アリアナ・グランデ/オリヴィア・ロドリゴなど、米ミネソタで再び起きた黒人男性の理不尽な死にSNSで反応

　2021年4月11日、米ミネソタ州で20歳の黒人男性が警官に撃たれたあとに死亡する事件があり、度重なる警察による黒人市民に対する蛮行に多くの有名アーティストたちが抗議の声を上げている。

　11日午後2時ごろ、ブルックリンセンター警察がダンテ・ライト（Daunte Wright）が運転する車を停車させたところ、別件で逮捕状が出ていることが判明したため身柄を拘束しようとした。警察によると、ライトが制止を振り切り車に戻ったため女性警官が発砲した。彼は数ブロック先まで運転して逃げたが別の車に衝突し、後に死亡が確認された。助手席に乗っていた恋人の女性は病院に運ばれたものの軽症で済んだ。

　地元警察は12日、女性警官がスタンガンの一種であるテーザー銃を撃とうとし、「テーザー！」と叫びながら誤って拳銃で撃ったと説明した。この日は、昨年5月25日に故ジョージ・フロイドの首を押さえつけて死亡させた元警察官の公判の11日目にあたり、現場近くではBlack Lives Matter（ブラック・ライヴズ・マター/BLM、黒人の命は重要）の抗議活動が起きていた。ライトの事件が起きた現場は、フロイドが殺されたミネアポリスの現場から16キロしか離れていない。また、2016年7月6日にも13キロ離れたミネソタ州ファルコンハイツで、フィランド・カスティール（Philando Castile）が、同様の状況で警察に射殺されている。

　警察と接触したあとにライトから電話を受けていた母親のケイティ・ライト（Katie Wright）は、11日夜に集まっていた集会の参加者たちに対し、「彼はバックミラーから芳香剤をぶら下げていたから（警察に）停車を命じられたと言っていた」と述べたとミネソタのWCCO-TVが伝えている。ミネソタ州法では、運転手の視界を遮る可能性がある物体を“運転手とフロントガラスの間”にぶら下げることが禁じられている。

　SNSで多くのフォロワーを抱えるアリアナ・グランデとマンディ・ムーアは、その巨大なプラットフォームを利用しさまざまな支援団体や必要情報を紹介した。保釈金を援助するMinnesota Freedom FundやThe Bail Project、ミネソタ州の市民参加型社会正義団体であるReclaim the Blockや地元のACLU支部、法的支援が必要な場合の電話番号、そして安全に抗議活動をするための持ち物やこつを伝授している。

　ムーアは、「ダンテ・ライトに正義を。ジョージ・フロイドが殺害された場所から数マイルしか離れていない場所で、（ミネソタでは違法とはいえ）バックミラーに芳香剤をぶら下げていたから停車させられて殺された、20歳の父親。吐き気がするし、胸が張り裂けるようだ。（警察の）システムは改革ではなく、完全な変換が必要だ」とストーリーズで綴っている。

　オリヴィア・ロドリゴは、「ジョージ・フロイド事件の裁判が続く中、ミネソタの警察は今日別の黒人の青年を殺した。彼の名前はダンテ・ライト。洗車をするために移動中だった彼は、バックミラーに芳香剤をつけていたから停車させられた。彼の遺体は道端に6時間以上も放置された。彼の名前を言おう」と、自身のインスタグラム・ストーリーズに綴った。