【BiSH インタビュー】幕張はエピソード0で、まだ1にもなってない

2017年11月20日 / 10:00

L→R リンリン、アイナ・ジ・エンド、ハシヤスメ・アツコ、モモコグミカンパニー、アユニ・D 、セントチヒロ・チッチ (okmusic UP's)

今年7月の幕張メッセ公演を大成功に収め、勢いに乗るBiSHがメジャー2ndアルバム『THE GUERRiLLA BiSH』を完成させた。今作は新機軸を盛り込みつつ、さらなる熱量とスケール感で攻める刺激的な楽曲が勢揃い。バンド、アイドル等とジャンルを問わずして戦う彼女たちに直撃!
与えられた課題も多かったし 新しい挑戦が盛り込まれた作品

──まず、今年7月に行なった幕張メッセイベントホールでの公演は本当に素晴らしかったです。改めて振り返って、どんな感想を持ってますか?
チッチ
「最初は現実味がなかったけど、今終えてみてひと言で言うと、楽しかったです。ミスもしたけど、メンバーで目を合わせたり、全員が楽しんでいたから。MCでも言ったけど、愛の結晶みたいなライヴでした。」
モモコ
「幕張を終えてBiSHとしてよりひとつになれたし、6人全員が自分たちの足で立ってる気がしますね。」
アイナ
「幕張はエピソード0で、まだ1にもなってない。BiSHとしてちゃんと歩き出したのが幕張以降ですね。」
アツコ
「映像を観た時にみんながひとつになってるし、改めてこんなに笑顔でやってたんだ!って思いました。」
アユニ
「私が加入して1年ぐらいだったので、その期間にいろいろ悩んで考えた自分の成長を幕張で観せたくて。昨年の日比谷野音公演は入ってすぐだったからよく分かってなかったけど、幕張は素直に楽しくて、知らないうちに笑ってました。今まで出せなかった自分を出せたなと。」
リンリン
「幕張には行ったことがなかったからピンと来なかったんですけど、ライヴは楽しみにしていたし、開放感がありましたね。」
アイナ
「リンリンは一番楽しんだんじゃない? ツアー中は謎に涙を流してて、“この子、辞めるんじゃないか?”と思ってたけど、幕張の日にリンリンは、この世のものじゃないくらい笑ってて。」
──ははははは。
アイナ
「幕張まで頑張ってくれて、ありがとう!と思いました。“誰やねん、お前”って感じですけど(笑)。」
──幕張公演以降、04 Limited Sazabys、MY FIRST STORY等と対バンしたり、旬と言えるバンドたちと一緒にやる機会も増えているように思うのですが、その辺りはどうですか?
チッチ
「2マンに呼ばれることが増えましたね。面白いと思ってくれてるからこそ声をかけてもらえると思うんですけど、それは嬉しいですね。そこで自分たちらしさを出せるかが勝負だなと。やっぱり負けたくないから。」
アイナ
「バンドさんともアイドルさんとも対バンできることって、BiSHの強みかなと。」
──どの辺が自分たちの強みだと思ってます?
チッチ
「曲が一番の強みじゃないかな。あと、楽器がなくてもライヴを観てもらえれば、がむしゃら感が伝わって、それがバンドマンの方にも刺さるんじゃないかと。」
──なるほど。そして、今回メジャー2ndアルバムが完成しましたが、今の率直な感想を教えてもらえますか?
チッチ
「歌い方もそうだけど、ひとりひとりに与えられた課題も多かったし、新しい挑戦が盛り込まれた作品ですね。」
アツコ
「今回はメンバー全員の作詞が入ってるので、初めてBiSHを聴く人も“この子はこういう歌詞を書くんだ!? ”って分かるんじゃないかと。」
チッチ
「うん、そういう意味でメンバーの人間味が出た作品だと思います。ヤバいアルバムができました。バンドさんたちに負けない一枚だと思います。」
モモコ
「幕張後に出すアルバムにぴったりだなと。」
アツコ
「前作『GiANT KiLLERS』の時にすごいものができたと思ったけど、今回はさらにビョーン!と飛んで、今までのBiSHで歌ってなかった曲調もあるし…「My landscape」とかそうですね。」
アイナ
「この曲はびっくりしました。圧倒的にカッコ良いものを作ろうとしてくれたんだなと思って、私たちもそれに応えなきゃいけないなと。だから、今までの振り付けではダメだと思って、まだ出したくないと思っていたものを徹底的に出して作ったんですよ。今まで恥ずかしくて言えなかったけど、自分は先端恐怖症で。だけど、目を見開いてコンパスを近づける仕草を振り付けに取り入れたんです。そこまで自分を追い詰めないと、ありきたりな振り付けしかできない気がして。」
チッチ
「曲調も今までにない感じだし、私は海外の人が聴いても違和感がないんじゃないかと思ってます。サビもカッコ良いから。」
アイナ
「Coldplayさんとかね。」
アツコ
「洋楽っぽいなと思いました。それが新鮮でしたね。」
──それこそ幕張メッセでも映えそうな壮大な楽曲ですよね。
チッチ
「曲の入りからストリングスが鳴ってますからね。」
モモコ
「この曲はロサンゼルスでMVを撮影したんです。」
チッチ
「飛行機の墓場みたいな場所で、ロスの市街から車で30〜40分…(スタッフから3時間と教えられる)いや、3時間です! ずっと寝てたから分からなかった(笑)。」
アツコ
「MVは2日で録ったんですけど、基本的には車の中で過ごすことが多くて、常にガタガタ揺られてました。」
モモコ
「ほんとそうだよね!」
チッチ
「風がすごくて飛ばされそうになって、一時中断になったこともありました。」
今のBiSHを観ないと もったいないよ!

