布袋寅泰、日本武道館で開催された無観客生配信ライブに吉井和哉も登場

2021年2月1日 / 18:30

『HOTEI 40th ANNIVERSARY Live “Message from Budokan”』 Photo by Michiko Yamamoto (okmusic UP's)

 布袋寅泰、アーティスト活動40周年を記念した 『HOTEI 40th ANNIVERSARY Live “Message from Budokan”』が、無観客生配信ライブとして1月30日(土)、31日(日)の2日間、日本武道館にて行われた。

 オープニングは、相棒である歴代ギター40本を両脇に並べた花道から登場するなどスペシャルな空間に胸が高鳴る。ステージへたどり着き、右手を天へ掲げる布袋。引き絵で映し出される会場、広大な無観客での日本武道館。ステージに輝くHOTEI柄の球体LEDモニター。響き渡るオープニングのイントロダクションはBOØWY時代からのアンセム「Dreamin’」。メンバーにSAX奏者が入ることで、6人組時代のバンドを彷彿とさせつつも、原曲を大切にニュースタイルなアレンジとしてプレイする鉄壁の最新HOTEIバンド(DRUMS:古田たかし、BASS:井上富雄、GUITAR:黒田晃年、KEYBOARDS:奥野真哉、PROGRAMMER:岸利至、SAX : 庵原良司)によるパフォーマンスが圧巻だ。

 1月30日(土)の初日は、BOØWY、COMPLEX時代の布袋の原点ともいえる曲を中心に、「Dreamin’」、「B・Blue」、「BE MY BABY」、「Marionette」、「恋をとめないで」など、世代を超えて歌い継がれるヒットチューンはもちろん、珠玉のナンバーが繰り広げられた。生配信ライブならではのダイナミックなカメラワーク。ステージ最前列より近い臨場感。なかでもイントロでカリプソ気分な遊びを効かせた「SUPER-CALIFRAGILISTIC-EXPIARI-DOCIOUS」ではレゲエ / スカ、「BAD FEELING」ではファンクなセッション、自身のルーツであるパンク / ニューウェーヴ精神を体現した「TEENAGE EMOTION」など、懐かしくも新鮮な最新型アレンジで音楽ファンの琴線を刺激してくれる。

 本公演は、派手なセットや演出に頼ることなく、楽曲力と卓越した演奏スキルによって40年間を駆け抜けてきた布袋寅泰の“いま”を表現する。ステージ上空に司る球体LEDモニターが、まるで生命体のように時代を超えた映像表現としてサウンドとセッションしていく様も新鮮だ。

 2日目となった1月31日(日)は、布袋寅泰がソロになってから現在に至るまでの長いキャリアを振り返る内容となった。歴史的名盤として名高い『GUITARHYTHM』シリーズや、チャートシーンを賑わしたヒット曲「バンビーナ」、「POISON」、「さらば青春の光」。そして映画『キル・ビル』で世界的に知られた代表曲「Battle Without Honor or Humanity」など圧巻のプレイを披露していく。なかでもトーキング・モジュレーターでソロを弾いた、ギタリスト布袋寅泰、真骨頂のギターインスト曲「Stereocaster」にも痺れた。

 本公演は、日本のみならず海外でも視聴可能な配信ライブとして開催された。後半戦序盤、突如サプライズなスペシャルゲストとして吉井和哉が登場し、夢の共演を果たしたことも話題のトピックスだ。布袋寅泰と吉井和哉という日本を代表する(身長も実績も)ビッグなコラボレーションで披露されたのは、1995年発表、布袋10枚目のシングル作品であり代表作でもある「スリル」と、最新アルバム『Soul to Soul』収録に収録された、吉井がゲスト参加したグラマラスなアッパーチューン「Dangerous」の2曲。花のある2人による奇跡のセッションは、会場中に大きなエネルギーがほとばしり広がっていく様が可視化されていくかのようだった。

 ライブ終盤、盛り上がりを見せたのはファン人気の高いヒット曲「サレンダー」だ。独白のように孤独の苦しみと向き合ったメロディアスなロックチューンは、コロナ禍の“いま”、より多くの人々の心に突き刺さるナンバーだろう。

 布袋が観客のいないフロアに向かってMCをする。「生配信ライブ、それぞれの武道館で楽しんでくれていますか? このステージにはいろんな思いが込められています。僕自身、40年という新しい節目を迎えられた喜び、何よりも感謝です。ここまでこれたのは俺だけの力ではありません。いつも素晴らしいミュージシャンが支えてくれて、家族のような兄弟のような同志のようなスタッフが支えてくれて。そして、何よりも誰よりもファンのみんながずっと見つめてくれて……、ちゃんと聴こえていますよ。」と思いの丈を告げる。

「昔、ビートルズが歌いました『All You Need Is Love 〜 愛こそすべて』。そして、僕はここ(日本武道館)で観たRCサクセション、忌野清志郎さんが言いました“愛しあってるかい!”ってね。愛という言葉は大事だし。でも、日常で愛という言葉は使うチャンスがない。“愛してるよ”なんて恋人同士でも夫婦でも家族でも、なかなか言葉に出すことはできないかもしれない。でも、言葉に出さなくてもいい。どこか心で“愛してる”という言葉を苦しい時にこそ呟ければいいなと。そんな思いを歌った曲を聴いてください。」

 リスナーと心の距離を限りなく近くする「ヒトコト」を心を込めて歌い。ラストには布袋らしさをフルスロットルに輝かせるロックチューン「GLORIOUS DAYS」を全力でプレイし、2日間全44曲を締めくくった。

「みんなに会いたいぜ! それまで元気でいようね。身体もだけど心も。また会えるよう、心から楽しみにしています。布袋でした。ありがとう!」そして会場に響き渡るBGM「Velvet Kiss」の優しい音色。

 本公演は、2デイズ共にアーカイブが公開されている。80年代初頭から現在、40年に渡る日本のロックシーンを彩ってきた伝説の楽曲たちを未来へとアップデートする様を体感できた日本武道館のステージ。布袋寅泰による宇宙一のロックンロールショーに注目すべきだ。

テキスト:ふくりゅう(音楽コンシェルジュ)

Photo by Michiko Yamamoto


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