2022年1月26日、Spotifyがニール・ヤングの要求に応じる形で、彼の全ての楽曲をプラットフォームから削除したことを発表した。
76歳のヤングは、この2日前に公開書簡を発表していた。米誌ローリングストーンが最初に報じたこのメッセージで、彼はポッドキャスト『ジョー・ローガン・エクスペリエンス』を通じて新型コロナウイルスのワクチンに関する誤情報が広まったことを理由に、Spotifyから自身のカタログを削除するよう要求していた。ヤングは、「(Spotifyは)ローガンかヤングのどちらかを選択できる。両方は無理だ」と綴っていた。この公開書簡の宛先は、自身のマネージャーと、リプリーズ・レコードからヤングの音楽をリリースしているワーナー・レコードの共同会長兼COOとなっていた。
Spotifyはこの書簡の要求を受け入れ、ヤングの楽曲をサービスから削除すると発表した。この発表後に彼は、さらに2つの書簡を公開し、「Spotifyから離脱することで全世界のストリーミング収入の60%を失うことは非常に大ごとであり、犠牲の大きい行動ですが、自分たちの品位と信念のためにはそれだけの価値がある」と述べ、「新型コロナに関する誤った情報は一線を越えている」と強調した。
さらに、このニュースを受け、Sirius XMがヤングの名前を冠した番組を再び限定で放送すると発表した。この番組では、ベテランのロック・ミュージシャンである彼の数十年にわたるキャリアから、独占的な話と音楽が紹介される。
Sirius XMの副社長兼音楽編成担当ゼネラル・マネージャーのスティーヴ・ブラッターは声明で、「今も創造性の頂点にいるアイコニックなアーティストを紹介する機会があるのならば、躊躇しないでやるべきです、再び。率直で、勇敢で、真の音楽アイコンであるニール・ヤングは、稀有なクラスのアーティストであり、彼のファンのために特別なオーディオ体験を作るために彼と協力できることを光栄に思います」と述べている。
ヤングを応援するために、彼のファンはSpotifyに対するボイコットを開始している。「パンデミックが始まって3年、何百万人もの人々が死んでいるのに、Spotifyはジョー・ローガンを支持している。新型コロナに関するデマを世界で一番拡散しているであろう人物を。大金をもたらすからね。私は会員をやめるし、あなたもそうすべき」、「何であれニール・ヤングじゃなくてジョー・ローガンを選ぶなんてことある?ところであんたたちは音楽サービスのはずなんだけど。身売りするってこのことだよな」、「僕はSpotifyを削除する。あなたもそうすべきだ。ワクチンデマはやっちゃいけないことだ」、「グッバイSpotify。あなたたちは化学、倫理、そして正しいことをすることより利益と強欲を選択したんだ」などファンがツイートした際に使用されたハッシュタグ#SpotifyDeletedと#CancelSpotifyはTwitterでトレンド入りしていた。