マシン・ガン・ケリーとスリップノットのコリィ・テイラーのビーフが泥沼化、実現しなかったコラボが発端

2021年9月22日 / 13:00

 ラッパーからロッカーに転身したマシン・ガン・ケリー(MGK)と、米アイオワ州出身のメタル・バンドであるスリップノットと間のビーフ(確執)が深刻化している。

 この予想外の抗争は、先週末にMGKがスリップノットの象徴であるスケアー・マスクを揶揄したことで勃発した。2021年9月18日にファンが撮影した動画で彼は、「おい、俺がやってなくてマジで良かったって思ってることを知りたいか?50歳にもなってファッキン妙なマスクをファッキン・ステージで被ってることだよ。ファッキン・シット(くそったれ)」とMCで語っている。

 彼のこの発言は突然の出来事のように見えたが、実はスリップノットのフロントマンであるコリィ・テイラーが、3月に密かな先制攻撃を仕掛けていた。ポッドキャスト『Cutter’s Rockcast』のインタビューで彼は、古いアーティストの影響を受けているサウンドだと彼が感じているミュージシャンについて語る際に、「あるジャンルで失敗して、ロックに転向しようと決めたアーティストが嫌いだ。誰のことなのかは本人が分かってると思う。でもそれは別の話だ」と思わせぶりな発言をしていた。

 二人の不仲の原因が何だったのかについて、テイラーは9月20日夜に投稿したツイートで明かした。彼は、「ガキみたいにプライベートな問題をさらけ出す人間は好きじゃない。だから俺から話すのはこれだけだ。あの曲に参加しなかったのは、人が俺のために曲を書こうとするのが嫌いだからだ。俺の方からあいつらにNOと言った。まぁ、前置きはこれくらいにして…… #receipts。これが俺の言いたいことの全てだ」と、過去にやりとりしたメールのスクリーンショットと共に投稿している。

 メールの内容からは、MGKが2020年にリリースした全米No.1アルバム『ティケッツ・トゥ・マイ・ダウンフォール』に収録予定だった曲に、テイラーがフィーチャーされる計画が進んでいたことが分かる。この楽曲は「Can’t Look Back」というタイトルで、アルバムのボーナス・ヴァージョンに収録されたがテイラーはフィーチャーされていない。

 テイラーが公開したのは、MGKとよくコラボしているブリンク182のトラヴィス・バーカーとのやり取りの一部だ。バーカーからのメッセージは、「よう、コリィ!すげーいいと思う。ケリーからのメモに目を通してくれ。あともうちょっとだ」と、テイラーが送ったヴォーカルをMGKも気に入ったと冒頭で伝え、残りの文面はそのメモとなっている。

 MGKはバーカーに、「ようトラヴ!“Can’t Look Back”のコリィのヴォーカルを聴いてまたインスピレーションを得て、彼の声が入る瞬間に顔面に蹴りが入るみたいにするために、彼のパートにギターを加えた」と伝え、「1)(テイラーのヴォーカルは)ファッキン完璧だった、すごく興奮したし、参加してくれること自体マジで光栄に思ってるし信じられないってことを(テイラーに)伝えてくれるかな!2)最近戦争とかあらゆる情勢についてのニュースを見ていて、この曲を別の角度から見るようになった。兵士たちには、生き続けるための曲が必要だ。戦うための曲。前に進むための」と続けている。

 彼はさらに、バーカーとテイラーが気に入ってくれると思うような“結構パワフルな”ブリッジを加えたと言い、テイラーに後半のヴァースのアイデアを送ったと続けた。ヴァース案については、「(テイラーは)却下してくれてももちろん構わないけれど、何かのインスピレーションになったり、そのままやってくれたりしたら最高だな」と述べている。また、テイラーのパートの前半部分に“デモのシャウトっぽいトラック”を重ねたことを報告しており、“彼のサイコソーシャルな声で聴けたらドープだ”と説明し、“マジで彼はロックだ(最高だ)って伝えてくれ”と締めくくっている。

 テイラーはこのメッセージに翌日に返信する形で、曲への参加を見送ることを伝えている。彼のメールは、「案を聴かせてもらったけど、正直このトラックに俺は合わないと思う」と始まり、「悪く思わないでくれ、ただMGKがこういう感じを求めているなら、他の奴にやってもらった方がいいと思っただけだ。何も問題はないし、彼には期待しているよ。うまく合う奴が見つかることを願っている。理解してもらえることを願っているし、作品の成功を祈っている。もし何か手伝えることがあれば、連絡してくれ」と続いており、言葉を選びながら断りの連絡を入れていることが分かる。

 MGKは9月20日にTwitterに、「アーティストに中傷されて俺が反応すると、俺が悪者になるのってすごく変だよな」と投稿し、別のツイートで、「コリィは、俺のアルバム“ティケッツ・トゥ・マイ・ダウンフォール”の楽曲でヴァースをやって、それがファッキン最悪だったから使わなかったんだ。あいつは怒って、自分が参加してたかもしれないアルバムについて雑誌で悪口を言った。お前らの言ってることは全部見当外れだ。あいつが根に持ってるって認めろよ」と自身の見解を述べている。また、3つ目のツイートでは、「若者を憎むなよ」と投稿している。


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