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【SPYAIR】 歌謡メロと2ビートの違和感が生む面白さ

L→R KENTA(Dr)、MOMIKEN(Ba)、IKE(Vo)、UZ(Gu&Programming) (okmusic UP's)

現在放送中の東海テレビ・フジテレビ系全国ネット オトナの土ドラ『ウツボカズラの夢』主題歌として起用されている、ジャズや歌謡曲風のメロディーを取り入れた新曲「MIDNIGHT」。1度聴いたら耳から離れないインパクトの強い曲に仕上がった。
──「MIDNIGHT」はジャジーなサウンドで、サビメロは昭和の歌謡曲風とインパクトがあって、大人の雰囲気もありつつ、聴き応えがある一曲になりましたね。
UZ
「ドラマ『ウツボカズラの夢』の主題歌というお話をいただいて書き下ろしました。プロデューサーからは“ジャジー”というキーワードを提示されたので、そこに挑戦しつつも、このバンドで鳴らす意味を失わないように意識して。歌謡曲とは考えなかったけど、ドロっとした部分は考えたかな。」
──サビのメロディーは非常にパンチ力がありますよね。
MOMIKEN
「歌謡曲っぽいメロディーラインで、そこに2ビートのドラムが乗る発想に驚いたし、新しさを感じましたね。」
IKE
「ある種の違和感というか、メロディーがすごく大きく流れていくけど、ドラムがズタズタズタって響いてて、その違和感が面白さを生んでいるなって思います。でも、同時に“どう歌い上げたらいいんだろう?”というのはすごく考えました。実際にリズムを無視して歌わなくちゃいけないところがあるし、でもリズムに乗り切っていないと作品として成立しないから。そこの駆け引きみたいなものは、最初はちょっと探りながらでしたね。」
──このサビメロに対しては、素直にやるとシャッフルとかスウィングっぽいリズムになるのでしょうね。
KENTA
「ジャズを意識すると、きっとそうなるんだと思います。でも、そこで2ビートを鳴らすというのが、ロックバンドっぽいかなって思いますね。UZが作った時に思い切りジャズに寄せていたら、きっと“どうしようか?”ってなっていたと思うけど、あくまでもSPYAIRがやるものですから。」
UZ
「もちろん少し狙った部分はあったけど、メンバーとか身内とかは思った以上に食い付いてくれましたね。」
──サビの《熱帯夜》のところがすごく耳に残りました。
MOMIKEN
「原作小説を読んだ上で、夏の設定で夜の孤独感をひと言で表現したいと思って考えました。決してさわやかではない、ちょっと湿りっ気のある感じが出ていると思います。でも、最初は“熱帯夜”をそんなに押すつもりはなかったんですけど、プロデューサーから“MOMIKENくん、《熱帯夜》がいいよね”って。それで使うところを増やしたという。」
IKE
「その《熱帯夜》を活かすために、プリプロでいろいろなパターンを試して方向性を詰めたんですけど、サビは結果的に、意外とSPYAIRらしいと言えるほど、力の入った感じで歌って。いつも通りと言えばいつも通りなんですけど。」
──メロディーや歌詞のテイストで聴こえ方が変わるのですね。
IKE
「そうですね。歌っているほうよりも受け取り側が、すごく雰囲気が違うと感じてくれているみたいです。でも、際どいところですよね。“熱帯夜”って聴きようですごくダサくもなるから。そこのギリギリ感が聴いたみなさんの中で引っかかりになったら嬉しいですけど。」
KENTA
「そういう斬新さがありながら、要所要所ではMOMIKENらしさも出ていますね。《君の愛の価値は いくら?》という表現とかは、すごくMOMIKENらしいと思います。」
MOMIKEN
「愛は買えないですけどね。買ったところで幸せになれない。原作小説を読んだ時、主人公は絶対に幸せにはなれないだろうと思って。」
──それを《幸せになりたい。》と歌っている。
IKE
「大胆ですよね。なれなさそうな匂いがプンプンするけど、その矛盾を歌っちゃうというのは(笑)。」
──そして、もう1曲の「The Way of My Life」はラップと歌が交錯するSPYAIRらしいナンバーで。
UZ
「これはもととなるデモが結構前からあって、今やったらカッコ良くできるんじゃないかと。」
──人生的なものがテーマかと思いますが、歌詞の視点が面白いと思いました。
MOMIKEN
「俺は大枠の絵を描いて、細かい絵はUZがラップで描いています。昔はこういうことがあったけど、今はこういう気持ちで向かっていこうぜ!と歌っていて。ラップはその人のバックグラウンドが分かることをローカルな言葉で書いてほしいとUZにお願いしました。そのほうが曲への親近感につながると思ったので。」
UZ
「例えば“ブルーサンビーチ”は、うちの近所の海水浴場の名前なんです。高校時代にHi-STANDARDを聴きながらブルーサンビーチでよく遊んでいて。」
KENTA
「あそこ、“ブルーサンビーチ”って言うんだ!?」
UZ
「新舞子マリンパークブルーサンビーチ。知らなかった?」
IKE
「知らないって。相当ローカルだよ。でも、いいところを突いてきたね。“新舞子”だと歌詞にならないし(笑)。」
KENTA
「インディーズの時、そのブルーサンビーチでライヴしたことがあったよね。野外の仮設ステージで、あまりの暑さでIKEとMOMIKENが気を失いそうになって。」
──そんな思い出が!
MOMIKEN
「その年の一番暑い日で、海の照り返しもあったし。倒れかけるギリギリで踏ん張って、IKEと顔を見合わせて“今、俺たちオチかけてたよな?”って(笑)。」
IKE
「そんな時でも“The Way of My Life”ってね(笑)。」
──そして、先日の『JUST LIKE THIS 2017』では、アルバム『KINGDOM』のリリースとホールツアー開催が発表されましたが、『JUST LIKE THIS』のテーマが“ROCK KINGDOM”だったから?
KENTA
「逆ですね。」
UZ
「2年前、当時は仮だったけど、このアルバムタイトルを“KINGDOM”と決めて走り始めたんです。4枚のシングルリリース、アリーナツアーとかいろんなことを挟みながら、制作期間も長かったので、バラエティーに富んだものになりました。楽しみにしていてください!」
取材:榑林史章
シングル「MIDNIGHT」
2017年8月30日発売

