デュア・リパ、『フューチャー・ノスタルジア』制作中の葛藤について語る

　2021年1月8日に店頭に並ぶ英国版ヴォーグ最新号の表紙を飾ったデュア・リパが、2ndアルバム『フューチャー・ノスタルジア』の制作中に考えていたことや、スターダムと私生活のバランスの取り方などについて特集インタビューで語っている。

　彼女にとって2回目となるヴォーグの表紙は、ブロンドのショート・カットにリトル・ブラック・ドレスというシンプルでスタイリッシュなスタイリングとなっており、他のショットではピンクのレトロなヘアスタイルを披露するなど、彼女のさまざまな表情を見ることができる。

　新型コロナウイルスの感染が爆破的に拡大し始めていた2020年4月にリリースされた『フューチャー・ノスタルジア』だが、その内容が主にダンサブルなポップ・ソングだったことや、レディー・ガガやサム・スミスなどの大物アーティストが次々と新作のリリースを延期していたことなどから、彼女は当初リリースを躊躇していた。当時のインスタグラム・ライブで彼女は、「こんな時にやるべきことなのか、少し迷っている。多くの人が苦しんでいるから」と涙がらに語っていたが、ネットにリークされてしまったために前倒してリリースされるという波乱の船出となってしまった。

　ところが、結果としてそのレトロ風味でキャッチーな新曲の数々は、長期的な自主隔離生活を余儀なくされた世界中の人々に受け入れられた。英国人女性による1日で最もストリーミングされたアルバムとなった『フューチャー・ノスタルジア』は、米ビルボード・アルバム・チャート“Billboard 200”で4位を獲得している。

　セルフタイトル・デビュー・アルバムより明らかにポップなこのアルバムを制作していた時、デュア・リパは常に葛藤していたと話している。「心の弱さと格闘しなければならなかった。もっと悲しい曲とか失恋について書きたかったのね、幸せな曲を書けばつまらない曲になってしまうと思っていたから」という彼女は、「その気持ちと格闘しながら、“私は幸せだ。私は幸せになるにふさわしい”って思っていた。（幸せであることについて）書いたっていいはずでしょう。何かとか誰かについて泣いていないからって、自分の信ぴょう性を傷つけているんじゃないかとか不安に思わなくても」と語っている。

　彼女の幸せの大きな要因の一つが恋人のアンワー・ハディッドの存在だ。1年半以上の交際となった二人は、デクスターと名付けた子犬も迎え入れるなど、ラブラブな生活をたびたびSNSでシェアしている。パートナーとの私生活をどの程度発信するかについて彼女は、「私たちにはいろいろと素晴らしい思い出や経験があって、一緒にシェアしたいなと思うような何かがあれば、それはいいの、楽しいし。でも、同時に私たちはとてもプライベートでもあるから、見せたいところまでしか見せないよ。ちょっとしたギブ・アンド・テイクだよ、恋をしている気持ちとか興奮とかを自分の周りにいる人たちとシェアしたい気持ちと、あまり多くを公開してしまいたくない気持ちのちょうどいいバランスを見つけようとする。他人の意見を聞かされずに、この恋愛関係で幸せでいたいだけなの」と説明している。