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【JYOCHO】 沸き上がる感情は共有できると信じてる

L→R ハチ(Flt)、sindee(Ba)、中川大二朗(Gu)、猫田ねたこ(Vo)、hatch(Dr) (okmusic UP's)

中川大二朗のソロプロジェクト、JYOCHOの新作が早くも完成! 活動姿勢や心境もだいぶ変わってきたようで、今回は猫田ねたこ(heliotrope)を新たなヴォーカルに迎えている。
──思ったよりも早く新作が届いて嬉しいです。
「以前は先のことを何も考えてないくらいだったけど、パッと出したい気持ちに切り替わったんですよね。バンドとしてのJYOCHOがすごくしっくりきてて、そうなるとライヴをやりたい想いも芽生えてきて、自分が外に向いてる感じがします。もう、前作のリリース直後あたりから。ライヴが観たいという声もたくさんいただいてたし。」
──今作のバンドサウンドのポイントは?
「ダイナミクスを大事にしたアンサンブルを心掛けました。各プレーヤーの個性、音符の長さも休符を含めて明瞭に伝わるように。かつ、ヴォーカルがしっかり真ん中にいて、メロディーが抜けてくる感じですね。音の作り方をだいぶ変えたので、シンプルに聴こえるかもしれません。」
──「ほんとうのかたち」は特に音符の長さで余韻が感じられました。
「そう言われると、ギターのアプローチも変わってますね。“間”を多く取れてるというか。前作はタッピングで弾き倒す、もっと攻撃力高めな一枚やったんで(笑)。」
──世界で引き続き起こってるさまざまな出来事が、作品に影響してたりはしますか?
「社会的な変化や風刺みたいなものが目立った前作に比べて、今作は感情、記憶、意識の描写がテーマになってます。自分の中におぼろげに残ってる感触を記録するというか。「tree,stone」は小さい頃の記憶をもとにしてて。僕、すごく怒られてめちゃくちゃ泣いてたんですよ。誰に怒られたのかは覚えてないけど、それが家だったこと、そのあとに泣き疲れてボーッとしてたのは覚えてて…あの放心状態が未だに忘れられなくて、ふと沸き上がってくる時があるんですよね。川の音は涙を連想させる要素として入れました。」
──それがJYOCHOらしい楽曲の作り方?
「そうですね。ほとんど忘れてる記憶の中で、そんなに衝撃的な出来事じゃないはずやなのに、なぜか意外と覚えてたりするもの。その情緒にとても魅力を感じるんですよ。おばあちゃんちの物置にあった『週刊少年ジャンプ』の匂いとか、ドッジボールが終わって家に帰ってきたらしてた煮物の香りとか。それを引き継いでる現状の自分も含めて、曲に書いてます。」
──「三つに分けること」はどんな意味合いがある曲ですか?
「“あなたと私”が一緒にいる時、見えないものってすごくあるんじゃないかなと。そこにもうひとりの自分を置けたとしたらもっと見える…と最近は思ってて。俯瞰や客観というよりも抽象的な感触なのですが、広い目線を持つことで楽になれた気がしてます。」
──“碧い家で僕ら暮らす”というタイトルは、その楽になれた感覚が滲み出てるように思いました。
「確かに、“暮らす”の部分には決意を含めてますしね。テキストにするのが難しい感覚ばかりやけど、普通に生きてると捨てていってしまいがちじゃないですか。それが嫌なんやろうなと(笑)。ただ、あくまで個人の記録で、やっぱり“こたえ”を誰かに提示したいわけではなく、あるかどうかも定かではない絶対的な“こたえ”を僕自身でさえ探してる途中みたいな。正解が分かってない自覚もあるので、わざと分かりにくい言葉にしてますから。一方で、“こたえが出んでもいいや”とも思ってて。でも…記憶って共有できるものじゃないけど、記憶から沸き上がってくる感情は共有できると信じてるんです。“なんで沸き上がってくるんやろ?”っていう考えは止めたくない。猫田ねたこさんの歌をライヴで聴いた時に心がギュッとなる、呼び起こされる感じがあって、今作の構想と合致してヴォーカルをお願いさせてもらいました。」
取材:田山雄士
ミニアルバム『碧い家で僕ら暮らす』
2017年9月13日発売

No Big Deal Records

NBPC-45 ¥1,944(税込)
ライヴ情報
『Next Music from Tokyo vol 11《Canada Tour》』

10/06(金) カナダ・Tranzac Club(Toronto)

10/07(土) カナダ・Lee’s Palace(Toronto)

10/08(日) カナダ・Divan Orange(Montreal)

10/11(水) カナダ・KW Studio(Vancouver)

『JYOCHO 「碧い家で僕ら暮らす」Release tour』

10/22(日) 京都・京都GROWLY

12/03(日) 東京・渋谷TSUTAYA O-Crest
JYOCHO
ジョウチョ:2015年3月に解散した宇宙コンビニのリーダー“だいじろー”こと中川大二朗のソロプロジェクト。プログレッシブ~ポップスなどさまざまなジャンルを通過した音楽性に、テクニカルなトラック、温かみ、激情をふんだんに盛り込んだ、まさに情緒感たっぷりな、JYOCHOにしかできない独自の世界観を構築する。

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