哀切なメロディーにどっぷり浸れる5曲

2021年9月13日 / 18:00

哀切なメロディーにどっぷり浸れる5曲 (okmusic UP's)

あっと言う間に夏が過ぎて、秋の気配が近づいてきました。とはいえ、蒸し暑い日もあれば、急に寒い日が来たりと、温度差のギャップに苦しめられる日が続きます。気は早いかもしれませんが、今年も残すところ4カ月を切りました。2021年を振り返って、何をしていたっけ?と思うことがないように、日々大切に生きねばと考えるばかりです。それで今回は秋のムードに似合う、美しくも切ないメロディーを配した楽曲を独断で選んでみました。
「声」(’21)/佐藤千亜妃

今年3月にデジタルリリースされた楽曲。9月15日に出る2ndアルバム『KOE』では英語表記で表題曲的な扱いになっており、その意味でも重要な楽曲であることは間違いない。すでにMVも公開済みだが、東北生まれの彼女らしく、雪が降り積もる山の中を散策する姿を映した映像がとても印象的。静謐な鍵盤を配したイントロにもの悲しげなストリングスが乗り、曲調はスローテンポに進んでいく。そこにそっと寄り添う佐藤の歌声は、あまりにも切ない。《手を離すことが愛だと思った》と別離を綴った歌詞も、聴き手によってさまざまな解釈ができるだろう。
「A FAR-OFF DISTANCE」(’10) /GALNERYUS

日本が誇る重鎮メタルバンド、GALNERYUS。彼らは昨年にLEA(Dr)を迎え入れ、新5人体制でスタートを切った。超絶技巧のSYU(Gu)、YUHKI(Key)によるプログレッシブなインストパートもバンドの大きな魅力だが、Masatoshi”Sho”Onoの優れた歌唱力は強靭な楽器陣に負けない存在感を発揮している。特にバラードテイストの楽曲ではOnoの甘美な歌声が全面開花。この曲は歌謡テイストを強めた哀愁を帯びたメロディーが素晴らしく、ライヴでも一段と映えている。ちなみに曲自体はTVアニメ『RAINBOW-二舎六房の七人-』エンディングテーマにも起用された。
「JANUARY 1ST」(’19)/coldrain

来年は結成15周年イヤーに突入するラウドロック・バンド、coldrain。現時点で最新スタジオ作となる6thアルバム『THE SIDE EFFECTS』(2019年発表)に珠玉のバラードが収録されている。この曲がまさにそうで、初めてバラードをMVにした記念碑的なナンバー。それもバンドとして大きな自信がついてきた証だろう。アコギを使用した静謐なアレンジを施し、特にMasato(Vo)の憂いを帯びた歌声は絶品だ。今はご時世的に難しいけれど、海外のファンはバラードでもここぞとばかりに大合唱で歌い上げる。早くそんな景色が各地で広がればいいと願うばかりだ。
「himawari」(’21)/iScream

今年デビューしたばかりのガールズユニット3人組、iScream。歌唱力とダンスの両方で高いスキルを誇示し、メンバー全員が現役の高校生ということもあり、将来のエンタメ業界を担う逸材と言っていい。そんな彼女たちがデビュー1stEP『Maybe…YES EP』に続き、ニューシングルではいきなりバラードに初挑戦。この曲ではあえてダンスを封印し、3人の歌声を存分に堪能できる。夏の終わりと恋の切なさをかけた胸キュンな仕上がりだが、純粋にメロディーを聴くだけでも楽曲の良さに心酔できるクオリティーの高さだ。
「Wasted Time」(’91)/Skid Row

以前にこの連載で今年発売30周年を迎える名盤を取り上げたが、Skid Rowの2ndアルバム『SLAVE TO THE GRIND』(1991年発表)もその中のひとつだ。本作は全米チャート初登場1位を記録した傑作であり、バンドの代表作と言っていい。特にこのアルバムは名バラードの宝庫で、「Quicksand Jesus」「In A Darkened Room」と胸をこれでもかと締め付ける切ないメロディーがびっしりと張り巡らされている。この曲も泣きメロ満載で、後半に向かってドラマ性を高めていく展開にも心を激しく揺さぶられる。ぜひチェックしてほしい。
荒金良介 プロフィール:99年からフリーの音楽ライターとして執筆開始。愛読していた漫画『ジョジョの奇妙な冒険』(登場人物に洋楽アーティスト名が使用されていたため)をきっかけに、いきなりレッド・ツェッペリンの音源を全作品揃える。それからハード・ロック/ヘヴィ・メタルにどっぷり浸かり、その後は洋邦問わずラウド、ミクスチャー、パンクなど、激しめの音楽を中心に仕事をしてます。趣味は偏ってますが(笑)、わりと何でも聴きます。


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