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Spotifyで注目を集めたUQiYO、3rdアルバム『Stones』を掲げたライブへの熱い想いを語る

UQiYO (okmusic UP's)

サブスクリプションサービスを通じて13カ月連続で新曲を発表したプロジェクト『月刊少年ウキヨ』の結晶となる3年振りの3rdアルバム『Stones』が完成。現在、同作を引っ提げたツアーを敢行中のUQiYOからYuqi(Vo,Gt,Key,Composing)にプロジェクトの経緯、ライヴやツアーについての話を訊いた。

作品を届けるところまでが

アーティストの責任だと思う

——去年4月から月に1回サブスクリプションサービスで『月刊少年ウキヨ』として新曲を配信した意図を教えてください。

「よく例えでいうのが、毎週発売される『週刊少年ジャンプ』のようなものですね。習慣化してきてムズムズしてくるというか、“そろそろUQiYOの新曲出る時期じゃなかったっけ?”ってなってくれることがすごく大事かなと思ったんです」

——その意図とサブスクリプションサービスはフィットしますね。

「2~3年前ぐらいまでは、僕ら自身もサブスクリプションの是非みたいな議論をまだしてたんですけど、自分でもあの楽しさを体験しちゃうと、これがメインストリームにならざるを得ないことを実感したんですよね。だからオプションとしてCDを買って家のステレオで聴くことももちろんできるし、普段携帯で楽曲を聴いたりするのは別次元になってきてる気がして。それに突然アフリカのどこかの国で“UQiYOいいな”ってなる可能性もあるから、どんどん聴いてくださいって思いますね。実際にそういうことがヨーロッパやアメリカのほうで起こってもいるし、それは不思議だし嬉しいことなので」

——アルバムを作ろうというフレームありきで作る方法との違いで言うと、いかがでしたか?

「行き当たりばったりでもあったし…みなさん、“ストックがあって、それをちょっとずつ出して行ったんじゃないの?”と思われるかもしれないんですが、リアルなその時の曲っていうのを大事にしたいっていうのがひとつあって。企画を考えた時に、“本当に連載をしなければいけない”っていうのが勝手に自分の中にあったんです。僕の大学の恩師の言葉なんですけど“迷ったら難しいほうを選ぶ”というのがあって。それを遵守して生きていて、“難しいほうが楽しいよな”と思ってやっていたんですけど。月1回、楽曲とあわせてミュージックビデオも必ずペアで出していて、そのミュージックビデオもほとんど自己プロデュースでクリエイターさんと一緒に詰めながら完成させていたので、今思うとどうやってやっていたのか覚えてないぐらいギリギリでやってましたね」

——その時々に作っていらっしゃるせいか、初夏と晩夏でも曲のイメージが違うし、後半になる程ギターサウンドが増えたりしている印象で。

「去年、キーボードのメンバーがグループを卒業したんですよ。6月ぐらいまでは何とか続けようとしてたんですが、その後辞めることがバンド内では決定して。その前後はなるべくキーボードが活きる曲を作ってたんですけど、もう辞めるってことが分かってしまったんで、モードが変わったからガンガンギターが入ってきたのかも。実は、かなり去年1年間のライフストーリーが詰まってるっていうのも生々しくあって」

——まさにリアルタイムなんですね。

「リアルタイムで楽しんでらっしゃった方がいたかどうか分からないですけど、僕がファンだったら、どういう届け方をされるのが一番楽しいかな?とか新鮮かどうかというのは考えました。やっぱり表現という分野で何かこの世の中に出してる限り、届けるところまで責任だと思っています。良い曲ができたらヒットしたり、みんなが聴いてくれるのは当たり前だっていうのは、経験から考えても全然そんなふうには行かなかったし。それをどういうふうに届けるかだと思っているので。なので、去年から楽しみに毎月聴いてくれてた人がいたら、ありがたいというか感無量ですね」

——アジアのミュージシャンとのコラボも聴きどころですね。台湾のゾーイ・ワンダーとインドのパンディット・アジェイ・ポハンカールが参加しています。

「日本人が一番英語が苦手で、他のアジアのミュージシャンは大体英語ができるんですよね。そこは英語が話せる僕の場合は強みでもあって、自分で細かいニュアンスまでお伝えして直接やりとりできちゃうんで、向こうもそんなに壁を作らずに接してくれました」

