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6月16日発表のHot 100では、乃木坂46の新曲がトップに躍り出たが、2位にはBTSの「Butter」がしっかりと残っている(【表1】)。この曲は5月21日にデジタルリリースされ、5月26日発表のHot 100で首位を獲得。以来、3週連続でトップをキープしていた。今週は2位に甘んじたとはいえ、これで順位がどんどん下がるかというと、おそらくそういうことはないと予想される。というのも、BTSの楽曲はロングヒットの要素を満たしているからだ。
では、ロングヒットの要素とはなんだろうか。これには様々なパターンがあると思うが、BTSに関していえばストリーミングと動画再生数だ。これまでの彼らの楽曲で長くチャートに残っているものは、この2つのポイントの強さが突出している。例えば直近の大ヒット曲である「Dynamite」を見ればよく分かるだろう(【表2】)。去年の8月に初チャートインしてから今週で43週目となるが、現在も8位を記録しており、ずっとベスト10をキープしているモンスターヒットである。これもいろんな要素があってこそのヒットだが、やはりストリーミングと動画再生数によって大きくポイントを稼いでいる。
この結果はどういうことかというと、何度も聴きたくなる、何度も観たくなる楽曲だということだろう。これはヒット曲の基本だと思うが、繰り返し聴いても飽きない楽曲作りになっており、何度観ても楽しめる動画に仕上がっているのが彼らの楽曲の強さなのだ。そこには音楽的なクオリティはもちろん、ビジュアルの良さや、真似したくなるダンスの振り付けなど様々な要素が重なっているので単純なことではない。しかし、ストリーミングで何度も聴いてもらい、YouTubeで何度も観てもらうことを意識しているのは確かだろうし、それが見事に成功しているのである。
BTSに限らず、YOASOBIや優里などロングヒットしている楽曲は、この2つのポイントをしっかりと押さえている。今の時代に長く聴かれる楽曲を生み出すためには、ストリーミングと動画再生は必須なのだ。Text:栗本斉
◎栗本斉:旅&音楽ライター、選曲家。レコード会社勤務の傍ら、音楽ライターやDJとして活動を開始。退社後、2年間中南米を放浪し、現地の音楽を浴びる。その後フリーランスとして活動した後、2008年から2013年までビルボードライブのブッキングマネージャーに就任。フリーランスに戻り、雑誌やライナーノーツなどの執筆や音楽評論、ラジオやストリーミングサービスにおける構成選曲などを行っている。
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