X


ハービー・ハンコック、名盤『ヘッド・ハンターズ』のSA-CDマルチ・ハイブリッド盤が9/9に発売

 時代を切り開く先駆者ハービー・ハンコックの最重要アルバム『ヘッド・ハンターズ』(1973年)が、レジェンド80歳の記念イヤーの2020年9月9日にSA-CDマルチ(フロント・リアの4チャンネル)ハイブリッド盤として発売される。

 SA-CDステレオ/CDについてもアナログ・マスターから新たにマスタリングされ、SA-CD4ch&2chとCDが1枚で聴けるハイブリッド・ディスクでの日本独自リリースとなる。アートワークはアナログ・シングル・サイズ=7インチ紙ジャケット仕様での復刻となり、完全生産限定盤となっている。

 イントロ一発で聴くものを魅了する「カメレオン」で始まる本作は、ハービーのエレクトリック期代表作であり、ヒップホップ~現代の音楽シーンに限りない影響を与え続けるモンスター・アルバムとして知られる。1973年10月26日にリリースされると、史上空前のヒットとなり米ビルボード・ジャズ・チャート第1位はもとより、総合アルバム・チャートで13位にランクイン。ハービーにとってもチャート最高位を記録した初のプラチナ・アルバムとなった。当時のハービーは、チック・コリア、キース・ジャレットとともにマイルス・コンボが生んだ“最も可能性と才能を秘めたピアニスト”として世界中から注目を集めていた。1963年から在籍したマイルスのクインテットを1968年に離れ、自身のセクステットを結成するがアルバム『セクスタント』を最後に解散。心機一転、気鋭の熱血プロデューサー=デヴィッド・ルービンソンと新たなメンバーとともに発表したのが本作なのだ。パーソネルはベニー・モウピン (ss, ts)、 ポール・ジャクソン(b)、 ハーヴィー・メイスン(ds)とビル・サマーズ(perc)となっている。

 ハービーは『ヘッド・ハンターズ』を制作した頃を振り返って1996年に執筆したセルフ・ライナーノーツで次のように記している。「私は自分自身のエネルギーが何か他の物を必要としているのでは?と考えた。よりスピリチュアルなもの、人間としての自分とより強いかかわりを持つものを。私は自分が音楽の上層大気圏や、より幽玄で現実離れした宇宙的なものの探求に時間を費やしすぎたような気がし始めた。今度は地球をいくらか多く取り上げ、大地との結びつきというつながりを少し強く感じる必要性が生じたのだ。人々は進化していた。ジャズ・アーティストたちの興味の対象が音に表れ始めていた。ロックンロールに注目しそれを取り入れること……ジャズ・ミュージシャンたちはそれにほとんど影響されなくとも、あるいは何かしら影響されても、音楽を作りだすことが出来た。無に近いものを発展させて、そこから何かを生み出すのはジャズの性である。自分たち(セクステット)がやっている音楽を重苦しく感じ始めていた私は、すべてが重苦しいことに疲れていた。もっと軽やかなものを演奏したかった。問題は、私たちが当時やっていた音楽をより受け入れられやすいものにしつつ、自分たち独自の価値観のエッセンスを維持することが、どのように新しい方向性を導きだすことができるのかということだった……」

 ロバート・グラスパー、フライング・ロータスやサンダーキャット等からもリスペクトされるレジェンドが世に放った<ブラックファンク宣言>。今、鮮やかに蘇るハービーが思い描いた驚愕の音世界を体感することとなる。

 日本では本国リリースから4か月後の1974年2月に“74年度最大の話題作”として国内盤が発売された。海外では大ヒットを受けて翌1974年にクアドラフォニック盤がリリース。今回発売されるマルチ・チャンネルは、1974年発売のクアドラフォニック盤アナログ・マスターからフロント/リアの4チャンネルで復刻している。常に新たな可能性を求めてチャレンジを続けるレジェンドは、その後もアコースティック・ジャズ人気を復活させた伝説のV.S.O.P.クインテットでの活動や80年代には「ロックイット」を発表、一大センセーションを巻き起こしていくことになる。

◎リリース情報
アルバム『ヘッド・ハンターズ』 SA-CDマルチ・ハイブリッド・エディション
2020/9/9 RELEASE
SICJ10014 / 3500円(plus tax)

Artist Photo: Sony Music Archives

音楽ニュースMUSIC NEWS

fuzzy knot、今夏ツアーを開催 新曲リリースも予告

J-POP2024年5月2日

 fuzzy knotが、2024年8月よりツアー【fuzzy knot Tour 2024 ~The Emergence Circuit~】を開催する。  シドのShinji(g)と、WaiveやRayflowerなど多くのプロジェクトに … 続きを読む

石野理子、すりぃ、やまもとひかる、ツミキによるバンドAoooが初のスタジオライブを5/6にプレミア公開

J-POP2024年5月2日

 元・赤い公園のボーカルであり、ソロアーティストとして活動する石野理子(Vocal)、VOCALOIDカルチャーをバックグラウンドに持ちながら、本人歌唱楽曲のライブも精力的におこなっているすりぃ(Guitar)、YOASOBIやももいろクロ … 続きを読む

【King & Princeとうちあげ花火】パフォーマンスのティザー映像公開

J-POP2024年5月2日

 King & Princeが、2024年4月11日に千葉・ZOZOマリンスタジアムにて開催された【King & Princeとうちあげ花火】で披露した「ゴールデンアワー」のパフォーマンスティザー映像を公開した。  “Kin … 続きを読む

原因は自分にある。、新曲「Mania」MVで“溺愛ダンス”披露

J-POP2024年5月2日

 原因は自分にある。が、2024年5月3日に配信リリースとなる新曲「Mania」のミュージックビデオを公開した。  新曲「Mania」は、メンバーの長野凌大が狂気の美女・律子として出演している読売テレビ・ドラマDiVE『シークレット同盟』の … 続きを読む

YOASOBI、アニメ『〈物語〉シリーズ オフ&モンスターシーズン』主題歌を担当

J-POP2024年5月2日

 YOASOBIが、アニメ『〈物語〉シリーズ オフ&モンスターシーズン』の主題歌を担当する。  西尾維新による小説をシャフトによりアニメ化したシリーズ作品で、2024年に展開予定となっている『〈物語〉シリーズ オフ&モンスターシーズン』。主 … 続きを読む