル』(1995年から97年)で72週だが、90年以前の記録は含まれていない。

 続いて5位に初登場したのは、英イングランド・ハンプシャー州出身のポップ・シンガー=レックス・オレンジ・カウンティの『フー・ケアーズ?』。初動ユニットは35,000で、そのうちアルバム・セールスが20,000、アルバム・ストリーミングが15,000だった。週間ストリーミングは、全11曲で1,961万回を記録している。本作は、2019年11月9日付で3位を記録した前作『ポニー』から約2年ぶり、4作目のスタジオ・アルバムで、最高位は更新できなかったが2作連続のTOP10入りを果たした。

 6位にザ・ウィークエンドのベスト盤『ザ・ハイライツ』(34,000ユニット / 4%増加)を挟み、7位にも米テネシー州出身のカントリー・デュオ=フォー・キング・アンド・カントリーの新作『ホワット・アー・ウィー・ウェイティング・フォー?』が初登場。初動ユニットは32,000で、そのうち28,000がアルバム・セールス、3,500がアルバム・ストリーミング(週間508万回)・トラックによるユニットは500程度だった。TOP10入りは最高7位を記録した『バーン・ザ・シップス』(2018年)に続く2作目で、同率の最高位を記録した。

 以下、ガンナの『DS4Ever』(31,500ユニット / 9%減少)が5位から8位にダウン、ドレイクの『サーティファイド・ラヴァー・ボーイ』(31,000ユニット / 1%増加)が9位を、ドージャ・キャットの『プラネット・ハー』 (30,000ユニット / 1%増加)も10位をそれぞれキープした。

Text: 本家 一成

※関連リンク先の米ビルボード・チャートは3月25日以降掲載予定となります。

◎【Billboard 200】トップ10
1位『7220』リル・ダーク
2位『インペラ』ゴースト
3位『ミラベルと魔法だらけの家』サウンドトラック
4位『デンジャラス:ザ・ダブル・アルバム』モーガン・ウォレン
5位『フー・ケアーズ?』レックス・オレンジ・カウンティ
6位『ザ・ハイライツ』ザ・ウィークエンド
7位『ホワット・アー・ウィー・ウェイティング・フォー?』フォー・キング・アンド・カントリー
8位『DS4Ever』ガンナ
9位『サーティファイド・ラヴァー・ボーイ』ドレイク
10位『プラネット・ハー』ドージャ・キャット


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