アフター・コロナのヒットパターン?!  yamaの「春を告げる」が急上昇

2020年5月23日 / 19:00

 今週のHot100は非常に興味深いチャートとなった。首位が瑛人の「香水」、2位がYOASOBIの「夜に駆ける」となっている。彼らはいずれもSNSをきっかけに楽曲主導でヒットしており、人気アーティストだからという理由ではない。例えば、ここしばらく上位を占拠していたOfficial髭男dism、King Gnu、LiSA、あいみょんなどは、ライヴの動員や大型タイアップといった実績を持っている。しかし、瑛人やYOASOBIはそういった要素とは無縁であり、楽曲そのものが評価され、YouTube、Tik Tok、TwitterといったSNS上でじわじわと自然発生的に盛り上がってきているのが特徴だ。

 その観点で見ると、24位に急上昇してきたyamaの「春を告げる」も同じ傾向のヒット曲といえる(【表1】)。yamaは2年ほど前からカヴァー曲の動画をアップし始めた、いわゆる「歌い手」と呼ばれるシンガーのひとり。BINというユニットでも活動しているが、「春を告げる」はソロ名義としては初のオリジナル楽曲だ。4月17日から動画のアップと配信リリースが行われていたが、じわじわと拡散されていき、一カ月以上経った今週でいきなり上位にランクインしてきた。この勢いだと、来週はさらに上位に食い込むのではないだろうか。

 こういった傾向は今後も続くだろう。というのも、ライヴでリアルに音楽を体験できない今の状況では、アーティスト性を体感するのはなかなか困難だからだ。リモートでの音楽番組出演などメディアでも様々な工夫が行われているが、やはり限界がある。となると、アーティスト・プロモーションよりも、一曲入魂で勝負した方が近道だ。ウェブやSNSなどで映える楽曲を作り、拡散してもらうというのがひとつのパターンとなっていくことだろう。そういった意味においても、yamaの「春を告げる」は、アフター・コロナの音楽地図を象徴する一曲になるのかもしれない。Text:栗本斉

◎栗本斉:旅&音楽ライター、選曲家。レコード会社勤務の傍ら、音楽ライターやDJとして活動を開始。退社後、2年間中南米を放浪し、現地の音楽を浴びる。その後フリーランスとして活動した後、2008年から2013年までビルボードライブのブッキングマネージャーに就任。フリーランスに戻り、雑誌やライナーノーツなどの執筆や音楽評論、ラジオやストリーミングサービスにおける構成選曲などを行っている。


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