──そのMVも必見ですね。リード曲「My landscape」から一転、「SHARR」はBiSH流ラウドロックですね。
チッチ
「全員シャウトしてますからね。」
アツコ
「私はシャウトしたけど、採用されてない。」
全員
「ははははは。」
チッチ
「でも、頑張ったもんね! めちゃいい経験だなと。」
アイナ
「喉は痛くなかったから、叫ぶのが好きなのかと(笑)。」
リンリン
「私は苦しくて、ライヴで息が続くかなって…。」
チッチ
「「SHARR」の振り付けもアイナがしてくれたけど、次の日に首が取れそうになりました。」
アイナ
「最初はもっとエグかったんですよ。ダンスも振り切ってますからね。」
──「SHARR」はモモコさんの作詞ですよね?
モモコ
「BiSHでありそうでなかった曲だなと。ストレス発散の曲かなって思ったから、攻撃的な歌詞にしました。」
チッチ
「満員電車の中で書いたんだっけ?」
モモコ
「思い付いたのはそうかな。BiSHで忙しい時期だったから、《忙しいだけの 疲れeverydayで》と書いて。」
──ははは、かなりリアルな内容なんですね。
モモコ
「あと、満員電車に毎日乗っているサラリーマンの方にも聴いてほしいですね。」
──《ダサいフューチャー》の歌詞はパンクっぽいなと。
モモコ
「あぁ、そうですね。《ダサいフューチャー》という言葉は、ちょっとダサいですけどね(笑)。」
──「spare of despair」はアユニさんの作詞ですよね。
アユニ
「古い洋館みたいなイメージで、ピエロたちのお茶会みたいな雰囲気を感じて…曲調も好きだったんですよ。サビで《失踪した気持ちに出会って 絶望》という歌詞があるんですけど、自分の中の嫌な記憶を失くしていたけど、ふと思い出した時に絶望しちゃって…鬱的な内容かなって。」
チッチ
「めっちゃアユニっぽい歌詞だなと思いました。《存在感を問いただす 木偶の坊が》なんて、面白い言葉を使うなと。アユニだから感じる鬱憤が出てますね。」
アツコ
「歌詞の世界観がすごいですよね。“手羽先”みたいな名前なんだっけ? “風来坊”だ!」
全員
「ははははは。」
アツコ
「《弱い風来坊》や《後頭部がバイオレンス》という歌詞の表現が面白くて、この子はグロテスクな本を読んでいるのかなって。アユニの頭の中を覗きたくなりました(笑)。」
──想像力を掻き立てられますよね。そして、「JAM」はしっとり聴かせるいい曲ですね。これはモモコさん作詞で。
モモコ
「自分自身と向き合って書いた曲ですね。朝の4時に20分ぐらいでササッと書けました。曲調も今までにないシャッフルみたいな感じで、採用されて良かったです。」
──《自業自得のオンパレード》というフレーズはモモコさんらしいなと思いました。
モモコ
「生きるのが苦手で、どうしようと思うことが多くて。自分がここにいる意味を考えちゃうことも多いし。」
──《一番なんて僕はいらないから 君にあげよう 誰かの上 立たなくてもさ 輝けるはずだから》の歌詞も好きで。
モモコ
「争うのが嫌いなんですよ。みんないいところがあるし、誰かしらその分野の一番になれるはずだから。自分も争わないで一番になれるところを見つけたくて。弱い心と向き合った歌詞ですね。」
──自分の弱さを曝け出せるようになったのは精神的に強くなった証拠じゃないですか?
モモコ
「そうですね。ゆったりした曲調にも合ってるし。」
アツコ
「この曲は鉄拳さんにパラパラ漫画を描いてもらいたいですね。そしたら号泣必至!かなと。」
アイナ
「モモコは最初からずっとぶれてない。一般の人と同じ目線だから共感してくれる人が多いのかなと。「JAM」にはそれがめっちゃ出てると思います。モモコを知ってる人なら泣いちゃう曲ですね。」
──ええ。それから「JAM」以降の中盤からは激しい楽曲が続きますね。ライヴの絵が容易に浮かぶ曲調ばかりです。
チッチ
「「Here’s looking at you, kid.」はデモの時点から好きな曲だったんです。」
アイナ
「私、この曲を聴いたら泣けてくるんですよ。リンリンが書いた歌詞の内容だけで気持ちが入っちゃって。「My distinction」(2016年10月発表のメジャー1stアルバム『KiLLER BiSH』収録曲)の続きで、リンリンが初めてハッピーな歌詞を書いたから、それが嬉しくて。」
リンリン
「ハッピーな歌詞を書きたいと思ったから…それはたまたまですね(笑)。」
──「ろっくんろおるのかみさま」はチッチさん作詞で。
チッチ
「この曲は私が絶対書きたいと思って。曲調も青春パンクっぽい感じで好きですね。歌詞は自分のことばかりだけど、清掃員(BiSHファンの呼称)やロック好きな方が聴いても歌いたくなる歌詞かなと。ライヴでいっぱい歌ってくれたらいいなって。」
──「ALLS」はアイナさんの作詞ですけど、言葉に勢いがありますよね。
アイナ
「自分が男か女か分からなくなった時に書きました。性同一性障害とかではないんですけど。」
──《突き止めたい 抗えない 確かめたい 全部 全部 全部》という歌詞になってるんですね。
アイナ
「全部確かめたくて。それだけなんです(笑)。」
モモコ
「アイナの女性の部分が出てきたなと思いました。曲調にも合ってるし、振り付けも楽しみですね。」
──「パール」はアツコさんが作詞ですけど、他のメンバーと比べてもストレートで分かりやすい歌詞だなと。
アツコ
「自分でもそう思います。寝てる時に見る夢と、将来の夢とふたつの意味をミックスさせてるんですよ。夢の中だと亡くなった人に会えたりするし、“夢見がち”という言葉があるけど、夢を見てもいいんじゃないと思って。」
──応援ソング的な歌詞で良かったです。そして、年明けから今作のツアーが始まりますが、最後に意気込みを!
リンリン
「中野サンプラザは昔からやりたいと思っていたところで。ハロプロが好きなので、いっぱい通った場所なんですよ。」
アイナ
「今まで何も起きなかったツアーはないんですよ。今回のツアーでも成長したいし、“今のBiSHを観ないと、もったいないよ!”って言いたいですね。」
取材:荒金良介
アルバム『THE GUERRiLLA BiSH』
2017年11月29日発売

