テイラー・スウィフト、【ロックの殿堂】式典でキャロル・キングの「ウィル・ユー・ラヴ・ミー・トゥモロー」をカヴァー

2021年11月1日 / 12:30

 2021年10月30日に【ロックの殿堂】(Rock and Roll Hall of Fame)の式典が米クリーブランドで開催され、プレゼンターを務めたテイラー・スウィフトがパフォーマンスのトップ・バッターとしてキャロル・キングの「ウィル・ユー・ラヴ・ミー・トゥモロー」のカヴァーを披露した。

 RRHOFのグレッグ・ハリスCEOと、RRHOF財団のジョン・サイクス社長による挨拶のあとにRockey Mortgage Fieldhouseのステージに登場したテイラーは、キラキラと輝く体にフィットした衣装を身にまとい、パフォーマーとして今回の式典で殿堂入りを果たしたキングに敬意を表した。エレクトロ・テイストのアレンジで披露された自身の楽曲のパフォーマンスのあとに、キングは涙を拭う真似をしながら感謝のお辞儀をした。

 「ウィル・ユー・ラヴ・ミー・トゥモロー」は、キングと当時の夫だったジェリー・ゴフィンが共作した楽曲で、シュレルズのレコードとして1961年に全米No.1を獲得した。キングは自身の1971年のアルバム『つづれおり』(Tapestry)にセルフ・カヴァーを収録している。キングとゴフィンはソングライター部門で1990年に既に殿堂入りを果たしている。

 プレゼンターとしてのスピーチでテイラーは、“自分の目から見た人生の基本的な真実を教えてくれた“両親に育てられたと語り、その中には、“キャロル・キングは史上最高のソングライターである”という言葉も含まれていたと明かした。テイラーの父親は、以前交際していた女性に対し、彼女がキングの別れの曲「イッツ・トゥー・レイト」を思い出させると伝えたことがあったそうだ。テイラーは、キングの歌詞が“真摯で正直な者に語りかける”と述べ、“親から子へと貴重な家宝のように受け継がれるのは当然のこと”と付け加えた。

 彼女はまた、キングが“女性の天才のためのスペースを作らなかった時代の政治をナビゲートした”ことも称賛した。“ゆっくりと、しかし確実に、キャロル・キングはその創造に努め、それは永遠に彼女のものとなるでしょう”と彼女は述べている。

 壇上に立ったキングは、“職業上の孫娘のよう”に感じているテイラーに、“光を前に進めてくれてありがとう”と感謝し、ゴフィンをはじめ、『つづれおり』のプロデューサーであるルー・アドラーやジェームス・テイラーなどのコラボレーターや支援者、ミュージシャン、マネージャーなどに敬意を表した。

 続いて彼女が、「現代の女性シンガーやソングライターたちが、私の功績の上に立っているとよく耳にするので、それを受け入れられるようにしようと思います。忘れてはならないのは、彼女たちが【ロックの殿堂】入りを果たした最初の女性の功績の上にも立っているということです。アレサ・フランクリンさんが“力と共に眠り”ますように」と言うと、アリーナの観客からは大きな拍手が沸き起こった。そのまま彼女は、故アレサ・フランクリンの伝記映画『リスペクト』に主演したジェニファー・ハドソンを紹介し、ハドソンはキングが作曲したフランクリンのヒット曲「ナチュラル・ウーマン」を力強く歌い上げた。キングはこの楽曲も後に『つづれおり』に収録している。

 『リスペクト』で使われた「Here I Am」をキングと共作したハドソンは、「フランクリンさんは私を奮い立たせてくれました。彼女は、“ジェニファー、いつも自分の声を使って”と言ってくれました。そして、自分の言葉を使うように言ってくれたのはキングさんでした。“あなたの言葉がなければ、あなたの声は何の意味もない”と。これは思い入れのある言葉です」と明かした。

 キングは、長年のバック・ミュージシャンであるダニー・コーチマー、リーランド・スカラー、ラス・カンケルと、彼らのバンドであるイミディエイト・ファミリーとともに、「君の友だち」で自身の出番を締めくくり、観客も大合唱していた。

 今年で36回目となる【ロックの殿堂】式典は、11月20日から米HBOで放送される。


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