常田大希率いるmillennium parade、ジェットコースターのような凄まじいライブ

2020年12月24日 / 12:05

 常田大希率いる音楽集団millennium paradeのオフィシャル・ライブレポートも到着した。

 12月23日、東京国際フォーラム ホールAにて、King Gnuの常田大希が率いる気鋭の音楽集団millennium paradeによる初のホールライブ【millennium parade 3D Live 2020】が開催された。

 これまで、深夜に徘徊する鬼や妖怪の群れを意味する“百鬼夜行”をコンセプトに、デジタルネイティブなミレニアル世代のミュージシャン、クリエイティブディレクター、デザイナー、 デジタルアーティストを内包し、クリエイティブファーストを掲げて作品ごとに伸縮する新たな価値観の提唱者としてエンタテインメントを発信してきたmillennium parade。待望の1stアルバム『THE MILLENNIUM PARADE』を2021年2月10日にリリースすることを発表したばかりだ。

 当日は感染対策の結果、客席の両隣を1席ずつ空け、1st&2ndとして2公演が行われた。入場時に、デザインされたボックスに収められた“millennium parade original 3D glasses”が配布され、通常のライブと異なる、不可思議な高揚感に包まれた開演前。オープニングは、映画のようなイントロダクションがスクリーンに投射される。“くそったれなウイルスで世の中変わっちまった”と語り出し、こっち側に来いとばかりに「Fly with me」のMusic Videoに登場するメモリーカードを飲み込む姿がぶっ飛んでいる。3Dグラスの装着を促すアトラクションめいたセリフは、どこかしらダークなテーマパークを彷彿とさせてくれた。 

 演者9名がステージに上がり、リズム隊の攻めのファンキーさが際立つ「Bon Dance」からスタート。アタック強めなリズムの気持ちよさ、MELRAWによるSAXの音色に魅了されるラップナンバー「SNIP」が続き、白いパーカーがキュートなBlack Boboiのermhoiが「Veil」でドープな美しき歌声を聴かせてくれた。勢いそのままに“行進曲”のようなエモーショナルな展開が爆アガりな「WWW」へと流れ、「STAY!!!」では、緩急をつけながらも映像とシンクロし、加速する感情を刺激するアッパーなアンサンブルが鮮烈だ。

 WONKでもおなじみの江崎文武による繊細なピアノが絡み合いダークにとろけていく「NEHAN」も圧巻だ。張り詰めた雰囲気のなか、破天荒な集団に一筋の光を導き、時に立ち上がり拡声器でシャウトし、時に椅子に座りながらプレイする、常田の才能の輝きが眩しい。続く、耳馴染みのあるイントロダクションで驚かされたのが「Slumberland -millennium parade ver-」だ。King Gnuナンバーであり、常田が大暴れできるパンキッシュなキラーチューンだ。アジテーター、佐々木 集、Mori Cotaもここぞとばかりに弾けまくる。

 millennium paradeのサウンドは現代音楽、ジャズ、ヒップホップ、不協和音、ノイズ、ロック、パンクなど、様々なサウンドが入り乱れる。その音像の自由さの秘訣とは、ツインドラム石若 駿、勢喜 遊、そしてベーシストである新井和輝による圧倒的経験値から導き出されるビートセンスの賜物だろう。

 オーラスへ向けて旧バージョンの「ABUKU」、ermhoiによるやわらかな歌声が空間に溶けていく人気チューン「Plankton」、DIOR×REMOWAのコレクションムービーでコラボレーションした「lost and found」では、より解像度が高くなった高密度のパフォーマンスをこれでもかと体感させてくれた。続く「Call me」では、突如メンバーの名前を含むステージクルーのクレジット表記がスクリーンに映し出され、ビートとともに可変していく謎めいた演出に魂をぶっ飛ばされる。「2992」とタイトルされた、かつて「Dura」と呼ばれたナンバーでは、深遠なる世界観をディストピア感溢れる歌モノとして表現していく。

 ラストナンバーは、分厚いビートが快楽ポイントを刺激する新時代アンセム「Fly with me」をプレイ。会場中が一体感に溢れハンズアップしながら“みんなでぶち飛んだ!”。これぞ、世界へ誇る日本初→ワールドワイドなポップミュージックの姿なのだと確信。

