【第63回グラミー賞】無観客で開催、アジア系の人々への暴力行為に「本当にひどすぎる」、ドレイクがTOP3を独占:今週の洋楽まとめニュース

2021年3月20日 / 11:00

 今週の洋楽まとめニュースは、【第63回グラミー賞】に関する話題から。2021年3月15日(現地時間3月14日)に米ロサンゼルスで、音楽の祭典【第63回グラミー賞】授賞式が開催された。<最優秀アルバム賞>はテイラー・スウィフトの『フォークロア』、<最優秀レコード賞>はビリー・アイリッシュの「everything i wanted」、<最優秀楽曲賞>はH.E.R.の「I Can’t Breathe」、<最優秀新人賞>はメーガン・ザ・スタリオンが受賞しており、主要4部門をすべて女性アーティストが独占する結果となった。加えて、インディペンデント・アーティストが受賞者の半数以上を占める結果となった。【グラミー賞】でのインディペンデント・アーティストの受賞者の割合は、過去3年間から増加しており、2020年は38%がインディペンデント・アーティストで、2019年は36.9%、2018年は42.8%だった。また、感染リスクを最小にするため、屋上に設けられたエリアにノミネート者だけを集めて賞の発表は繰り広げられ、目玉のパフォーマンスも例年のステージの大きさに比べたら比較的小さめにはなる局内のスタジオで披露された。

【第63回グラミー賞】無観客開催ながら例年通りの興奮を届けた今年の“音楽の祭典”をまとめてレポート
【第63回グラミー賞】受賞者の半数以上がインディペンデント・アーティストだったことが明らかに
【第63回グラミー賞】全受賞アーティスト&作品リスト

 そして、【第63回グラミー賞】でパフォーマンスされた全ての楽曲の全米におけるセールスが、当日急上昇したことがMRCデータによる初期レポートで分かった。パフォーマンスされた楽曲の3月14日のトータル・セールス数は40,000で、授賞式前日の合計9,000から330%増となった。授賞式当日の3月14日に最も売れた(セールス数/前日比)パフォーマンス楽曲トップ3は、BTS「Dynamite」(10,500、2,748%増)、シルク・ソニック「Leave the Door Open」(5,100、144%増)、ハリー・スタルズ「Watermelon Sugar」(2,600、945%増)となっている。一方、今シーズンの多くの授賞式同様に、【グラミー賞】も全米での視聴率が大幅に低下したことがわかった。ニールセンが発表した時間帯別の全米視聴率によると、米CBSが放送した【第63回グラミー賞】の視聴者数は923万人で、18~49歳の層の視聴率は2.28%となった(家庭外での視聴を含まない初期報告の数字は視聴者数880万人、視聴率は2.1%だった)。どちらも【グラミー賞】史上最低の数字となっており、昨年よりおよそ51%減となっている。

【第63回グラミー賞】BTS/ハリー・スタルズ/シルク・ソニックなど、授賞式当日に全米セールスが急上昇
【第63回グラミー賞】全米での視聴率が急落、昨年の授賞式から半減

 6人のアジア系アメリカ人を含む8人が死亡した、3月16日に米アトランタで起きた銃乱射事件を受け、米国で勢いを増すアジア人に対する暴力行為を非難するメッセージををジョン・レジェンドをはじめとするアーティストたちが投稿している。レジェンドは、「本当にひどすぎる。命を奪われた人々の愛する者たち全員に心からお悔やみ申し上げます。僕たちのアジア系アメリカ人兄弟姉妹たちに向けられている脅威の増加を考慮しなければならない」と、作家のロクサーヌ・ゲイ(Roxane Gay)のツイートを引用リツイートする形で投稿した。ゲイのツイートは、米国におけるアジア系の人々に対するヘイト・クライムの増加を非難したもので、カリフォルニア州立大学のCenter for the Study of Hate and Extremism(ヘイトと過激思想研究センター)の分析によると、2020年には150%の増加が見られている。インド系アメリカ人である女優のミンディ・ケイリングも、「私たちのアジア系兄弟姉妹がターゲットにされたことには吐き気を催すけれど、ここ1年で反アジア的ヘイト・スピーチが常態化していることを考えると驚きはしない。私たちはアジア系に対するヘイトをやめさせなければならない、もうたくさんだ」とツイートしている。

ジョン・レジェンド、米国内でのアジア系の人々に対する暴力行為について投稿「本当にひどすぎる」

 さて、今週の米ビルボード・ソング・チャートでは、ドレイクの新曲「What’s Next」がNo.1デビューを飾った。「What’s Next」は、2021年3月5日にサプライズ・リリースされた3曲入りのEP『スケアリー・アワーズ2』のリード曲で、初週4,910万再生を記録してストリーミング・ソング・チャートでも同1位に初登場した。そして、同EPに収録された「Wants and Needs feat.リル・ベイビー」は2位に、「Lemon Pepper Freestyle feat.リック・ロス」も3位にそれぞれ初登場して、今週はTOP3をドレイクが独占した。同じアーティストによる楽曲がTOP3を独占したのは、ビートルズ(1964年)、アリアナ・グランデ(2019年)に続く歴代3組目だが、ランクインしたタイトルが全て初登場曲というのは歴代初の記録となる。また、初登場から8週連続で首位をキープしたオリヴィア・ロドリゴの「drivers license」は5位にダウンしているが、米ビルボードによるアメリカを除いたグローバル・チャート“Global Excl. U.S.”では9週連続1位を獲得し、首位最長記録を塗り替えた。これ以前は、BTS「Dynamite」の非連続で8週1位という記録が最長だった。

【米ビルボード・ソング・チャート】ドレイクがTOP3に3曲を初登場させる史上初の快挙、シルク・ソニック4位デビュー
オリヴィア・ロドリゴ、米ビルボード・グローバル・チャート“Global Excl. U.S.”で首位最長記録を樹立

 そしてアルバム・チャートでは、モーガン・ウォレンの『デンジャラス:ザ・ダブル・アルバム』が初登場から9週連続の首位をキープした。今週もトップの座を守った『デンジャラス:ザ・ダブル・アルバム』は、減少率を6%におさえて週間78,000ユニットを記録。そのうち71,000がアルバム・ストリーミング(SEA)で、6,000がアルバム・セールス、トラックごとのユニット数(TEA)は1,000程度だった。ユニットの9割近くをストリーミングが占めていて、週間再生数も9,810万回と高水準を維持している。初登場からの首位獲得数が9週を超えたのは、2016年5月21日から7月16日までの同9週(通算記録は13週) を記録したドレイクの『ヴューズ』以来で、過去5年間ではその2作のみとなる。また、カントリー・アルバムが9週以上首位を獲得したのは、2008年から2009年に11週を記録したテイラー・スウィフト『フィアレス』以来約12年ぶりとなる。今週9位に初登場したのは、米イリノイ州のロック・バンド=シェヴェルの新作『Niratias』。初動ユニットは28,000で、そのうち24,000がアルバム・セールスとそのほとんどをセールスが占めた。

【米ビルボード・アルバム・チャート】モーガン・ウォレン9週連続首位、シェヴェルが初登場9位

 

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