【米ビルボード・アルバム・チャート】故ジュース・ワールド遺作首位キープ、ザ・チックスが3位に初登場

2020年7月27日 / 13:10

 故ジュース・ワールドの『レジェンズ・ネヴァー・ダイ』が2週目の首位を獲得した、今週の米ビルボード・アルバム・チャート。

 先週、2020年度最大のユニット数497,000を記録してNo.1デビューを果たした本作は、前週から67%も減少したものの、週間162,000ユニットを記録して2週連続の1位をキープ。同2週をマークした前作『デス・レース・フォー・ラヴ』(2019年3月23日~30日)に続き、2作連続の快挙を達成した。

 先週のソング・チャート“Hot 100”では、本作『レジェンズ・ネヴァー・ダイ』に収録された21曲中17曲がランクインし、うち5曲がTOP10入りするという快挙を成し遂げた。5曲以上ランクインさせたアーティストは、ビートルズ(1964年4月4日~11日付チャート)、ドレイク(2018年7月14日付チャート)に続く歴代3組目。

2020年7月25日付“Hot 100”にチャートインしたジュース・ワールドの楽曲
2位「Come & Go with マシュメロ」
5位「Wishing Well」
7位「Conversations」
9位「Life’s a Mess with ホールジー」
10位「Hate the Other Side with マシュメロ feat.ポロ・G&ザ・キッド・ラロイ」
12位「Blood on My Jeans」
14位「Titanic」
15位「Righteous」
16位「Bad Energy」
34位「Stay High」
35位「Fighting Demons」
38位「Tell Me U Luv Me with トリッピー・レッド」
42位「Up Up and Away」
46位「Screw Juice」
47位「I Want It」
50位「Can’t Die」
51位「Man of the Year」

 今週ユニット数が急落した理由としては、公式ウェブサイトで販売されたグッズによるバンドルが激減したことが挙げられる。なお、この商品やコンサート・チケットとセットでバンドル売りされるアルバムのカウント方法は、間もなくバンドル売りそのものを除外するルールが適用される。今後チャートに反映されるためには、アルバムを商品やコンサート・チケットと同時購入する場合、アルバムは追加物として販売促進されなければならない。

 2週前に首位デビューした故ポップ・スモークの『シュート・フォー・ザ・スターズ、エイム・フォー・ザ・ムーン』は、先週に引き続き2位をキープ。故人のアルバムが1位、2位を独占したのは歴代初で、2週連続も当然初の快挙となる。

 『シュート・フォー・ザ・スターズ、エイム・フォー・ザ・ムーン』は、ポップ・スモークのバースデーにあたる7月20日に15曲を追加したデラックス・エディションがリリースされ、前週から26%増加の138,000まで週間ユニット数を上昇させている。2020年では、今週5位にランクインしているリル・ベイビーの『マイ・ターン』や、3月に同2週のNo.1をマークしたリル・ウージー・ヴァートの『エターナル・アテイク』、今週10位にダウンしたザ・ウィークエンドの『アフター・アワーズ』なども、同様の手法でユニット数を伸ばし、上位をキープした。

 その戦略を用いて前週の43位から6位にジャンプアップしたのが、ジェネイ・アイコの『Chilombo』。本作は、今年の3月21日付チャートで初動152,000ユニットを記録し2位にデビューした、自身3作目となるスタジオ・アルバム。7月17日に新曲9曲とリミックス音源を収録したデラックス・エディションがリリースされ、前週比247%増の50,000ユニットを記録し、再TOP10入りを果たした。ストリーミングの強いヒップホップ~R&B系のアーティストは、既存のアルバムに新曲を追加し、視聴回数を増幅させて上位に再ランクインさせる傾向にある。

 3位にデビューしたのは、女性カントリー・トリオ=ザ・チックスの『Gaslighter』。数々のモンスター・ヒットを生み出してきたディクシー・チックスの改名後初のアルバムで、ザ・チックスとしては初、ディクシー・チックスの作品を含めると通算5作目のTOP10入りとなる(うち3作が1位)。ベスト、ライブ盤を除くスタジオ・アルバムとしては、2006年に首位を獲得した『Taking the Long Way』以来約14年ぶりのリリースで、初動84,000ユニットと好発進での再スタートを切った。そのうち71,000がアルバム・セールスで、セールス・チャートではNo.1デビューを果たしている。

 『ハミルトン』のブロードウェイ・オリジナル・キャスト盤は 、7月3日からスタートした配信の勢いが落ち着いてきたこともあり、前週から18%減の 78,000までユニット数を落とし、3位から4位にダウン。とはいえ、高水準は維持しているといえよう。

 以下、「サークルズ」が歴代最長のTOP10ランクイン週を更新した、ポスト・マローンの『ハリウッズ・ブリーディング』が5位から7位に、先週のソング・チャートで「ロックスターfeat.ロディ・リッチ」が6週目の首位を獲得した、ダベイビーの『ブレイム・イット・オン・ベイビー』が6位から8位に、新曲「ウォーターメロン・シュガー」が上昇しているハリー・スタイルズの『ファイン・ライン』が7位から9位にそれぞれ順位を落としているが、シングル・ヒットの効果もあり、いずれもユニット数の変動はほぼなく、安定したポイントを維持している。

 次週は、7月24日にサプライズ・リリースされたテイラー・スウィフトの新作『フォークロア』が上位にデビューする可能性が高い。

Text: 本家 一成

※関連リンク先の米ビルボード・チャートは、7月31日以降掲載予定となります。

◎【Billboard 200】トップ10
1位『レジェンズ・ネヴァー・ダイ』ジュース・ワールド
2位『シュート・フォー・ザ・スターズ、エイム・フォー・ザ・ムーン』ポップ・スモーク
3位『ガスライター』ザ・チックス
4位『ハミルトン:アン・アメリカン・ミュージカル』サウンドトラック
5位『マイ・ターン』リル・ベイビー
6位『Chilombo』ジェネイ・アイコ
7位『ハリウッズ・ブリーディング』ポスト・マローン
8位『ブレイム・イット・オン・ベイビー』ダベイビー
9位『ファイン・ライン』ハリー・スタイルズ
10位『アフター・アワーズ』ザ・ウィークエンド


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