Sony Music Associated Records

AICL-3404 

¥1,111(税抜)

※初回限定仕様

『SPYAIR TOUR 2018 –KINGDOM–』
1/26(金) 東京・中野サンプラザ

1/28(日) 静岡・沼津市民文化センター

1/30(火) 埼玉・大宮ソニックシティ

2/03(土) 宮城・東京エレクトロンホール宮城

2/04(日) 千葉・浦安市文化会館

2/08(木) 神奈川・川崎市スポーツ・文化総合センター

2/12(月) 兵庫・神戸国際会館 こくさいホール

2/17(土) 新潟・テルサ

2/18(日) 福島・郡山市民文化センター 中ホール

2/25(日) 群馬・桐生市市民文化会館 シルクホール

3/11(日) 神奈川・厚木市文化会館

3/17(土) 北海道・わくわくホリデーホール (札幌市民ホール) 

3/21(水) 石川・本多の森ホール

3/23(金) 岐阜・長良川国際会議場

3/25(日) 京都・ロームシアター京都

3/31(土) 広島・広島文化学園HBGホール

4/01(日) 岡山・岡山市民会館

4/05(木) 福岡・福岡サンパレス ホテル&ホール

4/07(土) 香川・レクザムホール 小ホール

4/08(日) 愛媛・松山市総合コミュニティセンター キャメリアホール

4/12(木) 大阪・フェスティバルホール

4/14(土) 愛知・名古屋国際会議場センチュリーホール
SPYAIR
スパイエアー:2005年結成。10年8月にシングル「LIAR」でメジャーデビュー。これまでに19枚のシングル、4枚のオリジナルアルバムを発表。東京ドームでのステージをバンドの次なる目標に掲げ、 新たなるフィールドに挑んでいく、いわば“戦への狼煙上げ”となる第1弾シングル「THIS IS HOW WE ROCK」を16年7月にリリース。11月には“戦い”をテーマにした「RAGE OF DUST」をリリース。TVアニメ『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』第2期OPテーマとして大きな話題を呼び、ロングセールスとなっている。

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