avex trax

【初回生産限定盤(Blu-ray付)】

AVCD-93752/B ¥10,800(税込)

※初回生産限定盤 EPサイズ豪華BOX仕様

※PHOTOBOOK(100P)付

【LIVE盤(DVD付)】

AVCD-93753/B ¥6,264(税込)

【CD盤】

AVCD-93754 ¥3,240(税込)
WACK企画アルバム『WACK & SCRAMBLES WORKS』
2017年12月6日発売

avex trax

【AL+DVD】

AVCD-93764/B  ¥4,500(税抜)

※初回仕様:デジパック

※初回特典:WACKグループ総出演写真集付属(50P予定)

【AL】

AVCD-93765  ¥3,000(税抜)
ライヴ情報
『WACKのフェス。』

12/08(金)ZEPP DIVER CITY

出演:BiS、BiSH、GANG PARADE、EMPiRE and more

『BiSH pUBLic imAGE LiMiTEd TOUR』

1/30(火) 東京・Zepp Tokyo

2/03(土) 熊本・B.9 V1

2/04(日) 福岡・DRUM LOGOS

2/11(日) 大阪・なんばHatch

2/12(月) 京都・KBSホール

2/17(土) 香川・高松festhalle

2/24(土) 広島・BLUE LIVE HIROSHIMA

3/03(土) 宮城・仙台PIT

3/10(土) 北海道・札幌PENNY LANE 24

3/11(日) 北海道・札幌PENNY LANE 24

3/21(水) 新潟・LOTS

3/24(土) 沖縄・ナムラホール

4/06(金) 愛知・名古屋ダイアモンド ホール

4/07(土) 愛知・名古屋ダイアモンド ホール

4/21(土) 東京・中野サンプラザ

4/22(日) 東京・中野サンプラザ
BiSH
ビッシュ:2015年3月に結成。16年5月にシングル「DEADMAN」でメジャーデビューを果たす。同年10月にはメジャー1stアルバム『KiLLER BiSH』を発売し、iTunes総合アルバムチャート1位を獲得。17年3月にはZepp Tokyoでのワンマン公演をソールドアウトさせ、シングル「プロミスザスター」でオリコン週間チャート4位を獲得。7月22日には幕張メッセイベントホールでのワンマン公演を成功させた。
「My landscape」MV

https://youtu.be/–ombqA70cI


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