 90分の圧巻のステージ。3D映像と照明が織りなすドープな映像美に絡み合う、テクニカルな演奏力の凄み。脳みそがグルングルンに洗われたかのような爽快感だ。ラストにもう一度映画めいた映像が流れ、英語で“今日は希望をもって帰ってくれ!”という言葉が胸に突き刺さった。まるで、ジェットコースターのような凄まじいライブであったが、終演後、会場中の雰囲気が和やかに溶けていったのが印象的だった。

 常田大希を中心に、クリエイティヴレーベルPERIMETRONや日本が誇るミュージシャン、クリエイターが集結し、世界への活動を見据えたプロジェクトmillennium parade。DIORとのコラボレーションや、日本が世界に誇るアニメーション『攻殻機動隊 SAC_2045』の主題歌を務めるなど、新たな価値観の提唱者として大きな注目を集めている才能集団だ。圧倒的インパクトを与えてくれるライブエンタテインメントの最新形態に注目すべし。

Text by ふくりゅう(音楽コンシェルジュ)
Photo by Kosuke Ito

 また、2021年2月10日にリリースする1stアルバム『THE MILLENNIUM PARADE』のトラックリストも解禁となった。

◎リリース情報
アルバム『THE MILLENNIUM PARADE』
2021/02/10 RELEASE
<完全生産限定盤(初回限定盤+オリジナル小鬼フィギア3体+構想盤(カセットテープ))>
※12inch スペシャルBOX仕様
BVCL-1130~1133 / 10,000円(tax out)
<初回限定盤(CD+Blu-ray)>
BVCL-1134~1135 / 4,500円(tax out)
<通常盤(CD)>
BVCL-1136 / 3,000円(tax out)

【CD】
01. Hyakki Yagy?
02. Fly with me
03. Bon Dance
04. Trepanation
05. Deadbody
06. Plankton
07. lost and found 
08. matsuri no ato
09. 2992
10. TOKYO CHAOTIC!!!
11. Philip 
12. Fireworks and Flying Sparks
13. The Coffin
14. FAMILIA

【Blu-ray(完全生産限定盤・初回生産限定盤のみ)】
・millennium parade Live 2019@新木場Studio Coastから
Fly with me,
Slumberland,
Plankton,
lost and found
・ミュージックビデオ


音楽ニュースMUSIC NEWS

<ライブレポート>ROF-MAO、大阪城ホールで魅せた初ワンマンはこれまでの集大成

J-POP2024年4月26日

 2024年4月21日、にじさんじ所属のVTuberユニット、ROF-MAOが初となるワンマンライブ【New street,New world】を大阪城ホールで開催。昨年の夏に本公演が発表されて以来、この日を待ちに待った大勢のファンが会場を … 続きを読む

<ライブレポート>ChroNoiRが念願のワンマンライブ、二人の絆で大阪城ホールを魅了

J-POP2024年4月26日

 VTuberグループ“にじさんじ”に所属する叶と葛葉によるユニット、ChroNoiRが初のワンマンライブ【Welcome to Wonder Wander World】を4月20日に大阪・大阪城ホールで開催した。  開演時刻に近づき、会場 … 続きを読む

TOMOO、新曲「あわいに」MVメイキング映像を公開

J-POP2024年4月26日

 TOMOOが、新曲「あわいに」ミュージックビデオのメイキング映像を自身の公式YouTubeチャンネルにて公開した。  本映像では街中の様々な場所で佇むナチュラルな雰囲気のTOMOOや、ミュージックビデオの撮影の裏側が収められており、TOM … 続きを読む

tofubeats、新作EPよりリードトラック「I CAN FEEL IT(Single Mix)」のMV公開

J-POP2024年4月26日

 tofubeatsが、本日26日に約2年ぶりとなる新作 EP『NOBODY』をデジタルリリースし、リードトラック「I CAN FEEL IT(Single Mix)」のミュージックビデオが公開となった。   本作はフロアライクなHOUSE … 続きを読む

SABLE HILLS、主催フェス【FRONTLINE FESTIVAL】2024年第1弾ラインナップ解禁

J-POP2024年4月26日

 2024年3月に恵比寿 LIQUIDROOMで開催された【Odyssey Pre-Debut Show】を成功させ、6月28日にはドイツのレーベル「Arising Empire」からの新作『Odyssey』のリリースも控えているSABLE … 続きを読む

Willfriends

page top