——ポハンカールさんが参加してるラストの「loTus feat.Pt.Ajay Pohankar」は、インドの郷愁と日本の郷愁の両方が感じられる曲になってますね。

「そこはすごく思っていて、13カ月で裏テーマが“禅の言葉”だったんです。単純に言葉として響くのがいいなぁと思って。それが曲のインスピレーションになったりしてたんですけど、なんとなくその禅という流れから…今のインドはほとんど仏教残ってないですけど、それでも仏教の大元であるインドに行き着いて(笑)。古典の歌を歌ってる方と最後にコラボレーションできたのは終わり方としては綺麗だなと」

——エレクトロハス的な現代的な音像でも、滲み出る日本人らしさみたいなものがUQiYOなのかなと。

「あぁ。だから海外からみる分かりやすい日本人らしさを提示しつつも、日本国内のみなさんも憎めないというか、“そういうところはいいんだよね”とは思ってもらいたいっていうところはあります」

サブスクリプションでよく聴かれる曲は

セットリストのひとつの指標にもなっている

——CDというフィジカルメディアについてはどうお考えですか?

「日本ほどまだ売れてる国はないと言われつつも、やっぱりCD屋さんに行くと、本当に売れるアーティストさん以外はちょっとずつ難しくなっている現状は感じています。ただ、僕らはライヴをした後の物販でCDを買ってくれる人もいるんですね。そういう意味でモノとしての魅力はまだあるのかもしれないし、僕自身もすごく好きなアーティストの作品はモノで欲しいというのはあります。そういう意味では僕らもこれだけ配信をガンガンやった後でCDを出すってことはすごく考えました。内容的な話で言うと実はCD用のマスタリングをした時に、数曲フィニッシング編集を施してて。漫画とかで単行本を出す時に最後にちょっとお直しするみたいな感じです。それと今回のジャケットは石のかたちのスタンプを作って数千枚ぐらい手押しで作ったので、100パーセントアナログな一枚一枚全部違うモノになってます」

——そして目下ツアー中ですが、アルバム『Stones』を通じて初めてライヴを観るお客さんも多いかもしれないですね。

「そうですね。セットリストの流れは何個か指標があるんですけど、サブスクリプションでも再生数が多い曲はちょっと知られている確率が高いかなと思ってセットリストにも影響しています。13カ月楽曲を出していって、“この曲、マニアックすぎないか?”と思った曲の再生数が意外に伸びて、“これはめちゃくちゃポップだな”と持った曲が意外と伸びないとか、特にSpotifyはそれが顕著ですね。僕らにしかできない雰囲気みたいなものが出てたら、意外にそれが聴かれたりするのかなという印象です」

——ツアーファイナルの渋谷clubasiaは少し意外なチョイスでした。

「asiaはライヴハウスっぽかったりクラブっぽかったり、良い意味での融合感があるというか。変に洗練され切ってない…というのは僕のイメージですけど、それもすごい好きだし、音も良いし。それにDJフロアーというか、2階っぽいところも有効利用したいと思ってます。今回は毎月ジャケットも付けていたので、まだ100パーセントお約束はできないんですけど、展示みたいな感じでジャケットを並べたりもできたらいいな。予算に問題なければミュージックビデオをプロジェクターで全部流したいですね。今朝、本当に夢で見たんですよ。で、ガバッと起きて。このことばっかり考えていてうなされてますよ、毎晩(笑)」

取材:石角友香
【ライブ情報】

『UQiYO Rolling Stories Tour 2018』

6月10日(日) 北海道・札幌 SOUND CRUE

6月11日(月) 北海道・札幌 PROVO

7月07日(土) 静岡・富士 world football bar KICKERS ※ワンマン

7月08日(日) 愛知・名古屋Live & Lounge Vio

<ファイナル公演>

7月14日(土) 東京・渋谷 clubasia ※ワンマン

オールスタンディング¥3,500(税込)

※入場時ドリンク代別途必要

■チケット情報:https://goo.gl/wo4xCU

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