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米ビルボードの新グローバル・チャートにおける地域ごとの割合を分析 J-POPは何曲チャート・イン?

 2020年9月15日、米ビルボードが新たなグローバル・チャート2種を発足させた。米国のデータを含む“Global 200”と、除外した他地域のみで構成される“Global Excl. U.S.”(グローバル・エクスルーディング・U.S.)で、世界200以上の地域の主要デジタル・プラットフォームにおける定額課金型(サブスクリプション)と広告支援型の公式オーディオとビデオ・ストリーミング、そしてダウンロードにそれぞれ比重をつけて算出し、ランク付けしたものだ。

 第1回目(9月19日付)の“Global 200”首位は、カーディ・Bの「WAP feat. ミーガン・ジー・スタリオン」、“Global Excl. U.S.”は、マルーマの「Hawái」がそれぞれ獲得している。

 新たに発足したグローバル・チャートにおいて、ランクインしたアーティストを地域別の割合で見ると、米国を含む“Global 200”ではもちろんのこと、含まない“Global Excl. U.S.”でも米国のアーティストが最多となっており、前者では全体の60%、後者でも38%を占めている。ただし、全米のデータのみで構成されている米ビルボード・ソング・チャート“Hot 100”の場合は、全体の80%が米国のアーティストであることから見れば、やはり他地域のアーティストが多くチャート入りしていることが分かる。

 また“Hot 100”の場合、チャート・インできたのは10地域のみだが(米国とプエルトリコを別にカウント)、“Global Excl. U.S.”チャートでは31地域、“Global 200”では25地域となっている。グローバル・チャートは200位までのランキングであるため、“Hot 100”同様上位100位までのみで比較した場合でも、“Global Excl. U.S.”は22地域、“Global 200”では20地域と、その差は歴然だ。

 この3つのチャートで米国に次いで多いのが英国(U.K.)で、“Global Excl. U.S.”では14%、“Global 200”では10%となっている。“Hot 100”の3位はカナダ(5%)だが、“Global Excl. U.S.”ではプエルトリコ(7%)、日本(6%)、コロンビア(5%)、韓国(4.5%)の順でカナダ(4%)より多い結果となっている。

 この結果は、ラテンとアジアン・ポップ・ジャンルの世界的人気を的確に反映していると言えるだろう。現在“Hot 100”にJ-POPアーティストは入っていないが、“Global Excl. U.S.”には9アーティストによる12曲がチャート入りしている(例:ジャパン・チャートの当週首位、YOASOBIの「夜に駆ける」は37位、米津玄師「感電」は46位など)。

 また、“Hot 100”には現在2組のK-POPグループがチャート・インしているが、BTSの「Dynamite」は全編英語で、BLACKPINKの「Ice Cream」は大人気米アーティストであるセレーナ・ゴメスとのコラボ曲だ。一方でグローバル・チャートには両グループ共に複数の楽曲がランクインしており、さらにiTZYやPinkfongなどのK-POPアクトも入っている。

 アジア圏からは、UAEのHussain Al Jassmiの「Bel Bont El3areedh」が“Global Excl. U.S.”の145位にチャート入りしているほか、インドやフィリピンのアーティストがフィーチャーとしてクレジットされている楽曲も入っている。

 プエルトリコからは、Rauw Alejandro、バッド・バニー、Jay Wheeler(ジェイ・ホィーラー)など10組のリード・アーティストが両グローバル・チャートにランクイン。中でも最多がオズナで、“Global Excl. U.S.”に4曲、“Global 200”に3曲送り込んでいる。

 コロンビアからは、“Global Excl. U.S.”で1位に輝いたマルーマが同チャートに4曲と“Global 200”に3曲送り込んだほか、J.バルヴィン、Feid、Camiloなどのスターが入っている。ラテン音楽は、アルゼンチン、ブラジル、ドミニカ共和国、メキシコ、パナマ、ジャマイカ、ベネズエラのアーティストがチャート入りした。

 英国以外の欧州からは、フランス、ドイツ、イタリア、コソボ、オランダ、ノルウェー、ロシア、スペイン、スウェーデンのアーティストが入り、オーストラリア地域からは4曲(オーストラリアが2曲、ニュージーランドが2曲)が両チャートに入った。

 アフリカ大陸からは、南アフリカのMaster KGがNomcebo Zikodeとナイジェリアのバーナ・ボーイをフィーチャーした「Jerusalema」が、“Global Excl. U.S.”の21位と“Global 200”の45位に入っているほか、カメルーンのアーティストがフィーチャーとしてランクインしている。

 さらに、グローバル・チャートでは、“Hot 100”で見られるより多くの多国籍コラボ曲がチャート入りしている。“Hot 100”では、2箇所以上の異なる地域のアーティスト同士によるコラボ曲の割合が15%であるのに対し、“Global Excl. U.S.”では26%、“Global 200”では22%となっている。

 “Hot 100”では、3箇所以上の地域からのコラボ曲は1曲しかないが(コロンビアのJ.バルヴィン/U.K.のデュア・リパ/プエルトリコのバッド・バニーとTainyによる「Un Dia (One Day)」)、“Global 200”では6曲、“Global Excl. U.S.”では7曲で、米国、パナマ、オーストラリア、フィリピンなどの組み合わせで入っている。

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